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発光ラット膵β細胞株「iGL細胞」発売のお知らせ

このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、糖尿病等に特に関連のある血糖値抑制ホルモン「インスリン」の分泌を、生物発光の技術により高感度に測定することが可能な細胞株注1)「iGL細胞」を発売いたしますのでお知らせいたします。

1.ラット膵β細胞株「iGL細胞」の概要および用途

「iGL細胞」は、従来より世界中で使われているラット膵β細胞株「INS-1E細胞」に生物発光の技術を導入し、分泌する「インスリン」が発光するように改良した細胞株注2)で、インスリン分泌量の測定やイメージングがこれまでよりも簡便かつ高感度に行える細胞株です。そのためiGL細胞は、糖尿病など、インスリン分泌に関連する疾病の基礎研究や、創薬・再生医療分野の研究開発に非常に有用な細胞製品として期待されています。

膵臓に含まれる膵β細胞は、必要に応じてインスリンを分泌して血糖値(血液中のグルコース濃度)の上昇を抑制しており、血糖値を正常範囲に維持する上で中心的な役割を果たす細胞です。このインスリン分泌機能が正常に働かなくなることによるII型糖尿病注3)の患者は国内では約700万人で、今後も増えていくことが見込まれる一方、完治が期待できる医薬品は未だ存在していません。
インスリン分泌の研究に必要な膵島(膵臓の中にある細胞塊で膵β細胞を含む)は、研究用に培養して増やすことができず、また本来の機能を保持した状態で凍結保存することもできません。そのため、ほとんどの研究ではラットやマウスから膵島を実験の都度取り出すか、ライセンスされている膵β細胞株が使用されています。このたび発売するラット膵β細胞株「iGL細胞」は、安定して増殖する上に膵島様の細胞塊を形成しやすい性質を持つINS-1E細胞(スイスのジュネーブ大学が保有し、世界中で使用されている)を改変した細胞です。インスリンにガウシアルシフェラーゼと呼ばれる発光酵素を印(タグ)としてつけるという改変を施しているため、分泌されたインスリンを発光させることで高感度に測定できる上に、インスリンが分泌される様子をリアルタイムで観察して解析することもできます(図参照)。

本製品を用いることで、インスリン分泌メカニズムの解明のほか、ドラッグリポジショニング注4)などにより、安価で有効なII型糖尿病治療薬の開発も期待できます。糖尿病は、アルツハイマー病や脳梗塞を引き起こす原因の一つともいわれており、血糖値の調節は「脳疾患」の研究においても非常に重要なテーマとなります。さらに、糖尿病は「歯周病」と増悪関係にあり、脳神経疾患、がん、動脈硬化、高血圧、心筋梗塞など、様々な疾患の発病と進行に関係しています。当社は本製品を、大学の医学部、歯学部や薬学部をはじめとした各研究室や製薬会社等、世界中の生命科学研究機関と企業に、積極的に販売してまいります。

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図.iGL細胞におけるインスリン分泌の生物発光イメージング画像
高血糖を模倣した高グルコース刺激により分泌されたインスリンの発光(シアン色)をビデオ画像として可視化し(A-C),発光強度を解析することで分泌量の変動を定量化している(D,E).(A-C)発光ビデオ画像を一番左の明視野画像に重ね合わせている:A.平面培養細胞.B.接着して層状となった細胞塊.C.細胞外マトリックス上に接着した膵島様細胞塊.(D,E)単一膵島様細胞塊におけるインスリン分泌量の経時変化:D.高グルコース刺激のみの分泌量変化. E.糖尿病薬グリベンクラミドと高グルコースで刺激したときの分泌量変化. 膵島様のiGL細胞塊(スフェロイド, 3次元培養細胞)は、ラット単離膵島と同様に、細胞集団全体が同調した周期性インスリン分泌能を有する特長があることがわかる注5)
※ 図は参考文献(Suzuki et al. BBRC 486: 886-892, 2017, Open Access CC BY 4.0)のFig.2を引用。

2.製品の特徴、販売開始日および希望販売価格

  • 特徴:
    ・株化細胞のため、安定的に増やして使用することができる
    ・分泌する「インスリン」が発光するため、インスリン分泌量の高感度測定やイメージングに利用できる
    ・細胞集団が同調した周期性インスリン分泌を観察できる
  • 販売開始日:2019年4月1日
  • 希望販売価格:ご照会(学術用途と応用開発用途で価格は異なります)

3.業績見通しに与える影響

本件による当期の連結業績に与える直接の影響は軽微ですが、当社グループは、様々な研究用途の細胞製品を取り揃え、これからも人々の健康を守る研究開発を支えてまいります。

以上

【用語解説】

注1)細胞株
生体から単離した細胞や遺伝子に何らかの手を加えた細胞が、その性質を保ったまま長期間にわたって安定的に増殖・培養できる状態になったもの。

注2)iGL細胞の開発と販売
ラット膵β細胞株「iGL細胞」は、愛知学院大学歯学部生化学講座の鈴木崇弘教授により、INS-1E細胞を改良して開発された細胞株。学校法人愛知学院と当社との間で既に実施許諾契約を締結しており、それに則って販売を行う。なお、学校法人愛知学院はiGL細胞について、INS-1E細胞を所有するジュネーブ大学との間で成果有体物移転契約を締結している。生物発光技術の基本特許は、JNC株式会社により当社が許諾を受け使用。

注3)II型糖尿病
遺伝要因や栄養過多の食生活などが発症の原因といわれていて、インスリンが分泌されていても正しく機能しなかったり、インスリンの分泌量が少なくなったりすることで高血糖となり、高血糖状態が続くと様々な障害が起こる疾病。糖尿病患者の約95%がこのII型糖尿病である。

注4)ドラッグリポジショニング
安全性と体内動態が実績によって既に確認されている既存のある疾患に有効な治療薬から、別の疾患に有効な薬効を見つけ出すこと。

注5)周期性インスリン分泌
インスリンを含めたホルモンは周期的に分泌され、血中濃度が周期変動することはホルモンの作用を持続させる上で重要と考えられている。II型糖尿病では、血中インスリン濃度の周期変動が消失することが報告されているが、その原因はわかっていない。

発光ラット膵β細胞株「iGL細胞」発売のお知らせPDF
PDF形式 465KB 2019年3月4日

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