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「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造事業の開始のお知らせ

このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、鶏卵の卵白中に、目的とする有用なタンパク質を大量に生産させる技術(鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術)を用いて、当社自社製品の製造に加え、タンパク質の受託製造事業を開始することといたしましたので、お知らせいたします。

1.受託製造事業の概要および用途

 本事業は、「鶏卵の卵白中に、目的とする有用なタンパク質を大量に生産させるように『ゲノム編集』した特殊なニワトリ」を用いて、ユーザーが必要とするタンパク質を大量製造・精製して納品する受託製造事業です。従来のタンパク質製造技術と比べ、大量かつ安定してタンパク質を製造することができ、さらに低コストで製造ができるため、提供価格にも他技術と比べて優位性があります。
 当社は、本受託製造事業を通して、医薬品メーカーから特定のタンパク質製造を請け負うなど、医薬・食品・化学分野等における様々な原材料としてのニーズに応えます。また、これまでタンパク質を大量に製造することが困難だったために実用化に至らなかった新規技術の応用開発等にも需要が期待されます。

2.受託製造事業の導入の背景

(1)製造技術の確立

⟨⟨事業の推移⟩⟩
2016年 産総研、農研機構と共同研究開始
(NEDO:2016年7月〜2017年12月)
2017年8月 ヒト インターフェロンβ製造に関する特許実施権を獲得
2018年8月 当該技術がScientific Reportsに掲載
2018年10月〜 産総研と共同研究
(A-STEP:2018年10月〜2021年3月)

当社では、2016年に国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」)および国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」)とNEDOプロジェクトにより共同研究を開始し、2018年にはヒト インターフェロンβタンパク質を一つめの実施例として、タンパク質の大量製造と精製方法を確立しました。

(2)ゲノム編集ニワトリ構築技術の導入

当社は、ゲノム編集ニワトリ構築技術の導入のために、次の3つの機関との提携の合意に至っております。

  • 産総研および農研機構からの「ゲノム編集ニワトリ構築のライセンス・ノウハウ導入」合意
    鶏卵の卵白中に目的のタンパク質を生産させる技術はゲノム編集以外にも存在しますが、従来技術では遺伝子導入にウイルスが使用されています。当社が実用化する技術は、産総研と農研機構によって開発された鶏卵バイオリアクターを用いたゲノム編集ニワトリ構築技術で、従来技術に比べてタンパク質の生産量も非常に多く、優位性の高い安全な技術です。
  • C4U株式会社(以下「C4U」)からの「ゲノム編集技術のライセンス導入」合意
    C4Uは国立大学法人 大阪大学発ベンチャーで、同大学が最近特許を取得した「CRISPR/Cas3」技術の実用化を目指しています。当社がこれまでに使用を検討していた「CRISPR/Cas9」技術(先行して開発されていた海外の他者技術)に2つめの基本特許が成立したことから、技術の利用だけでなくその技術を使った製品の使用にもライセンス費用負担が発生するなど、製品の使用面において複雑な権利問題を考慮する必要があります。これに対し、新たに開発された「CRISPR/Cas3」技術は、C4Uの協力により、使用者が複雑な権利問題を懸念する必要がありません。

当社は産総研、農研機構の特許技術に合わせ、国内発技術である「CRISPR/Cas3」技術を用いて鶏卵内に有用なタンパク質を大量に製造することで、「オールジャパン」体制での「ものづくり」を提供いたします。

3.受託製造事業の開始時期

2019年7月より本受託製造事業を開始いたします。

※7月3日〜5日に開催されるファーマラボEXPOにて本事業の展示をいたします。

4.ゲノム編集ニワトリを用いたタンパク質製造事業について

従来、研究用試薬として2019年度内の販売開始を予定しておりましたヒト インターフェロンβタンパク質につきましては、先に述べた通り、ニワトリに遺伝子を導入するために検討してきたゲノム編集技術(CRISPR/Cas9)に2つの基本特許が存在することとなり、ライセンス環境に大きな変化が生じたことと併せて、他方では、従来の技術に代わる新しいゲノム編集技術として「CRISPR/Cas3」が活用できる状況になったことから、「CRISPR/Cas3」を用いた製造に切り替える検討を行っております。
当社は、既に実用化したゲノム編集ニワトリの技術に基づいて、新しいライセンス環境のもとに、様々な目的タンパク質の製造開発を進めており、このたび事業を開始する製造受託事業と並行して製造販売を目指します。

5.業績見通しに与える影響

当年度において、当該受託事業の開始が当社グループ全体の業績に及ぼす影響は軽微でありますが、本件につきましては、中長期的に当社グループの収益基盤の強化と拡大に繋がるものと位置付けており、今後もこのような知的財産の収益化を推進してまいります。

以上

「鶏卵バイオリアクターを用いたタンパク質製造技術」を利用したタンパク質受託製造事業の開始のお知らせPDF
PDF形式 329KB 2019年6月20日

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