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タウタンパク質凝集再現試薬の発売開始のお知らせ

このたび、コスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、培養細胞内にタウタンパク質の凝集を再現させる「タウ凝集アッセイキット」などを開発し、認知症に関わる研究に役立てるために販売を開始いたします。

1.製品の概要・用途

本製品は、アルツハイマー病をはじめとする認知症の研究に極めて重要なツールです。
アルツハイマー病などの認知症においては、「タウ 注1)」と呼ばれるタンパク質が脳の神経細胞内で凝集することが知られています。この現象を人為的に培養細胞で再現して認知症の研究環境を作ることは、タウタンパク質の凝集を抑制する薬剤の開発や凝集体を排除する研究、また凝集メカニズムの解明に欠かせません。当社は、これらの研究に有用な2種類の製品を発売いたします。

タウタンパク質
図:マウスの神経系培養細胞に凝集したタウタンパク質(緑色)

① 4R タウ線維化タンパク質(P301L変異体)

タウタンパク質の研究に優れた業績のある国立大学法人 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 松本弦先生より技術指導を受けて製品化した、タウ線維化タンパク質 注2)です。このタウ線維化タンパク質にはP301L変異(家族性タウオパチー 注3)変異)が施してあり、これを細胞内に導入することで、細胞内のタウタンパク質を人為的に凝集させることができる、これまでにない製品を市販化することができました。

② タウ凝集アッセイキット

培養神経細胞内にリン酸化タウの凝集を再現させることができる研究用のタウ凝集アッセイキットです。①の『タウ線維化タンパク質』を含めて、細胞培養試験に必要な試薬をひとつのパッケージにまとめました。

これら製品により、タウの凝集阻害薬(認知症薬)の開発が飛躍的に広がることが期待されます。当社は、国内の学術研究ばかりではなく、国内外の製薬会社、臨床検査薬開発会社などの企業や研究機関に向けて販売してまいります。

2.製品の特徴および販売開始日

  4R タウ線維化タンパク質
(P301L変異体)
タウ凝集アッセイキット
① 特徴・用途 ・タウ凝集の活性確認済み
・家族性タウオパチー(P301L)変異
・培養細胞内にタウの凝集沈着を再現する
・タウ凝集阻害物質のスクリーニングキット
② 販売開始日 2019年6月27日 2019年7月上旬

※これらの製品は、国立大学法人 長崎大学より技術提供を、公益財団法人 東京都医学総合研究所より特許使用ライセンスを受けて製品化いたします。

3.業績見通しに与える影響

本件販売開始による当社グループ全体の当期の業績に与える影響は軽微ですが、当社グループは今後も新たな技術導入を積極的に実施し、自社製造による新規試薬の販売に注力することで、生命科学研究の進歩発展を目指すとともに、当社の業容を強化拡大してまいります。

以上

【用語解説】

注1)タウタンパク質
タウタンパク質は神経細胞の軸索に局在して、軸索内の微小管の安定化に寄与していることが知られている。認知症の6割以上を占めるアルツハイマー型認知症は、老人斑と呼ばれるアミロイドβタンパク質の蓄積と、線維化(注2)したリン酸化タウタンパク質の細胞内蓄積による神経原線維変化(タウ病理)の出現により定義される。タウタンパク質がなぜ線維化してしまうのかはよくわかっていない。

注2)線維化タンパク質
アルツハイマー病などにおいてタウタンパク質は病的な凝集をおこし不溶性線維を形成する。このような状態のタンパク質を線維化タンパク質と呼ぶ。

注3)家族性タウオパチー
タウオパチーとは,タウタンパク質が細胞内に蓄積する神経変性疾患の総称。家族性タウオパチーは、遺伝性の要因によりタウタンパク質が細胞内に蓄積する。

タウタンパク質凝集再現試薬の発売開始のお知らせPDF
PDF形式 352KB 2019年06月27日

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