Rhod-2に代わる新規Ca²+蛍光指示薬 Screen Quest™ Rhod-4 NW カルシウムアッセイキット

カルシウムフラックスアッセイはGタンパク質共役受容体 (GPCRs) をスクリーニングするドラッグ・ディスカバリーによく使われる手法です。本キットは細胞内カルシウム動員を検出するために一種類の蛍光色素をベースにしたアッセイを提供しています。

Rhod-4™色素とは

最も一般的に使用されている赤色蛍光カルシウム指示薬はRhod-2ですが、これは生細胞中でエステラーゼにより加水分解を受けて中程度の蛍光しか発せず、細胞のカルシウム応答が非常に弱いことが問題視されています。さらに、Rhod-2は導入後ミトコンドリア内に濃縮され、細胞内に均一に局在しません。Rhod-4™は、Rhod-2の細胞導入とカルシウム応答を改善しつつ、Rhod-2と類似したスペクトル波長をもつよう開発された色素です。CHOやHEK細胞において、Rhod-4™ AM (Cat# 21112)の細胞内カルシウム応答はRhod-2 AMに比べて10倍ほど高感度です。AAT Bioquest社の社内試験では、Rhod-4™ AMはRhod-2 AM では検出できない幹細胞由来心筋細胞に一次的に存在するカルシウムも検出できることが示唆されています。Rhod-4™ AMが高感度なのは細胞導入効率がRhod-2 AMより高いからかもしれません。

カルシウムを通じて伝達するGPCRを発現する細胞は、細胞膜にクロスできるABD社独自の Rhod-4 NWによってpre-loadされます。

Rhod-4 は、HTS スクリーニングに利用できる赤色のカルシウムインジケーターです。いったん細胞内に入ると Quest Rhod-4™ の親油性ブロッキンググループが非特異的細胞エステラーゼによって開裂され、その結果マイナスにチャージした蛍光色素が細胞内にとどまり、カルシウムに結合することで蛍光強度が増します。細胞がスクリーニングする化合物によって刺激を受けた際、レセプターが細胞内カルシウムの放出を伝達し、その結果、 Rhod-4 の蛍光がさらに増強します (Ex: 488, 514, 532, 546nm、Em: 〜555nm)。

Quest Rhod-4™は、カルシウムと複合体を形成すると、250倍以上の蛍光増強を示す、細胞内カルシウム測定のための理想的なインジケーターです。本キット はGタンパク質共役受容体(GPCRs) やカルシウムチャンネルを観察するための最適化したアッセイです。本アッセイは便利な96-well もしくは 384-well マクロタイタープレートフォーマットで、オートメーションにも対応しています。

• Rhod-4 NW
• 10 × pluronic® F127 Plus
• HHBS（品番36332、36335 には含まれません）

pluronic® は BASF 社の登録商標です。

図1．Screen Quest™ Rhod-4 NW Assay キットと Rhod-2 AM により測定したHEK-293 におけるカルバコール用量反応
HEK-293細胞を96ウェルプレートに40,000細胞/100μLで播種し、一晩培養した。その後、成長培地を除去し、Screen Quest™ Rhod-4 NW calcium Assay キットあるいは 5μM Rhod-2 AM をそれぞれ 100μL加え、室温で1時間、インキュベートした。

図2．U2OS 細胞を1ウェルあたり40,000cells/100μLの濃度になるように96ウェルプレートに播種し、一晩培養。培地を除去し、100μLの5μMの Screen Quest™ Rhod-4 AM（左）またはRhod-2（右）をHHBSに加え、37℃で１時間反応させた。細胞を200μLのHHBSで2回洗浄し、蛍光顕微鏡（オリンパス　 IX71）のFITCチャンネルを用いて観察した。

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