ROS Brite™は、酸化ストレスを測定する蛍光プローブで、ROSにより酸化を受けて蛍光を発します。
背景
活性酸素種(ROS;Reactive oxygen species)は、酸素を含む科学的に反応性の分子で、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、一重項酸素、過酸化物などがあります。ROSは原子価殻に不対電子を含んでいるため、反応性が非常に高い状態にあります。ROSは、酸素の通常の代謝の自然な副産物として形成され、細胞シグナリングや恒常性に重要な役割を果たしています。しかし、環境ストレス(UVや熱)を受けると、ROSレベルは劇的に上昇し、細胞の構造に重大な損傷を引き起こします。これらの事象は累積的に酸化ストレスとして知られています。ROSは、電離放射線のような外生源からも生成されます。酸化ストレスの条件下では、ROSの生成が劇的に増加し、膜脂質、タンパク質、核酸を変化させます。これらの生分子の酸化損傷は老化だけでなく、アテローム性動脈硬化症、発癌、虚血性再灌流損傷、神経変性障害のような様々な病因に関係しています。
仕様
品名 | 品番 | 蛍光 | Ex/Em(nm) | アッセイ*1 | 細胞透過 |
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ROS Brite™ 570 | 16000 | オレンジ | 556/566 | セルベース | 透過 |
ROS Brite™ 670 | 16002 | 近赤外 | 650/666 | セルベース | 透過 |
ROS Brite™ 700 | 16004 | 近赤外 | 680/706 | in vivo | 不透過 |
*1:セルベースアッセイの試薬は、従来の蛍光顕微鏡、ハイコンテントイメージング、マイクロプレート蛍光測定、フローサイトメトリーでご使用いただけます。 |
測定データ
図1 ROS Brite™ 570、ROS Brite™ 670、ROS Brite™ 700の蛍光スペクトル(PBS(pH7.2)溶液)
図2 ROS Brite™ 570の各種ROSに対する応答性
FAQ
マウスやラットでの使用に最適なROS試薬はどれですか?
小動物のin vivoイメージングには、ROS Brite™700 (品番:16004) のご使用をお勧めします。最適な投与量を決定するには、さまざまな濃度でテストすることをお勧めします。
Sebastianらは、マウスのin vivoイメージングにROS Brite™700を使用しました (Sebastian et al., Gastroenterology 2015 Jul;149(1):177-189)。彼らは、終濃度10µg / g body weight を静脈内投与し20分間放置後、試験に用いています。
新規のROSプローブ ROS Brite™
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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ROS BriteTM 570 *Optimized for Detecting Reactive Oxygen Species (ROS)* | ABD | 16000 | 1 MG |
¥48,000 |
ROS BriteTM 670 *Optimized for Detecting Reactive Oxygen Species (ROS)* | ABD | 16002 | 1 MG |
¥48,000 |
ROS BriteTM 700 *Optimized for in Vivo Imaging* | ABD | 16004 | 1 MG |
¥48,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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