活性酸素種（ROS）を高感度・選択的に検出！ AAT Bioquest社 酸化ストレス 検出試薬・アッセイキット

AAT Bioquest社（略号：ABD）では、様々な活性酸素種やそれらに関連する生化学分子を高感度かつ選択的に検出する、新規蛍光指示薬やキットをご提供しております。独自開発の蛍光ROSプローブは、細胞内ROSのトータル検出（表1）、生細胞の個々のROS測定（表2）の両方を可能にします。

■ 過酸化水素検出

過酸化水素（H₂O₂）は多くの酸化ストレスが関連した状態の重要な調節因子として働く活性酸素代謝副産物です。喘息やアテローム性動脈硬化症、糖尿病性血管障害、骨粗しょう症、神経変性疾患、ダウン症候群といった生物学的イベントに関わっています。

■ カタラーゼ検出

カタラーゼは、抗酸化作用のある酸化物ヘムを含むレドックス酵素で、酸素に曝されているほぼ全ての生物で見つかっています。H₂O₂ は通性好気性代謝およびオキシダーゼやスーパーオキシドディスムターゼ反応に関わる有害なROS産物で、カタラーゼは H₂O₂ の過度の蓄積を妨ぐことによって、副産物として H₂O₂ を産生してしまう重要な細胞プロセスが問題なく起こるように働きます。

■ ペルオキシダーゼ検出

ペルオキシダーゼは、抗体/抗原複合体形成の立体障害は起きないほど低分子（MW 〜40 kDa）で、他の標識酵素に比べ安価なため、よく抗体標識に使用されています。HRP結合体は、ELISA、免疫組織化学技術、ノーザンブロット、サザンブロット、ウエスタンブロット解析の二次検出試薬として広く利用されています。

■ MDA定量

マロンジアルデヒド（MDA）および 4-ヒドロキシノネナール（4-HNE）は、脂質過酸化の天然副生成物です。MDAは脂質過酸化のよく知られた信頼できるバイオマーカーであり、臨床状況で酸化ストレスを決定するために長年にわたって広く使用されています。そのため、MDAの定量は、病態生理学的プロセスにおける酸化的ストレス評価に不可欠になっています。

■ ヒドロキシラジカル検出

細胞内のヒドロキシルラジカル（•OH）の検出は、適切な細胞内レドックス調節や様々な疾患での調節異常の影響を理解する上で重要です。活性酸素種（ROS）の1つであるヒドロキシルラジカルは、安定化するために他の分子に対して非常に反応性が高く、一般的には酸化代謝の有害な副産物（生存システムに分子ダメージを引き起こす）と考えられています。

■ スーパーオキシド検出

レドックス感受性プローブであるヒドロエチジン（品番：15200）は、細胞内スーパーオキシドアニオン（O₂^•-）を検出するために広く使用されています。スーパーオキシドとヒドロエチジン間の反応は、2電子酸化体であるエチジウムを形成し、DNAに結合して蛍光（励起 500〜530nm、放出 590〜620nm）します。スーパーオキシドアニオンによるヒドロエチジン酸化のメカニズムは依然として不明ですが、ヒドロエチジンは活性酸素種の測定用プローブとして効果的に作用します。

■ SOD検出

スーパーオキシドディスムターゼ（SOD）は、スーパーオキシドを酸素と過酸化水素へ分解する酵素です。スーパーオキシドは細胞の主な活性酸素種の1つで、神経変性疾患や虚血再かん流傷害、アテローム性動脈硬化症、加齢に関連しています。SODはスーパーオキシドラジカルに曝されるほとんど全ての細胞にとって重要な抗酸化防御です。

■ キサンチンアッセイ

キサンチンは、ほとんどの人体組織、体液で見つかっているプリン塩基です。高濃度状態で心拍や収縮、心臓不整脈を刺激する多くのキサンチン由来の刺激剤（カフェイン、アミノフィリン、IBMX、パラキサンチン、ペントキシフィリン、テオブロミン、テオフィリン）があります。そのため、生体試料中のキサンチン改変の検出は、疾患の診断および治療のモニタリングに重要です。

■ 次亜塩素酸塩アッセイ

次亜塩素酸アニオン（ClO^-）およびそのプロトン化された次亜塩素酸（HClO）は、生体システムにおいて重要な活性酸素種（ROS）です。次亜塩素酸塩（次亜塩素酸）の無制御生産は、関節炎、腎不全、癌といった疾患や組織損傷を引き起こします。

■ トータルROS検出

ROS Brite™ は、細胞中の酸化ストレスを測定する非蛍光性細胞透過性蛍光プローブです。このプローブは、ROS酸化により鮮やかな蛍光を発し、従来の蛍光イメージング、ハイコンテントイメージング、マイクロプレート蛍光測定、フローサイトメトリーで検出できます。ROS Brite™ 570、670、700 はヒドロキシルラジカルやスーパーオキシドの両方に選択性があります。

■ チオール検出

生体サンプル中のグルタチオン、その還元型（GSH）、酸化型（GSSG）、それらの比（GSH/GSSG）をモニターすることは、酸化的細胞障害やフリーラジカル介在性細胞傷害におけるグルタチオンの保護的作用が関わったレドックス状態や解毒状態を評価ために不可欠です。システイン代謝障害には、リソソーム輸送の欠陥による常染色体劣性疾患であるシスキノシス、およびアミノ酸輸送の共通の遺伝障害であるシスチン尿症があります。

■ 一酸化窒素検出

一酸化窒素（NO）フリーラジカルは、多くの生理学的および病理学的プロセスに関与する重要な細胞シグナル伝達分子です。NO産生に変化が生じると、免疫系や血管系、神経変性、炎症性など様々な疾患に影響を及ぼします。NOは血中でわずか数秒間という短い半減期の強力な血管拡張剤です。

■ ペルオキシナイトライトアッセイ

ペルオキシナイトライト（ONOO^-）は、強力な酸化剤で高活性なニトロ化剤です。ペルオキシナイトライトは、細胞内でスーパーオキシドラジカルと窒素酸化物が反応して生じます。これはタンパク質、酵素、脂質、核酸といった生体分子を損傷させ、最後には細胞死をもたらします。一方では、侵入する病原体に対する宿主防御反応に寄与することで、in vivo での防御活性を備えています。

【関連情報】

• AAT Bioquest社　細胞代謝とシグナリングアッセイ