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記事ID : 17170
研究用

生細胞内の活性酸素種を簡便に測定可能 Cell Meter™ 細胞内トータルROS蛍光測定キット

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本商品は、生細胞中の活性酸素種(ROS)を蛍光で定量するキットです。

フローサイトメトリー用 および マイクロプレートリーダー用[Green(Ex/Em 490/520 nm)、Red(Ex/Em 520/605 nm)、Orange(Ex/Em 556/566 nm)、Deep Red(Ex/Em 658/675 nm)の4色]をご用意しています。

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背景

活性酸素種(ROS)は酸素の代謝における天然の副産物であり、細胞シグナリングにおいて重要な役割を担っています。しかしながら、酸化ストレスが関連する状況では、ROSレベルが劇的に上昇する可能性があり、またROSが蓄積することで細胞構造に重大なダメージを与えます。さらに、血管系疾患や糖尿病、骨粗しょう症、脳卒中、炎症性疾患、神経変性疾患、がんにおける酸化ストレスの影響がすでに立証されており、ROSを測定することで、酸化ストレスがどのように細胞内パスウェイを調整しているかを決定するのに役立つ可能性があります。

使用目的

本商品では、独自のROSセンサー(各色ご用意)で生細胞中のROSを定量します。ROSセンサーは細胞透過性があり、ROSと反応して蛍光を示します。高感度なOne-step蛍光アッセイにより、生細胞中のROSを約1時間のインキュベートで検出することが可能です。96ウェルや384ウェルプレートのフォーマットで使用でき、また分離ステップを介せずオートメーションアッセイにも適応可能です。蛍光プレートリーダーや蛍光顕微鏡で簡単にシグナルを読み取ることができます。

構成内容

フローサイトメトリー用

  • Component A: Amplite™ ROS Green
  • Component B: アッセイバッファー
  • Component C: DMSO

マイクロプレートリーダー用

  • Component A: Amplite™ ROSセンサー
    Green(品番:22900)、Red(品番:22901)、Orange(品番:22902)、Deep Red (品番:22903)
  • Component B: アッセイバッファー
  • Component C: DMSO

プロトコール

フローサイトメトリー用
1 細胞の調製:
アッセイバッファー(Component B)もしくは、ご自身でご用意したバッファー0.5 mL に、5×105 - 1×106 cells/mL になるように細胞を調製する。
ご注意:ROS誘導のための最適な細胞密度は、個別で評価してください。
2 Amplite™ ROS Green ストック溶液(500X)の調製:
Amplite™ ROS Green(Component A)のバイアルに DMSO(Component C)100 uL を加え、よく混ぜます。
ご注意:使用しない調整済み Amplite™ ROS Green ストック溶液は小分けにし、チューブの蓋部分をシールし、遮光すると <-20℃ で1ヶ月以上保存ができます。凍結融解の繰り返しは避けてください。
3 500X Amplite™ ROS Green(Component A)1 uL を 0.5 mL の細胞懸濁液に入れ、37℃、1時間インキュベートします。
ご注意 1:接着細胞の場合、細胞を傷つけないように 0.5mM EDTA で細胞をやさしく剥がし、血清入り培地で一度細胞を洗浄してから、Amplite™ ROS Green でインキュベートしてください。
ご注意 2:使用される細胞タイプやテスト化合物によって適宜インキュベーション時間を調整してください。
4 ご自身でご用意したバッファー(PBS もしくは HBSS など)でテスト化合物(x11) 5 uL を細胞に加えます。コントロールウェル(未処理細胞)には同量のバッファーを加えてください。
5 ROS を誘導するために、遮光して37ºCで適切な時間、細胞をインキュベートします(図5)。
6 フローサイトメーターを使って FL1 チャンネル(Ex/Em = 490/520 nm)で蛍光強度をモニターします。デブリは除き、目的の細胞をゲーティングします。
マイクロプレートリーダー用
細胞の用意
  1. 接着細胞:増殖培地中の細胞をO/Nで培養します。細胞数は、
    ・96ウェルプレートの場合は10,000-40,000個/ウェル/100 µL
    ・384ウェルプレートの場合は2,500-10,000/ウェル/25 µL
  2. 非接着細胞:遠心して培養用培地から細胞を回収し、細胞を再度培養用培地に懸濁します。細胞数は、
    ・96ウェルプレート(ポリ-D-リジンコート済)の場合は50,000-100,000個/ウェル/100 µL
    ・384ウェルプレート(ポリ-D-リジンコート済)の場合は10,000-25,000/ウェル/25 µL
    実験前にプレートを800 rpmで2分間遠心します(ブレーキオフ)。
Amplite™ ROSセンサー染色液の調製
  1. 500× Amplite™ ROSセンサーストック溶液の調製
    40 mLのDMSO(Component C)をAmplite™ ROSセンサー(Component A)のバイアルに加え、よく混ぜます。
  2. Amplite™ ROSセンサーワーキング溶液の調製
    20 µLの500× Amplite™ ROSセンサーストック溶液を10 mLのアッセイバッファー(Component B)に加え、よく混ぜます。ワーキング溶液は室温で2時間は安定です。
細胞染色
  1. Amplite™ ROSセンサーワーキング溶液をプレートに加えます。
    ・96ウェルプレート:100 µL/ウェル
    ・384ウェルプレート:25 µL/ウェル
  2. 5% CO2、37℃で1時間ほど細胞をインキュベートします。
ROSアッセイ
  1. 試験する化合物で各ウェルの細胞を処理します(化合物はPBSやHHBSなどのバッファーで希釈)。
    ・96ウェルプレート:11×濃度の化合物溶液20 µL/ウェル
    ・384ウェルプレート:6×濃度の化合物溶液10 µL/ウェル
  2. 室温もしくは5% CO2、37℃でプレートを最低15分間インキュベートします。
    インキュベート時間は細胞によって最適化が必要です。
  3. 蛍光増加をプレートリーダーでモニターします。

製品データ

フローサイトメトリー用

TBHP処理したJurkat細胞の細胞内ROSの検出

図1. TBHP 処理した Jurkat 細胞の細胞内 ROS の検出
Amplite™ ROS Green を加え、37℃、1時間インキュベートし、100 uM TBHP で 37℃、30分間処理(赤)、もしくは未処理(青)したものを用意。フローサイトメーター(BD FACSCalibur)を使用して FL1 チャンネルで蛍光シグナルをモニターした。

マイクロプレートリーダー用

Jurkat細胞でROS検出
図2. Jurkat細胞でのROS検出(品番:22900)
Jurkat細胞を1 mM、0.1 mMのH2O2で処理したものと未処理のもので蛍光シグナルの検出を行った。
蛍光シグナルはFlexStation(Molecular Devices)で測定した(Ex/Em = 490/525 nm、cutoff = 515 nm)。

 

Jurkat細胞でROS検出

図3. Jurkat細胞でのROS検出(品番:22901)
Jurkat細胞を1 mM のH2O2で処理したものと未処理のもので蛍光シグナルの検出を行った。
蛍光シグナルはFlexStation(Molecular Devices)で測定した(Ex/Em = 520/605 nm、cut off = 590 nm)。

 

HeLa細胞でのROS検出

図4. HeLa細胞でのROS検出(品番:22902)
(左)HeLa細胞を1 mM のH2O2、100 µMのTBHPで処理したものと未処理のもので蛍光シグナルの検出を行った。
蛍光シグナルはFlexStation(Molecular Devices)で測定した(Ex/Em = 540/570 nm、cut off = 550 nm)。
(右)蛍光染色図。A は未処理のもの、B は 100 µMのTBHPで処理したもの

 

HeLa細胞でのROS検出

図5. HeLa細胞でのROS検出(品番:22903)
HeLa細胞を1 mM のH2O2、100 µMのTBHPで処理したものと未処理のもので蛍光シグナルの検出を行った。
蛍光シグナルはFlexStation(Molecular Devices)で測定した(Ex/Em = 650/675 nm、cut off = 665 nm)。

 

細胞内一酸化窒素 (NO) とトータルROS の同時蛍光イメージング

図6. 細胞内一酸化窒素 (NO) とトータルROS の同時蛍光イメージング
RAW264.7マクロファージの細胞内NOとトータルROSの蛍光イメージングを同時に行った。 AAT社のNitrixyteTM Orange (品番:16350)とAmpliteTM ROS Green (品番:22900)で共染色した後(ワーキングソリューションに二つの色素を混合した。プロトコルは品番:16350のものに従った)、 20ug/mL リポポリサッカライド(LPS)、1 mM L-アルギニン(L-Arg)、50 uM Pyocyanin (Pyo)で 37℃ 16時間処理した。蛍光シグナルは蛍光顕微鏡のTRITC(赤 NitrixyteTM Orange )とFITC(緑 AmpliteTM ROS Green )のフィルターでそれぞれ検出した

参考文献
  1. Kaur A et al., sFRP2 in the aged microenvironment drives melanoma metastasis and therapy resistance. Nature. 2016 (品番:22901、Cell MeterTM Fluorimetric Intracellular Total ROS Activity Assay Kit*Red Fluorescence*)

Cell Meter™ 細胞内トータルROS蛍光測定キット

フローサイトメトリー用

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Cell MeterTM Fluorimetric Intracellular Total ROS Activity Assay Kit*Optimized for Flow Cytometry*詳細データ ABD 22904 1 KIT
[100 Tests]
¥72,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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