アラキドン酸経路とは
アラキドン酸経路 (AA経路) は、高血圧、心臓病、脳卒中、腎臓障害などの心血管疾患、喘息や関節炎などの炎症性疾患、およびがんにおいて重要な役割を担います(下記のAA経路の図を参照)。様々なAA経路の代謝物はすべて、ヒトおよび動物の血液または尿バイオマーカーになります。
AA経路には、疾患の診断や予防、治療介入に重要な4種類の生物学的活性をもつ脂肪酸経路(バイオマーカー:PGE2、 12-HETE、 15-HET、 11,12-EET、 11,12-DHET、 14,15-EET、14,15-DHET、 20-HETE)と疾患の診断や予防に重要な非酵素的酸化ストレス経路(バイオマーカー:8-isoprostane)が存在します。DRD社では、14,15-DHET、14,15-EET/DHET、11,12-DHET, 11,12-EET/DHET および 20-HETEを検出するELISAの唯一の世界的サプライヤーです。
第1の酵素的AA経路は、PGE2(がんや関節炎のバイオマーカー(品番:PGE1))を産生するシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)経路です。COX-2阻害剤であるアスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、痛みや炎症を減少させます。
第2の酵素的AA経路は、エイコサテトラエン酸(HETE)、例えば、12-HETE(品番12H1)および15-HETE(品番15H1)を生成するリポキシゲナーゼ(LOXs)経路です。
第3の酵素的AA経路は、シトクロム(CYP)2Cおよび2J経路で、血管拡張物質であるエポキシエイコサトリエン酸(EETs)を生成し、その後、可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)によってジヒドロキシエイコサトリエン酸(DHETs)に代謝されてEETsの有益な血管拡張作用が失われます。DHETsはさらにグルクロン酸に代謝され、尿中に排泄されます。sEHの一次代謝産物は14,15-DHETです。DRD社は、米国国立衛生研究所 (NIH) 小企業革新研究 (SBIR) Phases ⅠおよびⅡ契約を獲得し、各種サンプル中の14,15-DHET (品番:DH1)、14,15-EET/DHET(品番:DH2)およびグルクロン酸化 14,15-DHET(品番:DH3)、11.15-DHET(品番:DH5)を検出するELISAの開発をしました。サンプル中のsEHの14,15-DHET生成活性を測定する場合は、EETを基質とする14,15-DHET ELISA (品番:SH1) を使って実施することができます (BioTarget® Hypertension, Stroke, Diabetes ELISA Youtubeをご参照ください)。
14,15-DHET ELISA キットを用いた高血圧、脳卒中、心不全、肺高血圧、大動脈瘤、喘息、インスリン抵抗性、腎障害の領域の文献が 70 以上発表されています。
for Disease Biomarkers & Tools for Drug Development:
BioTarget® Hypertension, Stroke, Diabetes ELISA
第4の酵素的AA経路は、20-ヒドロキシエイコサテトラエン酸(20-HETE)を生成するシトクロム(CYP)4Aおよび4F(AA ω-ヒドロキシラーゼ)経路です。20-HETE (品番:20H1) およびグルクロン酸化 20-HETE (品番:20HG1) は、高血圧、心血管疾患および腎疾患のバイオマーカーです。20-HETE ELISA キットを使用した文献は 40 件以上発表されています。
非酵素的AA経路は、酸化ストレスバイオマーカーである8-イソプロスタンで、認知症やアルツハイマー病、2型糖尿病を含む多くの老齢疾患と関連しています(品番:8iso1)。8-isoprostane ELISAキットを使用した文献は20件以上発表されています。