尿素アッセイ(Urea Assay Kit)は、血清、血漿、ライセート、尿中の尿素濃度を測定する定量的アッセイです。96ウェルマイクロプレートベースの簡便なアッセイで、一般的な比色プレートリーダーで検出します。
背景
尿素について
尿素(Urea, or carbamide)は、タンパク質の窒素代謝の最終産物であり、有毒なアンモニアを生体内から除去するための基本的な輸送手段です。尿素は、アミノ酸の異化反応で生じるアンモニアから肝臓中で尿素回路を介して合成されます。アンモニアから尿素への変換は、尿素回路でカルバモイルリン酸の合成を活性化する Nアセチルグルタミン酸(N-acetylglutamate)によって調整されます。尿素は、血液中で腎臓に運ばれ、尿中に排泄されます。尿素は、いらない窒素の排泄だけではなく、ネフロンの対向流交換系(countercurrent exchange system)の役割も担っています。そこでは、水やイオンが尿から再吸収されます。尿素は糸球体でろ過され、一部は受動的に吸着されるもののろ液として尿細管を通過します。尿素の再吸収は、尿流量に反比例します。結果的に、尿素濃度は、タンパク質摂取量、タンパク質異化および腎機能に依存します。
尿素の定量は、腎機能評価のために最も広く用いられる試験の一つです。血清、血漿および尿中の尿素の分析は、腎疾患と機能障害のための重要な臨床的試験です。また、腎前性、腎後性尿毒症の診断のために、クレアチニン の測定と併せて実施されることがよくあります。尿素の毒性レベルは、腎臓、肝臓、または他のシステムの機能障害と関連します。前腎性尿毒症は、水の欠乏、タンパク質異化量の増加、感染症、血液量減少、心臓の機能不全に関係します。腎性尿毒症の例として、糸球体腎炎、尿細管壊死、腎硬化症、慢性腎炎、および多発性嚢胞腎があり、後腎性尿毒症では尿路の障害が主に関係してきます。尿素レベルの上昇は、肝疾患、糖尿病、および鬱血性心不全などの他の疾患状態とも関連します。また、高い血漿中尿素レベルは、高窒素血症(Azotemia)として知られます。尿素レベルの減少は、急性肝不全または過剰な非経口輸液療法と関連付けられます。
特長
- 感度: 検出限界 0.8 mg/dL 尿素
- 定量的: 尿素スタンダード付属
- 尿、血清、血漿、細胞ライセート、組織ホモジネート中の尿素濃度を測定
- 192アッセイ分の試薬(スタンダード、ブランクを含む)
構成内容
- 尿素スタンダード
- アンモニア試薬
- ディベロップメント試薬
- アッセイバッファー
- ウレアーゼ酵素
尿素測定原理
スタンダードまたはサンプルをウレアーゼ酵素でと10分間インキュベートすると、尿素はアンモニアと CO2 に加水分解されます。アンモニアはアルカリ溶液で色素原とさらに反応し、青緑色の生成物を生じます(図1)。30分後、プレートを標準的なマイクロプレートリーダーで測定します(580 〜 630 nm)。高いOD値は、高い尿素濃度と相関します。サンプル中の尿素濃度は、尿素スタンダードとの比較によって算出します。
測定プロトコール
プロトコール概要
- 希釈したサンプルまたはスタンダード 10 µL を96ウェルプレートに加えます。
- 使用前に、ウレアーゼ酵素をアンモニア試薬溶液で 1:250 で希釈し、よく混合します。
(例.100 アッセイの場合。40 µLのウレアーゼを10 mLのアンモニア試薬に加えます。) - 100 µL のウレアーゼ/アンモニア試薬混合液を、マルチチャンネルピペットまたはプレートリーダーの液体ハンドリングシステムで各ウェルに添加します。気泡が発生しないように慎重かつ十分に混合します。
- 37℃で10分間インキュベートします。
- ディベロップメント試薬100 µLをマルチチャンネルピペットまたはプレートリーダーの液体ハンドリングシステムで各ウェルに加えます。気泡が発生しないように慎重かつ十分に混合します。
- 37℃で30分間インキュベートします。
- プレートを580-630 nmで測定します。
測定例
測定例
尿素測定アッセイ(Urea Assay Kit)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Urea Assay Kit![]() |
CBL | STA-382 | 192 ASSAY |
CBL社 STA382 200 を参照 |
Urea Assay Kit![]() |
CBL | STA-382 | 200 ASSAY |
¥202,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について