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2017年度のノーベル生理学・医学賞、徹夜はダメ!? 特集：概日リズム

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2017年10月2日、2017年度のノーベル生理学・医学賞が、概日リズムを制御する分子機構の発見に貢献したとして 3 名の科学者に授与されました。

生存する生命体は全て、体内に生物時計をもっていることは広く知られています。Jeffrey C. Hall 氏、Michael Rosbash 氏、Michael W. Young 氏の 3 名は、植物、動物、そしてヒトはどのようにして地球の公転と同調するように生体リズムを適応させるのかを明らかにしました。多くの人は以下の現象を見聞きしたり、経験したことがあるのではないでしょうか。

ひまわりは、日の出前に東を向き始める。
人は明るい夜でも強い眠気に逆らえない。
ミモザの葉は、フードで覆われていたとしても日夜定期的に開いたり閉じたりする。

背景

概日リズムとは

どのような分子機構が概日リズムを調節するのでしょうか。前述の 3 名の科学者は、ショウジョウバエを生物学的モデルとし、"period" 遺伝子を単離しました。その後、period遺伝子にコードされるPERタンパク質が、夜間に蓄積され日中に分解されることを発見しました。これより、PER タンパク質レベルは概日リズムと同調して 24時間周期で変動し、これが概日リズムを調製することが示唆されました。

つまり、我々生物がもつ体内生物時計から、いつ眠くなり、いつ覚醒するか、指示されるわけです。我々の身体は秩序だった工場のようであり、生体内の異なる器官の活動は非常によく調和された製造ラインのようです。しかし、もしも体内の生物時計が破壊されるようなことが起これば、この工場（のような身体）は混乱してしまうでしょう。だからこそ、長距離旅行の後には時差ぼけが生ずるのです。

体内時計の障害が短期的な場合、脳は 1 週間程度で回復しますが、胃腸の回復には最低 2 週間程度の時間を要します。体内時計の障害が長期にわたる場合、肥満病、糖尿病、内臓脂肪症候群、睡眠障害、抑鬱、さらに癌といったさまざまな疾患を生ずる可能性があるため、状況はさらに悪くなります。特に、夜遅くまで起きていると種々の疾患を発生させる危険性が非常に高くなります。

そうすると…　夜遅くまで起きていたり、まして徹夜をしたりすると老化を加速してしまうかもしれない、ということになりそうです。

アプリケーション例

概日リズム研究用抗体　使用例

コスモ・バイオでは、WUHAN HUAMEI BIOTECH (CSB) 社をはじめとした世界中の抗体メーカーの概日性生物学研究用抗体を取り揃えています。

一例として、概日リズムの中心的構成成分を形成する転写活性化因子である PER3 を標的する PER3 抗体(品番：CSB-PA017788LA01HU)のアプリケーション例をご紹介します。

図1. ウエスタンブロッティング
陽性WBを検出：HeLa全細胞、マウス骨格筋組織
全レーン：4ug/mL PER3抗体
２次抗体：ウサギIgGに対するヤギポリクローナル 1/50000希釈

期待されるバンドの大きさ：132.133 kDa
確認されたバンドの大きさ：132 kDa

図2. 免疫蛍光分析
細胞：HeLa細胞
一次抗体：Anti PER3 ,Human (Rabbit), 品番：CSB-PA017788LA01HU
希釈率：1:100
二次抗体：Alexa Fluor 488-congugated AffiniPure Goat Anti-Rabbit IgG(H+L)