本商品は、in vitroにおける血清・血漿中のヒト凝固第XII因子を定量するELISAキットです。
第XII因子はセリンプロテアーゼの一種で、血液凝固や線維素溶解、キニン、補体系において働きます。セリンプロテアーゼ第XIIa因子の酵素前駆体です。第XII因子は、帯電した異物表面に接触することで自己活性化を誘導し、活性型の第XIIa因子に変換されます。第XII因子は主に肝臓で合成され、フィブロネクチンI型・II型ドメインや2種類の表皮成長因子様ドメイン、クリングル・ドメイン、プロリン-リッチドメイン、触媒ドメインから構成されます。SDS-PAGEでは約80 kDaの分子量で検出され、血漿内濃度30-35 µg/mLで循環しています。
第XII因子は高分子キニノーゲンとカリクレインで接触相を形成します。陰性荷電した非生理学的表面(シリコンチューブなどの無機物表面や、表皮細胞や血小板、好中球を含む異なる細胞種表面と結合したヘパリンなど高分子有機物表面)にこれら3つのタンパク質で複合体を形成し、第XII因子は自己活性化されます。これにより血液凝固が引き起こされ、炎症誘発性のブラジキニンが産生されます。複合体形成後、第XII因子は第XIIa因子(第XII因子フラグメントと呼ばれる)へと自己活性化し、この活性化により活性型酵素が連続的に形成されます。第XIIa因子はプロカリクレインをカリクレインへと変換し、カリクレインはキニノーゲンを分解し炎症誘発性のブラジキニンを遊離させます。ブラジキニンは内皮細胞の活性化を介し炎症反応のトリガーとなり、血管拡張や血管の透過性亢進、窒素酸化物のようなメディエーターの産生が引き起こされます。さらにこの接触相は古典的なパスウェイを介して補体系を活性化する能力を持ちます。
この両方の系が同時に活性化すると、補体C1インヒビター(炎症性サイトカインにより産生誘導される)の機能障害による遺伝性血管性浮腫のような症状が引き起こされる可能性があります。第XIIa因子は補体C1インヒビターが欠損した状態では、補体タンパク質C1rとC1sを活性化します。その結果、ブラジキニンが形成され血管性浮腫が引き起こされます。
図1 プロトコールの概要
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Coagulation Factor XII ELISA kit, Human | HCB | HK373-01 | 1*96 WELL |
¥161,700 |
Coagulation Factor XII ELISA kit, Human | HCB | HK373-02 | 2*96 WELL |
¥261,800 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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