コラーゲンは細胞外マトリックスの主成分であり、ヒト全タンパク質の約 30% を占めます。最近の研究で、老化した皮膚においてコラーゲンの産生が低下していること、特定の疾病においてコラーゲンの分解や蓄積が見られること、などが明らかになっています。本キットは、3, 4-Dihydroxyphenylacetic acid (3, 4-DHPAA) が N 末端にグリシンを有するペプチドに選択的に結合し蛍光を発することを利用したコラーゲン定量キットです。
図1 3,4-DHPAAを用いたN末端グリシン含有ペプチドの蛍光反応
コラーゲンは、Gly-X-Y (X, Yは主にプロリン、ヒドロキシプロリン)という3アミノ酸残基の繰り返し配列を持ちます。コラーゲンを微生物由来コラゲナーゼで分解すると、N末端にグリシンを有するペプチドフラグメントを大量に生成します。これを、3, 4-DHPAAによって選択的に蛍光体に変換し、蛍光強度を測定するだけでコラーゲンの定量が可能となります。