がん組織の免疫染色用製品 Cytokeratinウサギクローナル抗体

DB Biotech社では、独自のin vitroクローニング技術を応用した、免疫組織染色用Cytokeratin抗体をご提供しております。

1. Cytokeratinとは？

Cytokeratin（サイトケラチン、CK）は、上皮細胞の細胞骨格を形成する中間径フィラメントタンパク質で、上皮構造の維持、損傷からの保護、他の細胞質成分とのコミュニケーションなど、多くの機能を有しています。分子量や等電点の違いによって20種類以上のサブタイプに分類され、各組織の上皮細胞の種類に応じた発現パターンを示します。このため、病理診断の免疫組織化学検査（IHC: Immunohistochemistry）で頻用されています。

2. Cytokeratinの免疫組織化学検査における役割

Cytokeratinを用いた免疫組織化学検査は、病理診断において、重要なツールです。特に腫瘍の検出に大きな役割を担います。例えば、あるがん腫の原発巣と転移巣は、同じサイトケラチンパターンを共有しており、そのパターンによって他の種類の癌腫と区別されます。これにより、異なる腫瘍間の鑑別が可能になります。

3.　Cytokeratinの発現パターンとがん診断への応用

Cytokeratinの発現パターンは上皮分化の多様性を反映しており、細胞型特異性が腫瘍でも比較的維持されているため、上皮性腫瘍の分類に有用です。以下に、主要ながん組織と関連するCytokeratinの例を示します。

表１.上皮性腫瘍の診断

特に、転移性がんの原発巣が不明な場合の鑑別診断においては、CK7とCK20の発現パターンが有用です。以下にCK７およびCK20の発現パターンと関連腫瘍タイプを示します。

表2.　CK7およびC 20の発現パターンと関連する主ながん組織

しかしながら、サイトケラチンの発現パターンは腫瘍の組織型や分化度、抗体クローンや組織の処理方法によって変動します。そのため、これらのマーカーは他の臨床情報や病理組織学的所見と組み合わせて利用することが重要です。

DB Biotech社では、特異性、親和性、結合性に優れたCytokeratin抗体を取り揃えております。

Anti-Cytokeratin 20, Human (Rabbit) , E19-I（品番：DB 119）

図１. Anti-Cytokeratin 20, Human (Rabbit) , E19-I（品番：DB 119）染色画像
DB Biotech社のプロトコルに従って、Anti-Cytokeratin 20, Human (Rabbit) , E19-I（品番：DB 119）で染色した。
（A、B）CK20のびまん性強発現を伴う結腸直腸腺がん
（C）CK20を発現する結腸直腸腺がんおよび大腸粘膜の正常上皮
（D）CK20を発現する大腸腺腫。
すべて、ホルマリン固定、パラフィン包埋ヒト組織（4 μm切片）

Anti-Cytokeratin 7, Human (Rabbit) , R17-S（品番：DB 051）

図2. Anti -Cytokeratin 7 , Human (Rabbit), R17-S（品番：DB 051）染色画像
DB Biotech社のプロトコルに従って、Anti -Cytokeratin 7 Human (Rabbit) , R17-S（品番：DB 051）で染色した。
（A）びまん的にCK 7を発現する肺腺がん
（B）びまん的にCK 7を発現する膵管腺がん
（C）びまん的にCK 7を発現する乳管がん
すべて、ホルマリン固定、パラフィン包埋ヒト組織（4 μm切片）

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