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記事ID : 39036
研究用

自社ラボでペプチド合成からELISAまで完全サポート エピトープマッピングサービス

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抗体が抗原と結合する際、その全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな特定の部分のみを認識して結合します。この抗体結合部位を抗原のエピトープと呼び、タンパク質の場合、通常5〜10アミノ酸を認識していると言われています。
エピトープマッピングでは抗原タンパクのどの領域、配列に実際に抗体が結合(反応)するのかを確認し、エピトープ部位を調べる事が可能です。 抗体にはタンパク質の一次構造を認識するもの(linear、線状エピトープ)と立体構造を認識するもの(構造的エピトープ)があります。

本サービスでは、タンパク質抗原配列をもとに数残基〜数十残基の長さのペプチド合成を行い、抗体との反応性をELISAで調べる方法を採用しておりますので、線状エピトープ抗体の解析に有効です。
また、本解析サービスは当社自社ラボ内でペプチド合成からELISAまで、すべての作業が完結します。

概要(解析の流れ)
Step1:ターゲット配列全体を10〜30残基でペプチドデザイン、合成
Step2:ペプチドを固相化しELISAプレート作製
Step3:抗体との反応性をELISAで定性評価
Step4:エピトープ部位と考えられる配列のペプチドを高純度で合成し、ELISAで定量評価、エピトープ部位を決定

【重要】ELISAで使用する(お客様がご準備に必要な)抗体量について
・抗血清の場合: 300 µL 以上
・精製抗体の場合: 200 µg 以上
・培養上清の場合: 1.5 〜 2 mL 以上
※余剰分はすべて返却いたします。
【目次】
  • 概算費用
  • 納期
  • 解析の詳細
  • 解析のステップと内容
    Step1:ペプチドデザインと合成
    • ペプチド合成本数について
    • エピトープマッピングに使用するペプチド純度について
    • 設計するペプチド残基数、オーバーラップ数の考え方について
    Step2:エピトープマッピング用ELISAプレート作製
    • 1プレート(96ウェル)の割付けについて
    Step3:1st スクリーニング(目的の抗体とのELISA作業)
    Step4:2ndスクリーニング
    • Step4のELISA条件について
    • Step4で1stスクリーニングとペプチド残基数を変更する場合について

概算費用(Step1〜3)

Step1〜3において、そのほとんどの費用を占めるのがペプチド合成料金です。
そのため、
①抗原全長 ②ペプチドデザインにおけるペプチド残基数 ③オーバーラップ数 ④純度
のステータスが大きく費用に影響します。
以下に比較表を作成しましたのでご参考ください。

例. ペプチド合成を20残基で設計し、抗原全長100、200、500、1000AA、オーバーラップ15、10、5AA、とした時の
ペプチド合成本数

表1. ペプチドの合成本数
抗原アミノ酸数 ペプチド合成20残基
オーバーラップ15残基
ペプチド合成20残基
オーバーラップ10残基
ペプチド合成20残基
オーバーラップ5残基
100 17 9 7
200 37 19 13
500 97 49 33
1000 197 99 67
表2. 純度保障なしの時の解析総額目安
抗原アミノ酸数 ペプチド合成10〜25残基
オーバーラップ5〜15残基
100 \170,000 〜 \350,000
200 \220,000 〜 \650,000
500 \450,000 〜 \1,800,000
1000 \840,000 〜 \3,500,000

【Step4の参考価格】

Step4の2ndスクリーニングでは、1stスクリーニングの結果から数本のペプチド(打合せにより決定)について、95%以上の高純度ペプチドを再合成してELISAを行うため、新規合成するぺプチドの本数と残基数により価格が変動します。下記の表は新規ペプチド合成3本または5本とし、ペプチド残基数10〜25残基のときの参考価格です。(表3)

表3.
ペプチド合成残基数 3本合成した時の
ELISA測定を含めた費用
5本合成した時の
ELISA測定を含めた費用
10残基 \160,000 \300,000
20残基 \220,000 \400,000

Step1〜3の価格とStep4の価格の合計額が、解析費用の総額の目安となります。
※価格はすべて税抜きです。

 

納期

Step1のペプチド合成本数と純度が大きく影響します。 下記の表をご参考ください。

表4. 参考納期
解析のStep サービス内容 参考納期
Step1 純度保障なし、10〜50本 2週間
純度保障なし、50〜200本 1か月
純度保障あり、10〜50本 1か月
純度保障あり、50〜200本 2か月
Step2 ELISAプレート作製 1〜2週間
Step3 1stスクリーニング(ELISA定性試験) 1〜2週間
Step4 純度95%ペプチド合成 1か月
定量ELISA試験、報告書作成 2〜4週間
合計   2.5〜5か月

※納期を保証するものではありません。

解析の詳細

Step1: ペプチドデザインと合成

抗原全体の配列からペプチド合成の配列をデザインします。
デザイン作業には抗原配列情報が必要になりますので、アクセッション番号か全長配列情報をご用意ください。
価格算出だけであれば解析対象配列の全長アミノ酸数の情報のみで結構です。 ペプチド合成本数は、解析対象配列の全長、ペプチド合成の残基数、オーバーラップ残基数で決定されます。
ペプチド合成料金は、1本あたり9,000円〜となりますが、合成残基数と純度設定によって単価設定が変わります。詳細はお見積り時に説明させていただきます。

ペプチド合成デザインのイメージ
CPA_epitope_mapping_step1_1.gif
CPA_epitope_mapping_step1_2.gif
CPA_epitope_mapping_step1_3.gif

【ペプチド合成本数について】

ペプチド合成本数は、合成するペプチドの残基数ではなく、オーバーラップ残基数によって大きく影響を受けます。 一例として、抗原全長が100残基だった場合にペプチド合成を15、20、30残基、オフセット残基数を1〜5および10で設定した時のペプチド合成本数を算出しました。(下記表5参照)

表5.100AAの時のペプチド合成本数(例)
全長アミノ酸数 ペプチド合成残基数 オーバーラップ ペプチド合成本数
100 15 14 86
13 43
12 29
11 22
10 18
5 10
20 19 81
18 41
17 27
16 21
15 17
10 9
30 29 71
28 36
27 25
26 19
25 15
20 8

こちらを参考に、ペプチド合成の目安としてください。
(抗原全長が1,000残基の場合は、上記の表の10倍程度という目安に使用できます)

【エピトープマッピングに使用するペプチド純度について】

標準仕様では純度保障の設定をせず、TOF-MSで産物の中に確実に目的のペプチドが含まれていることを保証します。目安としては50%以上ということが多いです。ペプチド合成後の精製や純度測定を行わないため安価に試験設計でき、定性試験となるスクリーニングでは機能するという考えです。
オプションにて純度保障(50%、80%、90%、95%)に有償で変更が可能です。価格の目安はこちらから「合成収量1mg」の単価をご確認ください。
※合成納期については合成する本数によりますので都度のご連絡となります。

【設計するペプチド残基数、オーバーラップ数の考え方について】

通常、抗原エピトープは線状エピトープの場合5〜10残基と考えられています。そのため、1stスクリーニングのペプチド鎖長は10〜15残基を設定することが多いですが、鎖長を伸ばしてエピトープ全体をカバーするように設計し、ヒットする確率を上げようとする考え方から、20〜30残基で設計することをお勧めしています。メリットデメリットも含め、お見積の際に説明をさせていただきます。
オーバーラップについてはできるだけ多く取るほうが当然ヒットする確率が上昇しますが、ペプチド合成本数が増えます。

 

Step2: エピトープマッピング用ELISAプレート作製

Step1で合成したペプチドをELISA用プレート(96ウェルプレート)に固相化します。 固相化するペプチドは10µMに調整し100µL/ウェル使用します。分子量2000の場合、1ウェルあたり2µg使用する計算になります。この計算ではペプチド純度は考慮しません(100%相当で濃度調整します)。
1配列につき2ウェル固相化します。(duplicate)
固相化濃度、条件については変更が可能ですが、条件により追加料金となります。

【1プレート(96ウェル)の割付けについて】

Negative control:ブロッキングのみ(2ウェル)
Positive control:お預かりした抗原(2ウェル、使用量1µg/ウェル)
Step1で合成したペプチド:最大46ペプチド(92ウェル)

CPA_epitope_mapping_step1_1.png

Step3: 1st スクリーニング(目的の抗体とのELISA作業)

お客様の抗体を用いてELISA測定を行います。
Step2で作製したELISA用プレートを用いてお預かりした抗体を反応させ、ポジティブなウェルを確認する定性評価となります。 測定料金は1プレート単位のため、ここでは46ペプチド(もしくは46の倍数)の時の作業料金が比較的割安となります。
使用する抗体量は、あらかじめ抗原と希釈系を組んだELISAを実施し、決定した濃度で行います。
この試験結果をもとに、反応が得られた場合はStep4へ進みます。反応が得られなかった場合はお客様と相談の上、試験を終了するか、試験設計を変更して再試験をする選択肢がございます。

プレート配置のイメージ
CPA_epitope_mapping_step3_1.png

ELISA試験結果(発色)のイメージ
CPA_epitope_mapping_step3_2.png
この図では、ペプチド5、10、11で反応が得られています。

Step4: 2nd スクリーニング

Step3でポジティブな結果が得られた時は、その配列についてエピトープ位置の特定を進めます。
1stスクリーニングと配列を変えずに高純度(純度保障95%)のペプチドを用いて、ELISA法で定量測定を行う方法の他に、1stスクリーニングでの結果により配列デザインを変更して実施する方法もあります。
Step4に進む際は、必ずお客様と試験担当者で試験設計について打合せを持たせていただきます。
その際に試験の進め方を協議させていただき、都度御見積、納期のご案内となります。

【Step4のELISA条件について】

固相化するペプチド濃度は1stスクリーニングと同じく10µMに調製し100µL/ウェル使用します。
使用する抗体濃度はお客様と打ち合わせの上で決定し、通常4倍の6段階希釈で設定します。

1stスクリーニングと配列を変えずにELISAを実施する例
CPA_epitope_mapping_step4_1.png

ELISA測定の発色のイメージ
CPA_epitope_mapping_step4_2.png

CPA_epitope_mapping_step4_3.png
図1. 2ndスクリーニング結果の例

【Step4で1stスクリーニングとペプチド残基数を変更する場合について】

1stスクリーニングで反応が得られた配列について、その配列中のさらにどの残基がエピトープ認識されているのか探るため、N末端またはC末端から1残基ずつ削って複数のペプチドを合成し、ELISA測定を行ってエピトープ部位を決定していく手法などが考えられます。

15残基の陽性反応ペプチド配列から絞り込む設計(例)
CPA_epitope_mapping_step4_4.png
この図の例では8残基のエピトープ部位を予想する結果が得られました。

お見積り・ご注文方法

1. 見積内容記載シートをダウンロード

下記のリンクをクリックし、「見積内容記載シート」をダウンロードしてください。
見積内容記載シートPDF

2. 見積依頼フォームへ必要情報を記入

見積依頼フォームにお客様情報、ご連絡先等をご記入ください。
見積依頼フォームには「見積内容記載シート」を添付してください。

3. お取次代理店へ発注

お見積書をお送りしますので内容をご確認の上、お取次代理店へご発注ください。
ご提供いただく測定サンプルは、ご発注前に安全性確認書をご提出ください。

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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