エクオールとは?
大豆にはイソフラボンという成分が含まれています。イソフラボンは、その構造が女性ホルモン(エストロゲン)に似ていることから、女性ホルモン様作用をもっており、更年期症状の緩和や骨密度の維持に対する効果が知られてきました。また、厚生労働省研究班による大規模コホート研究でも、食品からのイソフラボン摂取量が多いほど、日本人女性の乳がんや脳梗塞、心筋梗塞のリスクが低下し、男性の一部でも前立腺がんのリスクが低下するという研究報告が出されています。
その大豆イソフラボンの健康効果は、個人差があるということが近年の研究で明らかになってきました。食事から摂った大豆イソフラボン(ダイゼイン)は腸から吸収されますが、そのときに、ダイゼインという成分のまま吸収される人と、エクオールという成分として吸収される人がいます。この違いによってイソフラボンの健康効果に差がうまれ、エクオールの方がより高いエストロゲン活性を持つことがわかってきました。
エクオールを作ってくれるのは、腸内細菌です。
では、どうしてエクオールをつくれる人とつくれない人がいるのでしょうか。それは、最近注目されている腸内フローラがカギを握っていました。ヒトの大腸には様々な腸内細菌が棲んでいますが、その中に、大豆イソフラボン(ダイゼイン)をエクオールに変換してくれる「エクオール産生菌」と呼ばれる腸内細菌が見つかり、このエクオール産生菌がいる(活動している)かどうかが重要だということがわかりました。エクオール産生菌はこれまで10種類ほど見つかっていますが、まだ未知の産生菌がいる可能性があります。ですので、腸内細菌の遺伝子検査だけでエクオールがつくれるかどうかを調べることは、まだ難しいようです。

本稿をご提供いただきました株式会社ヘルスケアシステムズの皆様に心より感謝申し上げます。