エクソソーム・細胞外小胞の検出に ビオチウム社エクソソーム抗体　フローサイトメトリー検証済み

細胞外小胞（Extracellular Vesicles）は、細胞から分泌される小さな粒子で、細胞内のメッセンジャーとして機能し、ある細胞から別の細胞へタンパク質やRNA等を運ぶと考えられています。細胞外小胞には種類があり、機能、内包物、大きさが異なり、直径が30nm程度のものから1000nmのものまであります。細胞外小胞にはエクソソームがあり、サイズは30〜150 nm です。細胞外小胞は多胞体（Multivesicular Body）と呼ばれる細胞内のコンパートメント内で発生しますが、これ自体はエンドソームの侵食に由来します。小胞は、多胞体が細胞膜と融合して内包物を放出する際に放出されます。バイオメディカル研究では、エクソソームならびにその内包物は、がんやその他の疾患の診断用バイオマーカーとして用いるための研究が進められています。細胞外小胞およびエクソソームは、超遠心分離、PEG沈殿、および免疫キャプチャービーズなどの技術を用いて、血液または他の生物学的流体から単離されています。

エクソソームは粒径が小さいため、フローサイトメトリーでの分析が難しく、細胞の破片や他の小さな粒子との区別が難しい場合があります。特定の色素や抗体で染色することで、エクソソームを他の粒子と区別することができます。しかし、これらの小さな粒子自体が染色されたエクソソームと混同される可能性があるため、凝集体を形成しない色素を使用することが重要です。このような凝集体は、エクソソーム研究者にとって悩みの種となっていました。

エクソソソームの膜は、由来細胞の形質膜に由来する膜貫通タンパク質を保持しており、多くの場合、テトラスパニンファミリー（CD9、CD63、CD81など）のタンパク質が含まれています。
エクソソソームの内部には、タンパク質やRNAなどの細胞質成分が含まれています。エクソソソームの成分は、RNAseq、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリーなどの方法で分析することができます。フローサイトメトリーによる特性評価には、膜や核酸などのエクソソーム成分を染色する色素や、テトラスパニンやその他の関心のあるタンパク質に結合する抗体を使用することができます。

エクソソームマーカーとして、テトラスパニンファミリーのメンバーであるCD9、CD63、およびCD81が良く用いられています。テトラスパニンは、他の膜タンパク質の活性化や選別など、多くの機能が提案されている膜タンパク質です。また、テトラスパニンは、多胞体やエクソソームへのタンパク質のターゲティングにも関与していると考えられています。これらのテトラスパニンは、多くの細胞で広く発現しているため、多くのタイプのエクソソームで検出することができますが、その発現レベルは、由来細胞によって異なります。

細胞外小胞でよく検出に用いられる他のタンパク質としては、熱ショックタンパク質（HSP70 ）、多胞体（MVB）関連タンパク質（Alix、TSG101）、および細胞接着分子（Ep-Cam、ICAM-1）が挙げられます。Ep-CAMは、主に細胞株MCF-7を含む上皮細胞で発現しています。

ビオチウム社は、エクソソソームマーカータンパク質に対する抗体を多数種類提供しており、それぞれの抗体は、CF®色素やビオチンなどの標識からご選択いただけます。
下記の抗体は、フローサイトメトリーによるエクソソーム検出への使用を検証済みです。

※  表示価格について