Haptoglobin ELISA キットは、ヒトのハプトグロビンを、比色法により定量的に測定できる ELISA キットです。
背景
ハプトグロビン (Haptoglobin:Hp) とは、赤血球から遊離したヘモグロビンと結合し、ヘモグロビンによる腎損傷や溶血後の鉄損失を防ぐために、循環系からヘモグロビンを取り除く作用を有する血漿タンパク質です。
また、ハプトグロビンは、細菌がヘモグロビン中の鉄を使って増殖することを阻害し、免疫系の細胞活性を調節する細胞外シャペロンとしても知られています。抗酸化剤としてのハプトグロビンは抗菌活性を持ち、急性期反応を調節する役割を果たします。さらに、ハプトグロビンはリンパ球の強力な免疫抑制因子として作用し、ヘルパー T 細胞1型と2型 (Th1 / Th2) のバランスを調節します。
ハプトグロビンは、血管新生に関与し、コレステロールの結晶化促進活性も高いことが知られています。ヒトのハプトグロビンは、ジスルフィド結合で架橋された2本の α 鎖と2本の β 鎖からなります。これらの α 鎖と β 鎖は共通の前駆体タンパク質に由来します。2つの対立遺伝子(Hp1、Hp2) からなりますが、α 鎖に遺伝子多型があるため、ハプトグロビンには3つの表現型 (Hp1-1、Hp2-1、Hp2-2) が存在します。それぞれの Hp は、異なる親和性でヘモグロビンに結合することが示されています。
Hp1-1 は、遊離ヘモグロビンに結合し、遊離ヘモグロビンに関連する炎症反応を抑制します。Hp 2-2 は活性が低く、Hp 2-1 は中等度の活性を示すことが知られています。
特長
- 高感度測定 (<0.78 pg/ml)
- 3.5時間で測定可能
- 幅広いサンプルに対応
- ウェスタンブロット分析と比較して、完全な定量が可能
仕様
交差性 | サンプルタイプ | 感度 | 測定範囲 |
---|---|---|---|
Human | 細胞ライセート、血漿、血清 | <0.78 pg/ml | 0.78 - 50 ng/ml |
使用例
図1 スタンダードカーブ
Haptoglobin ELISA キット
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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