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Q&A

記事ID : 17918

FAQ : Enzo Life Sciences(ENZ)社 ELISA Q&A

1. EnzoLifescience社 ELISA Q&A(全般)について

■ 装置

■ サンプルマトリクスとサンプル種

■ データ解析

■ 化学発光分析

2. サイクリックヌクレオチド(cAMP/cGMP) ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ 共通 Q&A

■ Direct cAMP/cGMP ELISAキット Q&A

■ Direct もしくは Standard cAMP/cGMP ELISAキット 共通 Q&A

■ Standard cAMP/cGMP ELISAキット Q&A

■ Complete もしくは Standard cAMP/cGMP ELISA キット 共通 Q&A

3. 内分泌/ホルモン

■ Corticosterone ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ Cortisol ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ 17β-Estradiol ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ Oxytocin ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ Progesterone ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ Serotonin ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ Testosterone ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ Arg8-Vasopressin ELISA kit » 商品詳細はこちら

4. エイコサノイド

■ Urinary prostacyclin ELISA kit » 商品詳細はこちら

5. 代謝

■ NGAL ELISA kit » 商品詳細はこちら

6. 酸化ストレス

■ HO-1, ELISA kit » 商品詳細はこちら

7. HPS70 ELISA キット

■ HPS70 ELISA キット » 商品詳細はこちら

8. その他 ELISA キット

E. coli Host Cell Protein ELISA Kit » 商品詳細はこちら

■ CHO host cell protein ELISA kit » 商品詳細はこちら

1. EnzoLifescience社 ELISA Q&A(全般)について

■ 共通 Q&A

【1-01】 波長補正は必要ですか?

2波長測定は、ランプや装置、プラスチックプレートによる光学密度のずれを補正します。EnzoLifescience社 (ENZ社) の プレートは、光学品質用に選択されているため、実質的に補正される値はごく小さいものです。2波長測定機能が使用できない場合でも、推奨検出波長で測定していただければ、大きな問題はありません。

【1-02】 分光光度計で測定することはできますか?

製品マニュアルに分光光度計で測定可能と明記されていない限り、測定はできません。ほとんどのイムノアッセイ及び ELISA キットは、マイクロタイタープレートリーダーで測定しなければなりません。分光光度計で確実に測定するには、サンプルボリュームが少なすぎます。

■ サンプルマトリクスとサンプル種

【1-03】 キットが適用できる種は?

キットの測定対象が、全ての種で保存されているような分子(例:エイコサノイド、ステロイド)の場合、種に依存せず、どのような種でも使用できる可能性があります。種特異的なキットの場合は、その種の名前を記載しています。もしマニュアルに種の記載がない場合、特定の種を測定対象としていません。各製品のウェブサイトでも掲載しています。

【1-04】 サンプルを希釈又は抽出する必要があるかどうかはどのように判断すればよいですか?

それぞれのキットで示されているサンプルタイプごとの推奨最低希釈率でサンプルを希釈しても、キットの測定範囲内に測定対象物質の濃度が収まるのであれば、サンプルを希釈して測定することをおすすめします。もしサンプル濃度が定量限界より低い場合は、抽出・濃縮が必要になります。抽出が必須なキットもありますが、その場合は製品マニュアルに記載しています。

【1-05】 サンプルの推奨最低希釈とは何ですか?希釈しなくても大丈夫ですか?

これはアッセイのマトリクス干渉を除くために必要な最低希釈のことです。特殊なサンプルの場合は、より高い倍率で希釈する必要があります。特殊なサンプルの最適な倍率は、お客様自身でバリデーション試験を行い決定してください。試験せずに希釈をすることはおすすめできません。もしサンプル中の対象物質が低レベルで存在するなら、抽出作業を行ったほうが正確に測定できる可能性があります。

■ データ解析

【1-06】 培地中でのスタンダード曲線に一貫性がありません。

多くの場合、培地中に添加された血清が問題になります。血清は水より密度が重いため、混合が不足すると容器の底に沈んでしまいます。この問題を最小限にするには、非馴化培地を室温に戻し、スタンダードの希釈の前によく混合することが重要です。

【1-07】 OD 値がマニュアルの値と一致しません

実験間で OD 値に若干の差があることは通常のことです。OD 値は温度による若干の影響を受けます。室温でのインキュベート時に、プレートを冷えた実験台の上やドラフトの下などに置かないように注意してください。基質のインキュベートを 25 〜 37 ℃で実行すれば、シグナル値の変動の改善が期待できます。

【1-08】 データを解析する最もよい方法は? 4-PL カーブフィッティングとは?

正確な結果を得るために、4 パラメーターロジスティック(4-PL)カーブフィッティングソフトウェアを使用することを推奨します。4-PL は、近似曲線を最適化します。免疫測定において、スタンダード曲線はめったに直線になりません。得られたデータによりフィットするカーブを選択することで、最終的に正確なサンプル値を得ることができます。このソフトウェアが利用できない場合、自分でデータをプロットして値を算出する必要があります。ほとんどのマイクロプレートリーダーはソフトウェアを備えています。

■ 化学発光分析

【1-09】 どのような場合に EIA の代わりに CLIA を使用するのが適切ですか?

CLIA(化学発光免疫測定;chemiluminescent immunoassay)は、EIA(酵素免疫測定法;enzyme immunoassay)よりも高感度であるため、サンプル中に含まれる分析対象レベルが EIA 検出レベルよりも低い場合に利用されます。また、マトリクス影響のない状態にまでサンプルを希釈できるため、抽出操作を省略できることも利点です。

【1-10】 CLIA アッセイの測定に必要な装置は?

RLU(相対発光強度;relative light units)を測定するためのルミノメーターが必要です。フィルターは不要です。

2. サイクリックヌクレオチド(cAMP/cGMP) ELISA kit » 商品詳細はこちら

■ 共通 Q&A

【2-01】 プレートは抗ウサギ IgG でコートされていますが、ウサギ血清中の cAMP/cGMP レベルを測定することはできますか。

これらキットで使用するプレートには cAMP もしくは cGMP 特異的抗体を捕捉する抗体でコートしてあります。これらのキットで使用している抗体はヤギ抗ウサギ IgG 抗体のため、高い内在性 IgG レベルのウサギサンプルは、cAMP/cGMP アッセイに干渉する可能性があります。こういったサンプルを使用する場合は、アッセイを行う前に、干渉する IgG を MWCO フィルターや IgG removal kit で除去することをおすすめします。ただし、Enzo Life Sciences社ではこの点を検討しておらず、お客様ご自身で最適化していただく必要がございます。

【2-02】 サンプル中の期待される cAMP/cGMP 濃度はどの程度でしょうか。

サンプル中の cAMP と cGMP 量は、サンプルタイプ、由来、または処理によっても異なります。残念ながら予測はできません。お客様ご自身で、同様のサンプルタイプ、条件、アッセイ技術を用いて検討した参考文献などをお探しいただき、ご確認ください。

【2-03】 サンプルの乾燥方法を教えて下さい。

サンプルは、吸引遠心器 (SpeedVac など) や窒素やアルゴンの緩やかな気流で乾燥させます。サンプル数が多い場合、吸引遠心器の方がよいかもしれません。サンプルを室温で一晩、SpeedVac に入れて放置します。翌日には乾燥しており、吸引中は環境下に晒されていないため、サンプルの完全性は損なわれていないはずです。緩やかな窒素の気流を使って乾燥させる場合、ガス供給の先端にガラスピペットを装着し、ピペットをサンプルチューブ内側に吊るします。この方法を用いる場合、まずは石油エーテルを入れたチューブで練習し、どのくらい時間がかかるか確認してください。サンプルをフード内に放置して乾燥させることはおすすめしません。サンプルが酸化し、わずかに残った溶剤が EIA に影響を及ぼす可能性があるためです。

【2-04】 アセチル化工程は必ず必要ですか。

非常に低濃度の cAMP もしくは cGMP しか含まないサンプルの場合や、より高感度が求められる場合にはサンプルをアセチル化する必要があります。アセチル化による感受性は、アセチル化されていないものに比べて 10 倍程度高くなります。サンプル内の環状ヌクレオチドレベルが不明な場合、まずはあまり重要でないサンプルを用いてアセチル化せずにアッセイを行い、この過程が必要かどうかをご判断ください。

【2-05】 アセチル化標準物質とサンプルへの最大結合量が50 % しかありませんでした。なぜでしょうか。

標準物質とサンプルがアセチル化されているものの B0 標準物質がアセチル化されていないと、このようになります。この場合でも、データは使えます。光学濃度曲線からサンプル濃度を算出し、%B/B0 分析は行いません。

【2-06】 受容体活性化作用と拮抗作用研究にこれらのキットは使用できますか。

実験デザインが構築されていて、最終サンプルを提案通りにアッセイに組込むことができ、またキットが検出できる十分量の cAMP/cGMP が存在するのであれば、これらのキットを使って受容体活性化作用や拮抗作用により生ずる様々な変化を検出できるでしょう。もちろん、サンプル中の cAMP/cGMP 検出限界はお客様が構築する必要があり、また対象アゴニスト/アンタゴニスト処理の最適化も必要です。

■ Direct cAMP/cGMP ELISAキット Q&A

【2-07】 Direct ELISAキットで細胞質の cAMP/cGMP を検出できますか。

本品は、細胞種に依存せず、細胞・組織ライセートの細胞内 cAMP/cGMP を比色定量できます。

【2-08】 cAMP direct ELISA kit の Assay Buffer で希釈したサンプルは cGMP Direct ELISA kit で使用できますか。また、その逆はどうでしょうか。

これらの2つのキットの Assay Buffers は同一カタログ番号であり、同一商品ですのでご使用いただけます。ただし他の試薬はそれぞれの Direct ELISA kit の使用方法に従ってご利用ください。

■ Direct もしくは Standard cAMP/cGMP ELISAキット 共通 Q&A

【2-09】 どの程度の細胞数を使用するべきですか。

使用する組織量や細胞数は実験条件によります。初期実験は、1、2種類の代表的なサンプルを用いて、およそ 2 - 5 百万細胞 /mL-HCl から始めることをおすすめします。その試験結果をうけて、以後のサンプルを適切に推測できるでしょう。濃縮ストックを希釈して使用する方が、実験を最初からやり直すよりも容易です。

【2-10】 独自の可溶化バッファーを使用してもよいでしょうか。

本キットは標準物質とサンプルの可溶化と希釈に、中和試薬との組み合わせで HCl を使用するよう最適化されています。もし異なるバッファーで可溶化し、その後 HCl で希釈すると、pH が異なってしまいます。(他のバッファーを使用すると HCl を中和するようデザインされた中和試薬のモル濃度が異なってしまう可能性があります。) そのため、最適な結果を得るためにも、HCl を可溶化と希釈の両方にご利用ください。

【2-11】 0.1M HCl 添加後も細胞が可溶化しない場合はどうすればよいですか。

使用前に 0.1〜1 % トリトンX100 を 0.1 M HCl に添加することで細胞や組織の可溶化を促進できます。この濃度域で使用する場合は、界面活性剤がアッセイのアセチル化や結合部分を妨害しません。ただし、OD 値が若干増加する可能性があります。正確な判定を行うために、トリトンX100 を含むサンプルを同じトリトンX100 含有バッファーで希釈した検量線を用いて評価してください。

【2-12】 細胞での検出で、一貫性のあるデータが得られません。細胞が透過性になったのでしょうか。

一貫性のある結果を得るため、アッセイで使用する前に細胞を完全に破壊させることをおすすめします。細胞の耐久力は細胞株によって異なるため、顕微鏡で確認して細胞破壊をご確認ください。

■ Standard cAMP/cGMP ELISAキット Q&A

【2-13】 これらの ELISA キットで細胞質の cAMP/cGMP を検出できますか。

いいえ、できません。これらは動物種によらず、培養上清、血清、唾液の細胞外 cAMP/cGMP を比色定量します。細胞内 cAMP/cGMP を定量する場合、Enzo Life Sciences社の Direct ELISA kit (cAMPは品番:ADI-900-066、cGMPは品番:ADI-900-014)をご利用ください。細胞内外の cAMP/cGMP 濃度両方を測定したい場合は、cAMP は品番:ADI-900163、cGMP は品番:ADI-900-163をご利用ください。

【2-14】 cAMP ELISA kitの Assay Buffer で希釈したサンプルは cGMP ELISA kit で使用できますか。また、その逆はどうでしょうか。

これらの2つのキットの Assay Buffers は同一カタログ番号であり、同一商品ですのでご使用いただけます。ただし他の試薬はそれぞれの ELISA kit の使用方法に従ってご利用ください。

■ Complete もしくは Standard cAMP/cGMP ELISAキット 共通 Q&A

【2-15】 血清サンプルの再調製に必要な Assay Buffe 量を教えて下さい。

サンプルを再調製するために必要なアッセイバッファー量は、実験条件に依存します。血清 1 mL に対しアッセイバッファー 1 mL で再懸濁することをおすすめします。それからいくつか希釈倍率を振ってみてください。

【2-16】 どの程度のサンプルが必要ですか、また推奨希釈率を教えて下さい。

必要なサンプル量と希釈率はサンプルに含まれ る cAMP/cGMP 量によって決まります。お客様ご自身で、同様のサンプルタイプ、条件、アッセイ技術を用いて検討した参考文献などをお探しいただき、ご確認ください。

【2-17】 アッセイバッファーに再溶解後、サンプルはどれくらい保存できますか。

再溶解後のサンプルの長期安定性は、Enzo Life Sciences社では確認していませんが、なるべく早くご使用になることをおすすめします。長期保存を行う場合は、-80℃ で保存して下さい。

【2-18】 培養上清中の cAMP/cGMP を cAMP/cGMP ELISA キットと cAMP/cGMP Complete ELISA キットを使って測定する時、どのような培地でも測定できますか。

プロトコールに記載されている通り、分泌型 cAMP/cGMP が含まれるサンプルの培養培地と同じものを使って検量線を作製していれば、光学密度 (OD) に多少の変化があっても比較することができます。本キット開発時に、cAMP/cGMP を添加したフェノールレッド含有 RPM1640 と DMEM+Glutamax を使用したことがありますが、若干のOD上昇は見られたものの、この影響は標準物質とサンプル双方に影響を及ぼしていました。Enzo Life Sciences社ではお客様ご自身でサンプルの希釈最適化を行い、またご自身のサンプルで添加回収試験を行って良好なサンプル回収と線形データが得られることをご確認頂くようおすすめしています。

3. 内分泌/ホルモン

■ Corticosterone ELISA kit » 商品詳細はこちら

【3-01】 コルチコステロン ELISA キットはどの動物種にも使えますか。

コルチコステロンは全動物種で保存されており、本キットで使用する抗体は動物種に関わらずコルチコステロンに結合します。したがって、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。ただし、もしヒツジ由来のサンプルで IgG を含む場合 (血清や血漿サンプルのように)、注意が必要です。ご提供するプレートはヒツジ IgG 捕捉抗体でコートしていますので、サンプルに内在性ヒツジ IgG が含まれる場合は干渉することが考えられます。

【3-02】 プロトコールに自分が対象とするサンプルタイプが記載されていませんでした。どうしたら使えますか。

Enzo Life Sciences社ウェブサイトの 「Application」 およびキットのプロトコールに、本品を用いて良好に試験が行えたサンプルタイプをリスト化しています。サンプル内に十分量の分析物が存在し、マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後もその濃度が検量線範囲内であれば、リスト以外のサンプルタイプでもアッセイできるはずです。もし Enzo Life Sciences社で検証していないサンプルタイプをご使用になる場合は、既報論文に詳細が記載されていないかご確認ください。

【3-03】 自分で使用するサンプルタイプの最適な希釈率を教えて下さい。

マニュアルの "Sample recoveries" セクションに推奨希釈率を記載しています。この値は、Enzo Life Sciences社にてマトリックス干渉を除くために必要だと決定した希釈率です。ただし、お客様ご自身で、対象サンプルにおける最適希釈率を決定されることをおすすめします。そのため、Enzo Life Sciences社の推奨希釈率は"出発点"としてご理解ください。

【3-04】 糞便中のコルチコステロンレベルの定量を考えています。本アッセイに適したサンプル調製方法を教えて下さい。

キットのマニュアルには、動物園と提携してマウスやサイの糞便サンプルを採取・試験した結果の推奨希釈率を掲載しています。以下は糞便抽出プロトコールの一案です。
1. 16x125 mm ポリプロピレンチューブに抽出番号を記載する。
2. わらや細片を注意して取り除き、0.5 g (+/- 0.05) の混合した解凍糞便サンプルを対応するチューブに量り入れる。
3. 糞便抽出シートに重量を記載し、状態 (いつもよりも湿っているもしくは乾燥状態、毛玉など) を記録する。
4. 必要に応じて、今後使用するためのサンプル用に、12x75 mm ポリプロピレンチューブに動物 ID (名前)、サンプル番号、日付を記載したラベルをし、サンプルを入れ凍結保存しておく。
5. dH2O で調製した 80 % EtOH を 5 mL 加え、直ちにチューブに蓋をする。
6. 全ボトルを十分にボルテックスし、サンプルをばらばらにする。
7. チューブを試験管立てに立てて、ローター上に水平方向に設置し、14-18 時間混合する (一晩)。
8. チューブを 1500 rpm で 15 分間遠心する。
9. サンプル分の 12x75 mm ポリプロピレンチューブを用意し、動物 ID (名前)、サンプル番号、日付および 1:10 と希釈率を記載したラベルをし、1 mL アッセイバッファーをいれ、1mL 上清を対応するチューブに入れた後、蓋をして冷凍保存する。
10. 糞便と希釈物を格子箱に入れて保存する。箱には、動物種、動物 ID (名前と番号)、性別 (0.1か1.0)、糞便、希釈率 1:10、動物園名、サンプル番号のはじめと終わり、日付を明記する。本プロトコールは 10 倍希釈です。EtOH 中に 5 倍、当初の容量が 5 mL でバッファーで 2 倍希釈しているためです。

【3-05】 最少サンプル量を教えてください。

アッセイにはウェルごとに 100 µL の希釈サンプルが必要です。そのためサンプル希釈率やサンプル数によってご判断ください。サンプルは 2 ウェルを用いて (duplicate) 試験します。

【3-06】 キットマニュアルの "Sample Handling" で、"サンプルによっては分析物の存在レベルが非常に低く、正確に測定するためには抽出が必要となる場合があります"とあります。どの濃度範囲のことを示しているのでしょうか。

サンプル中の分析物濃度がアッセイの検出限界未満である場合にのみ抽出が必要です。マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後でもサンプルから分析物が検出できるのであれば、抽出は必要ありません。試験の結果、ステロイドが読み取り不可であった場合、抽出が必要です。

【3-07】 Steroid displacement reagent (SDR) のメカニズムを教えて下さい。

血液中のほとんどのステロイドはアルブミンや、より特異的な結合タンパク質などの担体タンパク質にイオン結合しています。サンプルを Steroid Displacement Reagent で処理することで、ステロイドと担体タンパク質間の電荷相互作用を破壊します。これによりサンプル中に存在するステロイド全量を測定することができます。

【3-08】 自分のサンプルにSteroid displacement reagent (SDR) を加えるべきか教えてください。

ステロイドと結合するタンパク質がサンプル内に存在する場合、アッセイ実行前にサンプルに試薬を入れる必要があります。抽出済みのサンプルにはSDRを添加する必要はありません。

【3-09】 Steroid displacement reagent (SDR) によるサンプル処理方法を教えて下さい。

以下に従い、Steroid displacement reagent でサンプルを処理してください。
・サンプル97.5 µLごとに 2.5 µL の SDR を添加する。
・ボルテックスに短時間掛け、室温で5分静置する。
・その後、サンプル希釈を行う。
血清や血漿以外のサンプルを使用する場合、SDR処理は必要ありません。抽出物サンプルの場合も SDR 処理の必要はありません。

【3-10】 この ELISA キットでは、なぜサンプル希釈が必要なのですか。

希釈することにはいくつかの理由があります。サンプルが検量線を超える場合、本アッセイの検量線内で測定できるように希釈が必要となる場合があります。また、サンプルによってはマトリックス干渉を防ぐために希釈が必要な場合があります。

【3-11】 サンプルマトリックス干渉はどうすれば防ぐことができますか。

サンプルマトリックス干渉を防ぐ最も簡単な方法は、アッセイバッファーでサンプルを希釈することです。最低必要希釈率を決定するには、1 つのサンプルを 2 分割します。1 つには既知量の標準物質を加えます。2 分割とも、アッセイバッファーを用いて段階希釈系列をとります (1 : 2、1 : 4、1 : 8、1 : 16など)。その後、これらのサンプル全てを本品で分析し、各希釈サンプルに対して濃度と回収率を決定します。回収率が添加分析物の量に対して 80 % 〜 120 % になった段階が最低必要希釈率です。もし、サンプルを希釈後、分析物濃度が本アッセイでの分析範囲内に入るような場合は、その希釈率が最良です。もし、そうならなかった場合は、マニュアルに沿って抽出作業が必要になります。

【3-12】 自分のサンプルにマトリックス干渉の可能性があるかを確認する方法を教えて下さい。

マトリックス干渉とは、サンプルマトリックス(バッファー、pH、界面活性剤や溶剤などの添加物、タンパク質など)がアッセイを妨害し、不正確な結果を導くことを示します。このような干渉は誤った分析結果として現れます。マトリックス干渉を試験する方法として、添加回収率の確認があります。代表とするサンプル (1 つか 2 つ) を 2 分割します。1 つには既知量の分析物 (標準物質) を添加します。このサンプルは"添加サンプル (spiked sample)"と呼びます。同時に、添加サンプルと添加していないサンプルをアッセイします。添加物の回収率は、内在性寄与物 (添加していないサンプルにおける測定濃度) を添加サンプルの全分析物濃度から減算し、添加サンプルに添加した標準物質濃度で割った後 100 倍します。許容できる回収率は添加サンプルの 80 %から 120 %です。

【3-13】 希釈率で結果を掛け算すべきでしょうか。

はい。算出したデータに希釈率を掛け合わせ、サンプル中に存在する生物マーカー存在量の正しい値を算出します。

【3-14】 他のステロイドとの交差反応は確認してありますか。

はい。関連するステロイド化合物に関する交差性を評価し、キットマニュアルに記載しています。

【3-15】 ステロイドが対象の ELISA キット用陽性コントロールは販売していますか。

陽性コントロールの提供はしていません。もし特定サンプルタイプから分析物を正確に回収できているかを確認する場合、既知量の標準物質をサンプルに添加し、キットを使ってアッセイを行い、回収率を評価して下さい。

■ Cortisol ELISA kit » 商品詳細はこちら

【3-16】 どの動物種に対しても使用できますか。

コルチゾールは全動物種で保存されており、本キットで使用する抗体は動物種に関わらずコルチゾールに結合します。したがって、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。ただし、もしマウス由来のサンプルで IgG を含む場合 (血清や血漿サンプルのように)、注意が必要です。ご提供するプレートはマウス IgG 捕捉抗体でコートしていますので、サンプルに内在性マウス IgG が含まれる場合は干渉することが考えられます。

【3-17】 プロトコールに自分が対象とするサンプルタイプが記載されていませんでした。どうしたら使えますか。

Enzo Life Sciences社ウェブサイトの 「Application」 およびキットのプロトコールに、本品を用いて良好に試験が行えたサンプルタイプをリスト化しています。サンプル内に十分量の分析物が存在し、マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後もその濃度が検量線範囲内であれば、リスト以外のサンプルタイプでもアッセイできるはずです。もし Enzo Life Sciences社で検証していないサンプルタイプをご使用になる場合は、既報論文に詳細が記載されていないかご確認ください。

【3-18】 自分で使用するサンプルタイプの最適な希釈率を教えて下さい。

マニュアルの "Sample recoveries" セクションに推奨希釈率を記載しています。この値は、Enzo Life Sciences社にてマトリックス干渉を除くために必要だと決定した希釈率です。ただし、お客様ご自身で、対象サンプルにおける最適希釈率を決定されることをおすすめします。そのため、Enzo Life Sciences社の推奨希釈率は"出発点"としてご理解ください。

【3-19】 最少サンプル量を教えてください。

アッセイにはウェルごとに 100 µL の希釈サンプルが必要です、したがって、サンプル希釈率やサンプル数によってご判断ください。サンプルは 2 ウェルを用いて (duplicate) 試験します。

【3-20】 キットマニュアルの "Sample Handling" で、"サンプルによっては分析物の存在レベルが非常に低く、正確に測定するためには抽出が必要となる場合があります"とあります。どの濃度範囲のことを示しているのでしょうか。

サンプル中の分析物濃度がアッセイの検出限界未満である場合にのみ抽出が必要です。マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後でもサンプルから分析物が検出できるのであれば、抽出は必要ありません。試験の結果、ステロイドが読み取り不可であった場合、抽出が必要です。

【3-21】 Steroid displacement reagent (SDR) のメカニズムを教えて下さい。

血液中のほとんどのステロイドはアルブミンや、より特異的な結合タンパク質などの担体タンパク質にイオン結合しています。サンプルを Steroid Displacement Reagent で処理することで、ステロイドと担体タンパク質間の電荷相互作用を破壊します。これによりサンプル中に存在するステロイド全量を測定することができます。

【3-22】 自分のサンプルにSteroid displacement reagent (SDR) を加えるべきか教えてください。

ステロイドと結合するタンパク質がサンプル内に存在する場合、アッセイ実行前にサンプルに試薬を入れる必要があります。抽出済みのサンプルにはSDRを添加する必要はありません。

【3-23】 Steroid displacement reagent (SDR) でサンプルを処理する方法を教えてください。

以下に従い、Steroid Displacement Reagent でサンプルを処理してください。
・99 µLのサンプルごとに 1 µL の SDR を添加する。
・ボルテックスに短時間掛け、室温で 5 分静置する。
・その後、サンプル希釈を行う。
抽出サンプルの場合は、SDR 処理の必要はありません。

【3-24】 この ELISA キットでは、なぜサンプル希釈が必要なのですか。

希釈することにはいくつかの理由があります。サンプルが検量線を超える場合、本アッセイの検量線内で測定できるように希釈が必要となる場合があります。また、サンプルによってはマトリックス干渉を防ぐために希釈が必要な場合があります。

【3-25】 サンプルマトリックス干渉はどうすれば防ぐことができますか。

サンプルマトリックス干渉を防ぐ最も簡単な方法は、アッセイバッファーでサンプルを希釈することです。最低必要希釈率を決定するには、1 つのサンプルを 2 分割します。1つには既知量の標準物質を加えます。2 分割とも、アッセイバッファーを用いて段階希釈系列をとります (1 : 2、1 : 4、1 : 8、1 : 16など)。その後、これらのサンプル全てを本品で分析し、各希釈サンプルに対して濃度と回収率を決定します。回収率が添加分析物の量に対して 80 % 〜 120 % になった段階が最低必要希釈率です。もし、サンプルを希釈後、分析物濃度が本アッセイでの分析範囲内に入るような場合は、その希釈率が最良です。もし、そうならなかった場合は、マニュアルに沿って抽出作業が必要になります。

【3-26】 自分のサンプルにマトリックス干渉の可能性があるかを確認する方法を教えて下さい。

マトリックス干渉とは、サンプルマトリックス(バッファー、pH、界面活性剤や溶剤などの添加物、タンパク質など)がアッセイを妨害し、不正確な結果を導くことを示します。このような干渉は誤った分析結果として現れます。マトリックス干渉を試験する方法として、添加回収率の確認があります。代表とするサンプル (1 つか 2 つ) を 2 分割します。1 つには既知量の分析物 (標準物質) を添加します。このサンプルは"添加サンプル (spiked sample)"と呼びます。同時に、添加サンプルと添加していないサンプルをアッセイします。添加物の回収率は、内在性寄与物 (添加していないサンプルにおける測定濃度) を添加サンプルの全分析物濃度から減算し、添加サンプルに添加した標準物質濃度で割った後 100 倍します。許容できる回収率は添加サンプルの 80 %から 120 %です。

【3-27】 希釈率で結果を掛け算すべきでしょうか。

はい。算出したデータに希釈率を掛け合わせ、サンプル中に存在する生物マーカー存在量の正しい値を算出します。

【3-28】 他のステロイドとの交差反応は確認してありますか。

はい。関連するステロイド化合物に関する交差性を評価し、キットマニュアルに記載しています。

【3-29】 ステロイドが対象のELISAキット用陽性コントロールは販売していますか。

陽性コントロールの提供はしていません。もし特定サンプルタイプから分析物を正確に回収できているかを確認する場合、既知量の標準物質をサンプルに添加し、キットを使ってアッセイを行い、回収率を評価して下さい。

■ 17β-Estradiol ELISA kit » 商品詳細はこちら

【3-30】 17β-Estradiol ELISA kit はどの動物種由来のサンプルにも使えますか。

17β-Estradiol は全動物種で保存されており、本キットで使用する抗体は動物種に関わらず 17β-Estradiol に結合します。したがって、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。ただし、もしウサギ由来のサンプルで IgG を含む場合 (血清や血漿サンプルのように)、注意が必要です。ご提供するプレートはウサギ IgG 捕捉抗体でコートしていますので、サンプルに内在性ウサギ IgG が含まれる場合は干渉することが考えられます。

【3-31】 プロトコールに自分が対象とするサンプルタイプが記載されていませんでした。どうしたら使えますか。

Enzo Life Sciences社ウェブサイトの 「Application」 およびキットのプロトコールに、本品を用いて良好に試験が行えたサンプルタイプをリスト化しています。サンプル内に十分量の分析物が存在し、マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後もその濃度が検量線範囲内であれば、リスト以外のサンプルタイプでもアッセイできるはずです。もし Enzo Life Sciences社で検証していないサンプルタイプをご使用になる場合は、既報論文に詳細が記載されていないかご確認ください。

【3-32】 本キットは血清や血漿サンプルにも使えますか。

Enzo Life Sciences社の研究室で検証済みのサンプルタイプは、培養上清と唾液です。血清と血漿サンプルは、品番:ADI-900-174 「17β-Estradiol high sensitivity ELISA kit」 のご利用をおすすめします。

【3-33】 自分で使用するサンプルタイプの最適な希釈率を教えて下さい。

マニュアルの "Sample recoveries" セクションに推奨希釈率を記載しています。この値は、Enzo Life Sciences社にてマトリックス干渉を除くために必要だと決定した希釈率です。ただし、お客様ご自身で、対象サンプルにおける最適希釈率を決定されることをおすすめします。そのため、Enzo Life Sciences社の推奨希釈率は "出発点" としてご理解ください。

【3-34】 最少サンプル量を教えてください。

アッセイにはウェルごとに 100 µL の希釈サンプルが必要です。そのためサンプル希釈率やサンプル数によってご判断ください。サンプルは2ウェルを用いて (duplicate) 試験します。

【3-35】 キットマニュアルの "Sample Handling" で、"サンプルによっては分析物の存在レベルが非常に低く、正確に測定するためには抽出が必要となる場合があります"とあります。どの濃度範囲のことを示しているのでしょうか。

サンプル中の分析物濃度がアッセイの検出限界未満である場合にのみ抽出が必要です。マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後でもサンプルから分析物が検出できるのであれば、抽出は必要ありません。試験の結果、ステロイドが読み取り不可であった場合、抽出が必要です。

【3-36】 Steroid displacement reagent (SDR) のメカニズムを教えて下さい。

血液中のほとんどのステロイドはアルブミンや、より特異的な結合タンパク質などの担体タンパク質にイオン結合しています。サンプルを Steroid Displacement Reagent で処理することで、ステロイドと担体タンパク質間の電荷相互作用を破壊します。これによりサンプル中に存在するステロイド全量を測定することができます。

【3-37】 17β-Estradiol ELISA kit を使用する場合、どのようにサンプルを Steroid displacement reagent (SDR) 処理すればよいですか。

以下に従い、Steroid Displacement Reagent でサンプルを処理してください。
・99 µLのサンプルごとに 1 µLの SDR を添加する。
・ボルテックスに短時間掛け、室温で5分静置する。
・その後、サンプル希釈を行う。
抽出サンプルの場合は、SDR処理の必要はありません。

【3-38】 このELISAキットでは、なぜサンプル希釈が必要なのですか。

希釈することにはいくつかの理由があります。サンプルが検量線を超える場合、本アッセイの検量線内で測定できるように希釈が必要となる場合があります。また、サンプルによってはマトリックス干渉を防ぐために希釈が必要な場合があります。

【3-39】 サンプルマトリックス干渉はどうすれば防ぐことができますか。

サンプルマトリックス干渉を防ぐ最も簡単な方法は、アッセイバッファーでサンプルを希釈することです。最低必要希釈率を決定するには、1つのサンプルを 2 分割します。1 つには既知量の標準物質を加えます。2 分割とも、アッセイバッファーを用いて段階希釈系列をとります (1 : 2、1 : 4、1 : 8、1 : 16など)。その後、これらのサンプル全てを本品で分析し、各希釈サンプルに対して濃度と回収率を決定します。回収率が添加分析物の量に対して 80 % 〜 120 % になった段階が最低必要希釈率です。もし、サンプルを希釈後、分析物濃度が本アッセイでの分析範囲内に入るような場合は、その希釈率が最良です。もし、そうならなかった場合は、マニュアルに沿って抽出作業が必要になります。

【3-40】 自分のサンプルにマトリックス干渉の可能性があるかを確認する方法を教えて下さい。

マトリックス干渉とは、サンプルマトリックス(バッファー、pH、界面活性剤や溶剤などの添加物、タンパク質など)がアッセイを妨害し、不正確な結果を導くことを示します。このような干渉は誤った分析結果として現れます。マトリックス干渉を試験する方法として、添加回収率の確認があります。代表とするサンプル ( 1 つか 2 つ) を 2 分割します。1 つには既知量の分析物 (標準物質) を添加します。このサンプルは"添加サンプル (spiked sample)"と呼びます。同時に、添加サンプルと添加していないサンプルをアッセイします。添加物の回収率は、内在性寄与物 (添加していないサンプルにおける測定濃度) を添加サンプルの全分析物濃度から減算し、添加サンプルに添加した標準物質濃度で割った後 100 倍します。許容できる回収率は添加サンプルの 80 % から 120 % です。

【3-41】 希釈率で結果を掛け算すべきでしょうか。

はい。算出したデータに希釈率を掛け合わせ、サンプル中に存在する生物マーカー存在量の正しい値を算出します。

【3-42】 他のステロイドとの交差反応は確認してありますか。

はい。関連するステロイド化合物に関する交差性を評価し、キットマニュアルに記載しています。

【3-43】 ステロイドが対象のELISAキット用陽性コントロールは販売していますか。

陽性コントロールの提供はしていません。もし特定サンプルタイプから分析物を正確に回収できているかを確認する場合、既知量の標準物質をサンプルに添加し、キットを使ってアッセイを行い、回収率を評価して下さい。

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【3-44】 動物種に依存しますか。

単一アミノ酸置換を持つ新規のオキシトシンフォームでは、抗体結合親和性に影響を及ぼす可能性があり、実際にいくつかの霊長類でその報告があります (Lee AG et al., 2011)。一方で、オキシトシン分子配列はほとんどの哺乳動物種間で相違がみられないことから、本キットは「動物種非依存性」と言えます。本キットを使用した論文報告で使用された動物種には、ヒヒ、ヒト、マウス、ブタ、ラット、アカゲザル、タマリンなどがあります。ウサギ血清を使用する場合には問題が生じる場合があるため、ご留意下さい。これはオキシトシン自身の問題ではなく、本キットで使用している抗体が抗ウサギ IgG であるため、高シグナルバックグラウンドが生じてしまう可能性があるからです。

【3-45】 ウサギ血清を使用しています。サンプルのオキシトシン検出に問題はありますか?

本キットでは抗ウサギ IgG を使用しているため、ウサギサンプルは問題になる可能性があります。アッセイを行う前に、内在性ウサギ IgG を MWCO フィルターで除去するか、IgG 除去キットで除去すれば、本品を使用できる可能性があります。ただし、Enzo Life Sciences社ではこの点を検討しておらず、お客様ご自身で最適化して頂く必要があります。

【3-46】 オキシトシンキットは培養上清、母乳、血漿、および血清の他のサンプルタイプにも使えますか。

脳脊髄液、唾液、組織、および尿にも使えます。

【3-47】 オキシトシン ELISA キットは唾液サンプルにも使えますか。

本キットの開発中に唾液サンプルは試していませんが、唾液中のオキシトシン検査の需要が増えています。こちらの報告 (Holt-Lunstad J et al., 2008)では、 本キットを用いて、唾液サンプルの測定が行われています。他の複数の研究者も、以下のプロトコールによりこのマトリックスを使用しています。ただし、このプロトコールは、お客様がご利用のサンプルにあわせて最適化ください。
1. 1 mL 以上(3〜5 mL 以上を推奨)の唾液サンプルを回収する。保存する場合は-20℃で保存。
2. 遠心分離により微粒子や粘液を沈殿させる。
3. 上清を回収し、1mL ずつに分注する。
4. SpeedVac のような遠心エバポレーターで水分を蒸発させる。
5. 乾燥させたサンプルを 250 μL のアッセイバッファーに溶解する(オキシトシン濃度によって適宜アッセイバッファーの量を調整する)。

【3-48】 オキシトシンELISAキットにはどれくらいのサンプルが必要ですか。また、推奨希釈率を教えて下さい。

必要なサンプル量と希釈率はサンプルに含まれるオキシトシンレベルに依存します。お客様ご自身で、同様のサンプルタイプ、条件、アッセイ技術を用いて検討した参考文献などをお探しいただき、ご確認ください。

【3-49】 オキシトシンの抽出は必要ですか。

血清、血漿サンプルではマトリックス干渉を防ぐために抽出が必要です。他のサンプルタイプでは抽出が必要かどうかデータはございません。

【3-50】 血清や血漿サンプル中のオキシトシン抽出プロトコールに代替法はありますか。

水溶性サンプルからオキシトシンを抽出する代替法は以下の通りです。
1. 2 倍量の氷冷アセトンをサンプルに添加し、ボルテックスする。
2. 12,000 x g で 20 分間遠心する。
3. 上清を新しいチューブに入れ替える。
4. 5 倍量の氷冷石油エーテルを添加し、ボルテックスする。
5. 10,000 x g で 10 分間遠心する。
6. 上部のエーテル相を廃棄する。残りの水相を慎重にガラスチューブに取り出し、窒素ガスまたはアルゴンガス下で乾燥させる。
7. アッセイバッファーに再懸濁する。
抽出過程からのペプチド回収率は異なります。過程を最適化させ、至適回復率を得ることが重要です。抽出効率は、放射性ペプチドの利用またはペア標本を添加し、既知オキシトシン量の回収率を決定するなど、種々の手法で決定することができます。

【3-51】 オキシトシン抽出にはどのようなカラムが使えますか。

200 mgの吸着剤を含み容積容量 3.5 mL の逆相 C18 カラムを用いた固相抽出 (SPE) が使用可能です。より低容量の血清/血漿を使用する場合は、小さいカートリッジも使用できます。

【3-52】 オキシトシンと Arg8-バソプレシン ELISA キットで分析する場合のサンプルの乾燥方法を教えて下さい。

サンプルは、吸引遠心器 (SpeedVac など) や窒素やアルゴンの緩やかな気流で乾燥させます。サンプル数が多い場合、吸引遠心器の方がよいかもしれません。サンプルを室温で一晩、SpeedVac に入れて放置します。翌日には乾燥しており、吸引中は環境下に晒されていないため、サンプルの完全性は損なわれていないはずです。緩やかな窒素の気流を使って乾燥させる場合、ガス供給の先端にガラスピペットを装着し、ピペットをサンプルチューブ内側に吊るします。この方法を用いる場合、まずは石油エーテルを入れたチューブで練習し、どのくらい時間がかかるか確認してください。サンプルをフード内に放置して乾燥させることはおすすめしません。サンプルが酸化し、わずかに残った溶剤が EIA に影響を及ぼす可能性があるためです。

■ Progesterone ELISA kit » 商品詳細はこちら

【3-53】 プロゲステロン ELISA キットはどの動物種由来サンプルにも使えますか。

プロゲステロンは全動物種で保存されており、本キットで使用する抗体は動物種に関わらずプロゲステロンに結合します。したがって、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。ただし、もしマウス由来のサンプルで IgG を含む場合 (血清や血漿サンプルのように)、注意が必要です。ご提供するプレートはマウス IgG 捕捉抗体でコートしていますので、サンプルに内在性マウス IgG が含まれる場合は干渉することが考えられます。

【3-54】 プロトコールに自分が対象とするサンプルタイプが記載されていませんでした。どうしたら使えますか。

Enzo Life Sciences社ウェブサイトの 「Application」 およびキットのプロトコールに、本品を用いて良好に試験が行えたサンプルタイプをリスト化しています。サンプル内に十分量の分析物が存在し、マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後もその濃度が検量線範囲内であれば、リスト以外のサンプルタイプでもアッセイできるはずです。もし Enzo Life Sciences社で検証していないサンプルタイプをご使用になる場合は、既報論文に詳細が記載されていないかご確認ください。

【3-55】 自分で使用するサンプルタイプの最適な希釈率を教えて下さい。

マニュアルの "Sample recoveries" セクションに推奨希釈率を記載しています。この値は、Enzo Life Sciences社にてマトリックス干渉を除くために必要だと決定した希釈率です。ただし、お客様ご自身で、対象サンプルにおける最適希釈率を決定されることをおすすめします。そのため、Enzo Life Sciences社の推奨希釈率は"出発点"としてご理解ください。

【3-56】 最少サンプル量を教えてください。

アッセイにはウェルごとに 100 µL の希釈サンプルが必要です。そのためサンプル希釈率やサンプル数によってご判断ください。サンプルは 2 ウェルを用いて (duplicate) 試験します。

【3-57】 キットマニュアルの "Sample Handling" で、"サンプルによっては分析物の存在レベルが非常に低く、正確に測定するためには抽出が必要となる場合があります"とあります。どの濃度範囲のことを示しているのでしょうか。

サンプル中の分析物濃度がアッセイの検出限界未満である場合にのみ抽出が必要です。マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後でもサンプルから分析物が検出できるのであれば、抽出は必要ありません。試験の結果、ステロイドが読み取り不可であった場合、抽出が必要です。

【3-58】 Steroid displacement reagent (SDR) のメカニズムを教えて下さい。

血液中のほとんどのステロイドはアルブミンや、より特異的な結合タンパク質などの担体タンパク質にイオン結合しています。サンプルを Steroid Displacement Reagent で処理することで、ステロイドと担体タンパク質間の電荷相互作用を破壊します。これによりサンプル中に存在するステロイド全量を測定することができます。

【3-59】 自分のサンプルにSteroid displacement reagent (SDR) を加えるべきか教えてください。

ステロイドと結合するタンパク質がサンプル内に存在する場合、アッセイ実行前にサンプルに試薬を入れる必要があります。抽出済みのサンプルにはSDRを添加する必要はありません。

【3-60】 Progesterone ELISA kit を使用する場合、どのようにサンプルを Steroid displacement reagent (SDR) 処理すればよいですか。

以下に従い、Steroid Displacement Reagent でサンプルを処理してください。
・99 µL のサンプルごとに 1 µL の SDR を添加する。
・ボルテックスに短時間掛け、室温で 5 分静置する。
・その後、サンプル希釈を行う。
抽出サンプルの場合は、SDR処理の必要はありません。

【3-61】 この ELISA キットでは、なぜサンプル希釈が必要なのですか。

希釈することにはいくつかの理由があります。サンプルが検量線を超える場合、本アッセイの検量線内で測定できるように希釈が必要となる場合があります。また、サンプルによってはマトリックス干渉を防ぐために希釈が必要な場合があります。

【3-62】 サンプルマトリックス干渉はどうすれば防ぐことができますか。

サンプルマトリックス干渉を防ぐ最も簡単な方法は、アッセイバッファーでサンプルを希釈することです。最低必要希釈率を決定するには、1 つのサンプルを 2 分割します。1つには既知量の標準物質を加えます。2 分割とも、アッセイバッファーを用いて段階希釈系列をとります (1 : 2、1 : 4、1 : 8、1 : 16など)。その後、これらのサンプル全てを本品で分析し、各希釈サンプルに対して濃度と回収率を決定します。回収率が添加分析物の量に対して 80 % 〜 120 % になった段階が最低必要希釈率です。 もし、サンプルを希釈後、分析物濃度が本アッセイでの分析範囲内に入るような場合は、その希釈率が最良です。もし、そうならなかった場合は、マニュアルに沿って抽出作業が必要になります。

【3-63】 自分のサンプルにマトリックス干渉の可能性があるかを確認する方法を教えて下さい。

マトリックス干渉とは、サンプルマトリックス(バッファー、pH、界面活性剤や溶剤などの添加物、タンパク質など)がアッセイを妨害し、不正確な結果を導くことを示します。このような干渉は誤った分析結果として現れます。マトリックス干渉を試験する方法として、添加回収率の確認があります。代表とするサンプル ( 1 つか 2 つ) を 2 分割します。1 つには既知量の分析物 (標準物質) を添加します。このサンプルは"添加サンプル (spiked sample)"と呼びます。同時に、添加サンプルと添加していないサンプルをアッセイします。添加物の回収率は、内在性寄与物 (添加していないサンプルにおける測定濃度) を添加サンプルの全分析物濃度から減算し、添加サンプルに添加した標準物質濃度で割った後 100 倍します。許容できる回収率は添加サンプルの 80 % から 120 % です。

【3-64】 希釈率で結果を掛け算すべきでしょうか。

はい。算出したデータに希釈率を掛け合わせ、サンプル中に存在する生物マーカー存在量の正しい値を算出します。

【3-65】 他のステロイドとの交差反応は確認してありますか。

はい。関連するステロイド化合物に関する交差性を評価し、キットマニュアルに記載しています。

【3-66】 ステロイドが対象の ELISA キット用陽性コントロールは販売していますか。

陽性コントロールの提供はしていません。もし特定サンプルタイプから分析物を正確に回収できているかを確認する場合、既知量の標準物質をサンプルに添加し、キットを使ってアッセイを行い、回収率を評価して下さい。

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【3-67】 Serotonin ELISA キット (品番:ADI-900-175) はどの動物種に対しても使えますか。

セロトニンは全動物種で保存されており、本キットで使用する抗体は動物種に関わらずセロトニンに結合します。したがって、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。ただし、もしウサギ由来のサンプルで IgG を含む場合は注意が必要です。ご提供するプレートはウサギ IgG 捕捉抗体でコートしていますので、サンプルに内在性ウサギIgG が含まれる場合は干渉することが考えられます。

【3-68】 ADI-900-175 にはどのような血漿サンプルを推奨されますか。

本キットはクエン酸血漿サンプルを用いて検証しています。EDTA 血漿も最終 EDTA 濃度が10 mM を超えなければ使用できると思われます、これを超える場合、コンジュゲートの活性に影響を及ぼす可能性があります。ヘパリン化血漿サンプルはおすすめしません。

【3-69】 再懸濁した標準物質、抗体、およびコンジュゲートの保存方法を教えて下さい。

標準物質、抗体、およびコンジュゲートは 1 回の使いきりで、-20℃ で保存して下さい。余りは破棄してください。キットに添付している2本目のバイアルは他のアッセイ時にご利用ください。

【3-70】 Serotonin ELISAキット (品番:ADI-900-175) の陽性コントロールは販売していますか。または何が適当でしょうか。

Enzo Life Sciences社では陽性コントロールのご提供はしていません。もし特定サンプルタイプにおいてセロトニンが正確に回収できていることを確認する場合、既知量の標準物質をサンプルに添加し、キットを使ってアッセイを行い、回復率を評価して下さい。

■ Testosterone ELISA kit » 商品詳細はこちら

【3-71】 テストステロン ELISA キットはどの動物種にも使えますか。

テストステロンは全動物種で保存されており、本キットで使用する抗体は動物種に関わらずテストステロンに結合します。したがって、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。ただし、もしマウス由来のサンプルで IgG を含む場合 (血清や血漿サンプルのように)、注意が必要です。ご提供するプレートはマウス IgG 捕捉抗体でコートしていますので、サンプルに内在性マウス IgG が含まれる場合は干渉することが考えられます。

【3-72】 プロトコールに自分が対象とするサンプルタイプが記載されていませんでした。どうしたら使えますか。

Enzo Life Sciences社ウェブサイトの 「Application」 およびキットのプロトコールに、本品を用いて良好に試験が行えたサンプルタイプをリスト化しています。サンプル内に十分量の分析物が存在し、マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後もその濃度が検量線範囲内であれば、リスト以外のサンプルタイプでもアッセイできるはずです。もし Enzo Life Sciences社で検証していないサンプルタイプをご使用になる場合は、既報論文に詳細が記載されていないかご確認ください。

【3-73】 ヒト血漿や血清サンプルを使えますか。

Enzo Life Sciences社のウェブサイトの 「Application」 およびキットのマニュアルに、本品を使って検証済みのサンプルタイプをリスト化しています。ヒト血清や血漿サンプルには、ADI-900-176 (Testosterone hight sensitivity ELISA kit) のご使用をおすすめします。

【3-74】 自分で使用するサンプルタイプの最適な希釈率を教えて下さい。

マニュアルの "Sample recoveries" セクションに推奨希釈率を記載しています。この値は、 Enzo Life Sciences社にてマトリックス干渉を除くために必要だと決定した希釈率です。ただし、お客様ご自身で、対象サンプルにおける最適希釈率を決定されることをおすすめします。そのため、Enzo Life Sciences社の推奨希釈率は"出発点"としてご理解ください。

【3-75】 最少サンプル量を教えてください。

アッセイにはウェルごとに 100 µL の希釈サンプルが必要です。そのためサンプル希釈率やサンプル数によってご判断ください。サンプルは 2 ウェルを用いて (duplicate) 試験します。

【3-76】 キットマニュアルの "Sample Handling" で、"サンプルによっては分析物の存在レベルが非常に低く、正確に測定するためには抽出が必要となる場合があります"とあります。どの濃度範囲のことを示しているのでしょうか。

サンプル中の分析物濃度がアッセイの検出限界未満である場合にのみ抽出が必要です。マトリックス干渉を除去するために十分な希釈を行った後でもサンプルから分析物が検出できるのであれば、抽出は必要ありません。もし試験の結果、ステロイドが読み取り不可であった場合、抽出が必要です。

【3-77】 Steroid displacement reagent (SDR) のメカニズムを教えて下さい。

血液中のほとんどのステロイドはアルブミンや、より特異的な結合タンパク質などの担体タンパク質にイオン結合しています。サンプルを Steroid Displacement Reagent で処理することで、ステロイドと担体タンパク質間の電荷相互作用を破壊します。これによりサンプル中に存在するステロイド全量を測定することができます。

【3-78】 自分のサンプルにSteroid displacement reagent (SDR) を加えるべきか教えてください。

ステロイドと結合するタンパク質がサンプル内に存在する場合、アッセイ実行前にサンプルに試薬を入れる必要があります。抽出済みのサンプルにはSDRを添加する必要はありません。

【3-79】 Testosterone ELISA kitを使用する場合、どのようにサンプルをSteroid displacement reagent (SDR) 処理すればよいですか。

以下に従い、Steroid Displacement Reagent でサンプルを処理してください。
・99 µL のサンプルごとに 1 µL の SDR を添加する。
・ボルテックスに短時間掛け、室温で5分静置する。
・その後、サンプル希釈を行う。
抽出サンプルの場合は、SDR処理の必要はありません。

【3-80】 この ELISA キットでは、なぜサンプル希釈が必要なのですか。

希釈することにはいくつかの理由があります。サンプルが検量線を超える場合、本アッセイの検量線内で測定できるように希釈が必要となる場合があります。また、サンプルによってはマトリックス干渉を防ぐために希釈が必要な場合があります。

【3-81】 サンプルマトリックス干渉はどうすれば防ぐことができますか。

サンプルマトリックス干渉を防ぐ最も簡単な方法は、アッセイバッファーでサンプルを希釈することです。最低必要希釈率を決定するには、1 つのサンプルを 2 分割します。1つには既知量の標準物質を加えます。2 分割とも、アッセイバッファーを用いて段階希釈系列をとります (1 : 2、1 : 4、1 : 8、1 : 16など)。その後、これらのサンプル全てを本品で分析し、各希釈サンプルに対して濃度と回収率を決定します。回収率が添加分析物の量に対して 80 % 〜 120 % になった段階が最低必要希釈率です。もし、サンプルを希釈後、分析物濃度が本アッセイでの分析範囲内に入るような場合は、その希釈率が最良です。もし、そうならなかった場合は、マニュアルに沿って抽出作業が必要になります。

【3-82】 自分のサンプルにマトリックス干渉の可能性があるかを確認する方法を教えて下さい。

マトリックス干渉とは、サンプルマトリックス(バッファー、pH、界面活性剤や溶剤などの添加物、タンパク質など)がアッセイを妨害し、不正確な結果を導くことを示します。このような干渉は誤った分析結果として現れます。マトリックス干渉を試験する方法として、添加回収率の確認があります。代表とするサンプル (1つか2つ) を 2 分割します。1つには既知量の分析物 (標準物質) を添加します。このサンプルは"添加サンプル (spiked sample)"と呼びます。同時に、添加サンプルと添加していないサンプルをアッセイします。添加物の回収率は、内在性寄与物 (添加していないサンプルにおける測定濃度) を添加サンプルの全分析物濃度から減算し、添加サンプルに添加した標準物質濃度で割った後 100 倍します。許容できる回収率は添加サンプルの 80 % から 120 % です。

【3-83】 希釈率で結果を掛け算すべきでしょうか。

はい。算出したデータに希釈率を掛け合わせ、サンプル中に存在する生物マーカー存在量の正しい値を算出します。

【3-84】 他のステロイドとの交差反応は確認してありますか。

はい。関連するステロイド化合物に関する交差性を評価し、キットマニュアルに記載しています。

【3-85】 ステロイドが対象のELISAキット用陽性コントロールは販売していますか。

陽性コントロールの提供はしていません。もし特定サンプルタイプから分析物を正確に回収できているかを確認する場合、既知量の標準物質をサンプルに添加し、キットを使ってアッセイを行い、回収率を評価して下さい。

■ Arg8-Vasopressin ELISA kit » 商品詳細はこちら

【3-86】 Vasopressin ELISA kit は動物種非依存性でしょうか。

バソプレシン分子配列は哺乳動物種間で保存されており、本製品は基本的に 「動物種非依存性」 です。使用文献に掲載されている動物種として、ヒト、マウス、ラットがあります。ウサギ血清を用いる場合は問題となる場合があります。これはバソプレシン自身の問題ではなく、本キットで使用している抗体が抗ウサギ IgG であるため、バックグラウンドシグナルが高くなる可能性があります。

【3-87】 ウサギ血清を使用しています。このキットを使ってサンプル中のバソプレシンを検出できますか。

本キットでは抗ウサギ IgG を使用するため、ウサギサンプルは問題になる可能性があります。アッセイを行う前に、内在性ウサギ IgG を MWCO フィルターで除去するか、IgG removal kitで除去すれば、本品を使用できる可能性があります。ただし、Enzo Life Sciences社ではこの点を検討しておらず、お客様ご自身で最適化していただく必要があります。

【3-88】 バソプレシンキットは培養上清以外のサンプルタイプに使えますか。

使用文献から血漿や尿も使えます。一般に、マトリックス干渉を防ぐためにサンプルを希釈しても、十分量の分析物が存在しその濃度が検量線の範囲内であるならば、アッセイは可能です。

【3-89】 バソプレシン ELISA キットは唾液サンプルにも使えますか。

Enzo Life Science社では唾液サンプルでの試験は行っていません。しかし、唾液サンプルを使用した研究者がプロトコールを共有しています。本プロトコールはお客様のサンプルタイプによってはさらに最適化が必要であることをご留意下さい。
1. 少なくとも 1 mL の唾液を回収する。サンプルは使用するまで -20℃ で保存する。
2. 遠心して粒子を沈殿させ、粘膜をチューブの底に落とす。
3. 上清を回収し、1 mL ずつ分注する。
4. 遠心蒸発器 (SppedVac など) で1 mL を蒸発させて乾燥させる。
5. 乾燥サンプルを 250 µL アッセイバッファーで再懸濁する。
これらのサンプルは4倍濃縮されており、干渉因子を含まないようになっているはずです。

【3-90】 バソプレシン抽出は必要ですか。

Enzo Life Sciences社の Vasopressin ELISAキット には、どのサンプルタイプであっても正確な判定にバソプレシン抽出は必要ありません。

【3-91】 血清や血漿サンプル中のバソプレシン抽出プロトコールの代替法はありますか。

以下が水溶性サンプルからのバソプレシン抽出の代替法です。固相抽出ステップがあります。
1. サンプルに等量の 0.1 % トリフルオロ酢酸水溶液 (TFA-H2O) を添加する。17,000 x g で 15 分間、4 ℃ で遠心する。上清を回収する。
2. 200 mg C18 Sep-Pak カラムを 1 mL のアセトニトリルで平衡化し、さらに10〜25 mL の 0.1 % TFA-H2O で平衡化する。
3. 上清を Sep-Pak カラムに通し、10〜25 mL の0.1% TFA-H2O で洗浄する。洗浄した液は廃棄する。
4. 3 mL の溶出溶液 (アセトニトリルが 60 %、0.1% TFA-H2O が 40 %) をゆっくり注ぎ、サンプルを溶出し、プラスチックチューブに回収する。
5. 吸引遠心蒸発器で乾燥させる。低温での乾燥を推奨。-20 ℃ で保存。
6. アッセイバッファーに再懸濁し、すぐに測定する。サンプルによっては、再懸濁後、不溶性物質がみられることもあるのでサンプルをプレートに加える際、不溶性物質は入れないよう注意する。
抽出作業からのペプチド回収率は様々です。高い回収率を得られるよう作業の最適化が重要です。抽出効率がわかる方法は、放射性ペプチドの利用や添加回収試験などいくつかあります。

【3-92】 オキシトシンと Arg8-バソプレシンELISAキットで分析する場合のサンプルの乾燥方法を教えて下さい。

サンプルは、吸引遠心器 (SpeedVac など) や窒素やアルゴンの緩やかな気流で乾燥させます。サンプル数が多い場合、吸引遠心器の方がよいかもしれません。サンプルを室温で一晩、SpeedVac に入れて放置します。翌日には乾燥しており、吸引中は環境下に晒されていないため、サンプルの完全性は損なわれていないはずです。 緩やかな窒素の気流を使って乾燥させる場合、ガス供給の先端にガラスピペットを装着し、ピペットをサンプルチューブ内側に吊るします。この方法を用いる場合、まずは石油エーテルを入れたチューブで練習し、どのくらい時間がかかるか確認してください。サンプルをフード内に放置して乾燥させることはおすすめしません。サンプルが酸化し、わずかに残った溶剤が EIA に影響を及ぼす可能性があるためです。

4. エイコサノイド

■ Urinary prostacyclin ELISA kit » 商品詳細はこちら

【4-01】 プロスタサイクリンの測定に 6-keto-PGF1α ELISA キットが使用できるのであれば、Urinary prostacyclin ELISA キットの目的は何ですか。

尿中では、プロスタサイクリンは 6-keto-PGF1α に分解され、これがさらに分解されて 2, 3-dinor-6-keto-PGF1α となります。したがって、尿中の真のプロスタサイクリン量を概算するには、6-keto-PGF1α と 2, 3-dinor-6-keto-PGF1α の両方を測定する必要があります。Urinary Prostacyclin ELISA キットでは、この両方を測定することができます。プロスタサイクリンの分解は別のマトリックスでは同じではありません。

5. 代謝

■ NGAL ELISA kit » 商品詳細はこちら

【5-01】 通常の ELISA と rapid ELISA キットの違いは何ですか。

通常の human NGAL ELISA kits (品番:BPD-KIT-036) は感度が高く(10-1000 pg/mL)、サンプル希釈率を上げる必要があります。また、プロトコールの処理時間が長く (〜4 時間)、40 サンプルまで処理ができます。これに対し、rapid human NGAL ELISA kits (品番:BPD-KIT-037) は感度が劣り (0.2-20 ng/mL)、希釈率は低くなります。ただし、プロトコールの処理時間が短く(<1時間)、41 サンプルまで処理が可能です。

【5-02】 ヒト以外にも使えますか。

本キットはヒトサンプルのみに対して開発され、検証されています。Enzo Life Sciences社では他に動物種に特化した NGAL ELISA キットを提供しています。これらはマウス、ラット、サル、ブタ、およびネコのサンプルに対して検証されています。

【5-03】 血漿サンプルはどのように調製すればよいですか。

市販の抗凝固剤処理チューブ (EDTA 処理 (ラベンダートップ) やクエン酸処理 (薄青色トップ) など) に全血を回収します。ヘパリン処理したチューブ (緑色トップ) はいくつかのアプリケーションで使用が推奨されていますが、ヘパリンはしばしばエンドトキシン汚染されており、白血球を刺激してサイトカインが放出されることがあります。冷却遠心器で 1000-2000 x g、10 分間遠心し、血漿から細胞を除去します (遠心ブレーキは使用しないこと)。2000 x gで15 分間遠心することで血漿サンプルから血小板を分離できます。得られた上清が血漿です。遠心後、直ちに液相 (血漿) を新しいポリプロピレンチューブにパスツールピペットで移しとります。サンプルは操作中 2 - 8 ℃ に置いてください。もしすぐに血漿を使用しない場合は、0.5 mL ずつに分注し、-20 ℃ 以下で保存します。凍結解凍サイクルを繰返さないことが重要です。溶血、黄疸性、脂肪血症のサンプルはいくつかのテストには使えません。

【5-04】 血清サンプルはどのように調製すればよいですか。

市販の採血チューブに全血を回収します。チューブはBecton Dickinson (BD) 社で「Vacutainer」 という商品名で販売されています。全血回収後、室温で 4 時間、もしくは 4 ℃ で 24 時間静置します。冷却遠心器で 1000-2000 x g、10 分間遠心し、クロットを除去します (遠心ブレーキは使用しないこと)。得られた上清が血清です。遠心後、直ちに液相 (血清) を新しいポリプロピレンチューブにパスツールピペットで移しとります。サンプルは操作中 2 - 8 ℃に置いてください。もしすぐに血清を使用しない場合は、0.5 mLずつに分注し、-20 ℃ 以下で保存します。凍結解凍サイクルを繰返さないことが重要です。溶血、黄疸性、脂肪血症のサンプルはいくつかのテストには使えません。

【5-05】 尿サンプルの調製方法を教えて下さい。

もし尿路に炎症や感染がある場合は、多形核好中球や他の細胞デブリを除去するために遠心が必要になります。しかし正常な尿サンプルも血清サンプルと同様に、遠心し、取り扱うことをおすすめします。

【5-06】 サンプルタイプによってアッセイ結果は変わりますか。

血清、EDTA 血漿、クエン酸血漿、ヘパリン血漿、または尿のサンプルを使って分析する場合、添加回収回復、直線性、精度に顕著な相違は見られませんでした。ただし、NGAL濃度は、しばしば血漿に比べて血清中で高く、おそらく血液凝固における好中球の放出によるものだと思われます。

【5-07】 調製したサンプルの保存方法を教えて下さい。

すぐにアッセイを行う場合は、サンプルを分注後、2〜8℃で保存してください。または、-20 ℃ で 2ヶ月以内、長期保存する場合は、-80 ℃以下で保存してください。

6. 酸化ストレス

■ HO-1, ELISA kit » 商品詳細はこちら

【6-01】 ヒト血漿と血清は使えますか。

本キットは細胞ライセートと組織抽出物の細胞内 HO-1 の測定を検証しています。プロトコールではこれらのサンプルタイプのみについて提言しています。HO-1 の血中レベルは通常低いと考えられていますが、本キットを利用してヒト血清や血漿の HO-1 検出を行っている研究者もいます。Enzo Life Sciences社ウェブサイトの商品ページ下部にある 「Product Literature References」 より使用文献をご確認ください。血漿や血清に本キットをご利用になる場合、添加回収試験を行い、サンプルのパラメータを最適化することを強くおすすめします。この実験を行う場合、1〜2種類の代表的なサンプルを、2群に分け、一方には既知濃度のHO-1スタンダード (キット添付) を添加し、もう一方には添加せず、両方に対して段階希釈系列をとります。これにより内在性と添加したものを比較して最適化することができます。添加回収試験では、どの希釈率で最適な直線性が得られるかわかるだけでなく、各希釈率における回収率が算出でき、どの希釈率で最も精度の高いデータが得られるかを確認できます。サンプル中に十分な HO-1 が存在し、マトリックス干渉が除去可能な十分な希釈を行った後もデータの読み取りが可能な場合は、信頼して本キットを使用できます。

【6-02】 細胞ライセートをすぐに使わない場合、どのように取り扱い、保存すればよいですか。

HO-1 分解を防ぐために、マニュアルに記載しているように、溶解バッファーにプロテアーゼインヒビターを添加してください。もしすぐに解析できない場合は、-80℃ で保存して下さい。凍結融解を防ぐため、サンプルを分注しておくことを強くおすすめします。

【6-03】 TMB 基質溶液は透明だと思っていましたが、緑青色がかっていました。なぜ色が変わったのでしょうか。

TMB 基質に色がついたのはコンジュゲートによる汚染です。汚染を防ぐには、使い捨てピペットチップを各試薬の添加ごとに交換し、試薬を小分けしておくことが大切です。使い残りの溶液は、元の容器に決して戻さないで下さい。残りの試薬も汚染してしまう可能性があります。

【6-04】 HO-2 や HO-3 と交差反応しますか。

本アッセイはヒト HO-1 に特異的であり、他のアイソトープであるヒト HO-2 や HO-3 とは交差性を示しません。

【6-05】 本キットに含まれるの組換え型 HO-1 スタンダードの詳細を教えて下さい。

本スタンダードは E.coli で発現させた組換え型ヒト HO-1 (UniProt ID: P09601) です。

7. プロテオスタシス/シャペロン

■ HPS70 ELISA キット » 商品詳細はこちら

【7-01】 恒常的細胞質型 HSP70 を ADI-EKS-700B または ADI-EKS-715 で検出できますか。

これらのアッセイは誘導型 HSP70 に特異的であり、恒常的細胞質型 HSP70 は検出しませんので実験計画を立てる際にご留意ください。アッセイで使用するサンプルの最適希釈と同じように、サンプル回収までのストレス処理持続時間と回復時間を最適化する必要があります。

【7-02】 ADI-EKS-700B, ADI-EKS-715, ADI-EKS-725A, ADI-EKS-750 を使用する場合、使用するサンプル量と推奨希釈率を教えて下さい。

必要サンプル量と希釈率はサンプル中の HSP70、HSP70B 量、または HSP70 に対する IgG 量によって異なります。同じサンプルタイプ、条件、アッセイ技術等で同一マーカーを使用している研究報告などを参考にすることをおすすめします。

8. その他 ELISA キット

E. coli Host Cell Protein ELISA Kit » 商品詳細はこちら

【8-01】 E.coli 宿主細胞タンパク質スタンダードはどのようにして産生されたものですか。

企業で使用されていて、生物製剤の製造に使用されているほとんどの E.coli 株はK12株由来です。E.coli 宿主細胞タンパク質 ELISA は 2 種の E.coli K12 株から抽出した水溶性タンパク質を使って製造しています。Enzo Life Sicences社で作製した 2種の抗体を用いた交差性カバー試験では、80 % 以上のカバー率でした。言い換えると、株1 の抗体で株2 の宿主細胞タンパク質の 80 % が検出でき、その逆も同様でした。E.coli 宿主細胞タンパク質の免疫原性が高いことから、E.coli HCP ELISA がほとんどの E.coli 株を網羅できると見込んでいます。

【8-02】 E.coli や CHO 宿主細胞タンパク質に対するポリクローナル抗体は精製されていますか。またその精製方法を教えて下さい。

これらの抗体は GE Healthcare社のMabSelect™(Protein A affinity column) を用いて精製しています。

【8-03】 E.coli 宿主細胞由来タンパク質(HCP)ELISA キット (品番:ENZ-KIT-127-0001) と CHO 宿主細胞由来タンパク質(HCP)ELISA キット (品番:ENZ-KIT-128-0001) に含まれる抗体は、なぜ HCP アフィニティカラムではなくプロテイン A アフィニティカラムを使用しているのですか。

一番の理由は、商品の一貫性のためです。プロテインAアフィニティカラムの歴史は古く、非常によく開発されたカラムで、信頼性も十分あり、多くの巨大バイオ技術企業や製薬会社に抗体精製用として使用されています。一方で、HCP アフィニティカラムは何度かカスタム構築され、あまり強靭なものではありません。時間が経つと、HCP アフィニティカラムは変質し、抗体の品質が悪くなります。HCP アフィニティカラムよりプロテイン A アフィニティカラムを選ぶことは、感度を犠牲にすることになります。しかし、FDA では HCP レベル 1〜100 ppm の生物製剤であれば容認できるとしています。キットの感度限度は 2.5 ppm (検量線の 10 ng/mL データポイントをもとに、4 mg/mL の薬物基質を添加した場合) です。この値は HCP 分析に対する規制上の要求事項を満たしています。

■ CHO host cell protein ELISA kit » 商品詳細はこちら

【8-04】 CHO 宿主細胞タンパク質スタンダードはどのように産生されたものですか。

CHO宿主細胞タンパク質スタンダードは複数の CHO K1 細胞株を既知組成培地で浮遊培養し、調製しています。細胞培養条件は、実際の条件を模倣しています。馴化培地から宿主細胞タンパク質を回収し、濃縮後、スタンダードとして使用し、また抗 CHO 宿主細胞タンパク質抗体産生における免疫原として使用しています。

【8-05】 E.coli や CHO 宿主細胞タンパク質に対するポリクローナル抗体は精製されていますか。またその精製方法を教えて下さい。

これらの抗体は GE Healthcare社のMabSelect™(Protein A affinity column) を用いて精製しています。

【8-06】 E.coli 宿主細胞由来タンパク質(HCP)ELISA キット (品番:ENZ-KIT-127-0001) と CHO 宿主細胞由来タンパク質(HCP)ELISA キット (品番:ENZ-KIT-128-0001) に含まれる抗体は、なぜ HCP アフィニティカラムではなくプロテインAアフィニティカラムを使用しているのですか。

一番の理由は、商品の一貫性のためです。プロテインAアフィニティカラムの歴史は古く、非常によく開発されたカラムで、信頼性も十分あり、多くの巨大バイオ技術企業や製薬会社に抗体精製用として使用されています。一方で、HCP アフィニティカラムは何度かカスタム構築され、あまり強靭なものではありません。時間が経つと、HCP アフィニティカラムは変質し、抗体の品質が悪くなります。HCP アフィニティカラムよりプロテイン A アフィニティカラムを選ぶことは、感度を犠牲にすることになります。しかし、FDA では HCP レベル 1〜100 ppm の生物製剤であれば容認できるとしています。キットの感度限度は 2.5 ppm (検量線の 10 ng/mL データポイントをもとに、4 mg/mL の薬物基質を添加した場合) です。この値は HCP 分析に対する規制上の要求事項を満たしています。


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