本製品は、ヒト血漿や細胞溶解物におけるヒト組織因子凝血促進活性の測定を目的とした発色性アッセイです。
背景
組織因子(TF)は45 kDaの膜貫通型細胞表面糖タンパク質であり、凝固反応を開始する役割で知られています。TFは、細胞外ドメイン(aa 1-219)、次に親水性の貫通ドメイン(aa 220-242)、および細胞質側末端(aa 243-263)の3つのドメインから構成されており、第VII因子(FVII)と第VIIa因子(FVIIa)の受容体と補助因子として機能します。TFは血管内皮の破壊の後、血流に放出されます。TFと血液との接触で凝固の外因性経路が開始されます。
In vitro研究より、一旦TFがFVIIと複合体を形成すると、FVIIは第Xa因子(FXa)により効率よく活性化されます。第VIIa因子はそれ自身ではタンパク質分解活性をほとんど持たず、TFと結合した時のみ第IX因子や第X因子を活性化するのに十分なタンパク質分解活性を持ちます。TF/FVIIa複合体は第IX因子と第X因子を効率よく活性化し、内因性と外因性の両方の凝固経路に対して作用します。外因性経路は組織因子経路阻害剤(TFPI)により急速に弱められます。TFPIはTF/FVIIa複合体に対して唯一効果的な阻害剤です。
特長
サンプル | クエン酸にて採取した血漿、細胞溶解物 |
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サンプル調製 | 希釈なし |
サンプル容量 | 25 µL |
アッセイ時間 | 1時間 |
標準範囲 | 0 - 30 pM |
検出限界 | 〜2 pM |
精度 | N.D. |
試験数 | 100 |
構成内容
- 2バイアル:ヒト第VIIa因子(凍結乾燥)
- 2バイアル:ヒト第X因子(凍結乾燥)
- 2バイアル:SPECTROZYME® FXa、5 µmoles(凍結乾燥)
- 1バイアル:再脂質化ヒト組織因子、500 pM(凍結乾燥)
- 2バイアル:TF/TFPI枯渇血漿、0.5 mL(凍結乾燥)
- 1バイアル:アッセイバッファー(10x濃縮)、5 mL
原理
プロトコール概要
- アッセイバッファーの添加
- スタンダード/サンプルの添加
- ヒト Factor VIIa の添加
- ヒトFactor Xの添加
- 37°Cで15分間インキュベート
- SPECTROZYME FXa 基質の添加
- 37°Cで30分間インキュベート
(SPECTROZYME FXaを添加すると酵素/基質反応が始まり、時間の経過とともに溶液が黄色に変わります。) - 氷酢酸の添加(反応を停止するため)
- 吸光度の測定(測定波長:405 nm)
*血漿サンプルについては、405 nmと490 nmでの溶液の吸光度を読み取り、サンプルのΔA405-490を使用して、組織因子濃度を補間します。
製品データ
ヒト組織因子活性測定キット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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TF Chromogenic Activity Kit (ACTICHROME TF) | BDX | 846 | 1 KIT [100 tests] |
¥241,000 |
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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