ヒドロキシプロリン測定とその意義とは?
ヒドロキシプロリン(hydroxyproline)は、プロリルヒドロキシラーゼによるプロリンの翻訳後修飾を介して不可逆的に合成されるアミノ酸の一種です。
ヒドロキシプロリンは、主にコラーゲン内にみられ、Gly-X-Y の繰り返し配列を有するコラーゲンの「Y」の位置に存在します。ヒドロキシプロリンは、コラーゲンらせん構造内にシャープなねじれを形成し、コラーゲンの安定化に寄与します。コラーゲンに加えて、プロリンのヒドロキシル化は、転写因子HIF-1(低酸素誘導因子)でも観察されます。通常の酸素条件下では、タンパク質EGLN1がHIF-1αの564番目のプロリン残基を水酸化修飾します。水酸化修飾されると、von Hippel-Lindau tumor suppressor(pVHL)によるユビキチン化を受け、HIF-1はプロテアソーム分解のために標的化されます。
ヒドロキシプロリンは、コラーゲン以外のタンパク質ではほとんど見出されないため、ヒドロキシプロリンの測定は、コラーゲンまたはゼラチン量を定量するためのマーカーとして使用されています。
また、ヒドロキシプロリンの測定は、コラーゲンの破壊を伴う特定の疾患を同定するために使用されてきました。例えば、コラーゲン量の増加は、骨ページェット病(Paget’s Bone Disease)の血清中で測定されます。また、ヒドロキシプロリン量の増加は、前立腺癌の骨転移、肝線維症、ならびにメラミンおよびシアヌル酸誘発性の腎毒性と相関しています。