インフリキシマブとは?
Infliximab(商標名Remicade)は、腫瘍壊死因子α(TNF-α)に対して作用するマウス-ヒトキメラモノクローナル抗体です。リウマチ性疾患、自己免疫疾患の治療に使用されています。Infliximabは、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、および関節リウマチ治療用として米国食品医薬品局(FDA)に認可されました。臨床治験においてInfliximab治療を行った治験対象者のおよそ半分が治験中に陽性抗核抗体を産生しました。
Cosmo Bio would like to acknowledge and thank Alpha Diagnostic International Inc for providing infliximab information presented here.
TNF阻害
腫瘍壊死因子(TNF, TNF-α)は、全身性炎症に関与するサイトカインです。TNFは広範な種類の細胞種において産生されます。皮膚では、肥満細胞が予め形成されたTNFの主な供給源であり、炎症性刺激(LPSなど)により放出されます。TNF-αは212アミノ酸残基からなるII型膜貫通タンパク質であり、安定なホモ三量体(〜51 kDa)です。膜組込み型形態より、可溶性ホモ三量体のサイトカイン(sTNF)が金属プロテアーゼTNA-α変換酵素(TACE、ADAM17ともよばれる)によるタンパク質切断を経て放出されます。TNFは、TNF-R1(TNF受容体1型; CD120a; p55/60)とTNF-R2(TNF受容体2型; CD120b; p75/80)という2つの受容体に結合できます。TNF-R1はほとんどの組織で発現しており、TNFの膜結合型と可溶性三量体形態の両方により完全に活性化されます。これに対し、TNF-R2は免疫システムの細胞においてのみ存在し、TNFほも三量体の膜結合型に応答します。TNFの主な役割は免疫細胞の調節です。TNFは炎症応答を促進し、これにより、関節リウマチ、脊椎炎、クローン病、乾癬、化膿性汗腺炎、および難治性喘息といった自己免疫疾患に関連します。これらの疾患は、インフリキシマブ(Infliximab, Remicade), アダリムマブ(Adalimumab, Humira) またはcertolizumab pegol (Cimzia)といった、モノクローナル抗体を用いたTNF阻害をによって治療を行うケースがあります。