ヒト制御性T細胞の研究に 誘導性Treg（Regulatory T Cell）

Treg（Regulatory T cell, 制御性T細胞）は、他のT細胞の活性化や増殖を抑制する機能を持つT細胞のサブセットの一つです。
Tregは末梢血から直接単離できますが、本Treg商品はin vitroでTGF-βやIL-2などを用いて誘導を行い作成しています。誘導性Tregのため、FOXP3は発現していません。このTregはReady-to-useの状態であるため、実験に必要なTregを準備するために末梢血からの単離や培養誘導の手間を省略することが可能です。

商品購入をご検討の皆様へ
製品のご使用について

本商品のTregは、解凍後すぐにin vitroのT細胞増殖実験に使用することができます。
48ウェルプレートの各ウェルに、2×10⁵個のCFSE染色したアロジェニックエフェクターPBMCを播種し、各細胞数のTregまたはBC3細胞（Myelin Basic Protein反応性T細胞ライン）の存在下で、1 µg/mLの抗CD3抗体で刺激して増殖実験を行いました。TregとBC3細胞は、解凍直後にこのアッセイを行っています。 培養4日後、各ウェルの細胞をそれぞれ回収してPE-Cy5標識抗CD8抗体で染色し、フローサイトメトリーでCD8+細胞の増殖能を解析しました。

細胞の解凍手順 ▼クリックで開く

1. 細胞のバイアルを37℃のウォーターバスに入れ、解凍されるまで撹拌する。この時、細胞を素早く解凍することが重要です。解凍した細胞を必要以上に長く凍結培地中に放置しないでください。
2. 解凍した細胞を血清含有培地9 mLにゆっくりと加える。チューブを2〜3回反転させて混ぜるか、ピペッティングを数回上下にして静かに混ぜる。
3. 200×gで10分間遠心する。
4. 上清を吸引またはデカンテーションし、細胞ペレットを10 mLの培地に静かに再懸濁する。
5. 細胞数測定用の少量を除去し、実験操作を行います。

注意) 細胞懸濁液は、室温で静置すると凝集塊を形成することがあります。 これは、細胞を迅速に調製して使用するか、または懸濁液にDNaseを最終濃度10Unit/mLで添加することで防ぐことができます。

※プロトコールは更新される場合がございますので、詳しくはメーカーHPをご参照ください。

Treg抑制アッセイ ▼クリックで開く

実験手順

1. PBMCを解凍し、細胞をCSFEでラベルをする。(CSFEラベルについてはこちらを参照)
2. Tregsを解凍し、培養液で細胞濃度を1 mLあたり1×10⁶に調整する。
3. Tregとエフェクター（標識PBMC）の比率の範囲を調べるため、培地でTregの2倍希釈液を用意する。
4. U底96ウェルプレートにTregsを1ウェルあたり100uLで播種する。
5. 標識後、PBMCを5×10⁶細胞/mLに調整し、96ウェルプレートのウェルあたり50µLを添加する。
6. 37℃、6％CO₂の条件で、4〜5日間インキュベートする。
7. 細胞を回収し、anti-CD8抗体で染色する。
8. CD8+細胞集団をフローサイトメーターで解析する。

Note

コントロールは、以下を推奨。

• anti CD3またはTregsなしのCSFEラベル済みのPBMC
• anti CD3とCSFEラベル済みのPBMC(Tregなし)

• anti CD3なしの PBMCは増殖しませんが、分裂していない細胞の蛍光を測定します。
• anti CD3を含むPBMCには、細胞分裂の蛍光強度の分離ピークがあります。Tregsを添加していないPBMCのプロットでは、これらのピークのうち5〜6個が容易に確認できます。より多くのTregsをPBMCと一緒に培養すると、ピークの数は減少し、より多くの細胞が未分裂となり最大の蛍光強度を維持します。
• マウスTregsには、PBMCではなく脾臓細胞を使用します。マウス脾臓に含まれるT細胞の割合は、PBMCに含まれるT細胞の割合よりも低くなります。 分析に十分なCD8+細胞を確保するために、ウェルあたりの脾臓細胞の数を500,000に増やしてください。Tregの数を増やす必要がある場合もございます。
• メーカーでは、ヒトT細胞の刺激にはクローンOKT3、マウスT細胞の刺激にはクローン145-2C11で試験済み。

※プロトコールは更新される場合がございますので、詳しくはメーカーHPをご参照ください。

メーカーWEBサイトにて、在庫ロットの情報をご確認いただけます。

• Charles River Laboratories Cell Solutions社 内在性Treg（制御性T細胞/ Regulatory T Cells）[HEM]

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