様々な疾病のリスクマーカー研究に！ アポリポタンパク質 ELISA キット

• ApoA1

ApoA1はHDLの主要な構造・機能タンパク質です。肝臓と小腸で産生されます。ApoA1はLCATを活性化して、コレステロールの逆輸送とHDLのアテローム防御機能に不可欠です。
ApoA1の低血漿レベルは循環器疾患のリスクに関連します。

分子量：28 kDa
リポタンパク質：HDL, カイロミクロン
血漿濃度：男性：0.8-1.8 g/L、女性：0.8-2.2 g/L

• ApoB-100

ApoB-100 は LDL の主要なタンパク質成分です。肝臓で産生されて LDL のリガンド-レセプター取り込みを仲介します。血 ApoB の約 98% は ApoB-100 のフォームです。
ApoB-100/ApoA1 の割合は心筋梗塞の予測因子となります。各 LDL 粒子は1つの ApoB-100 分子を運ぶため、ApoB-100 の血漿レベルは血漿中の LDL 粒子数を反映します。

分子量：512 kDa
リポタンパク質：LDL, VLDL
血漿濃度：0.4-1.3 g/L、男性＞女性

• ApoD

ApoD はリポカリンで脂質とステロイドホルモンに結合します。ApoD 遺伝子は脳、睾丸、副腎、腎臓、胎盤、脾臓、肺、膵臓などの多くの組織で発現しています。ApoD は脂質または脂質ホルモンのトランスポーターとしての役割と HDL と LDL 間の相互作用に関与していると推測されます。
ApoD 遺伝子多型は肥満、高インスリン血症、2型糖尿病に関与します。

分子量：29 kDa
リポタンパク質：HDL, LDL, VLDL
血漿濃度：0.05-0.15 g/L

• ApoE

ApoE は肝細胞、マクロファージ、内皮細胞などの多くの細胞で産生されます。多型で、ヘパリン結合糖タンパク質で脳において脂質の最初の輸送担体です。
ApoE は抗動脈硬化性と考えられ、循環器疾患や神経変性疾患に関与します。

分子量：34 kDa
リポタンパク質：カイロミクロン, VLDL, HDL
血漿濃度：0.02-0.08 g/L

• ApoH（β2-glycoprotein I）

ApoH は β2-glycoprotein I としても知られ、リン脂質、カルジオリピン、ヘパリンを含む数種類の分子と結合します。血漿中ではリポタンパク質と結合しますが、フリーフォームでも循環します。凝集作用を有するとみられ、リポタンパク質リパーゼを活性化する可能性があるかもしれませんが、その機能は十分に解明されていません。
ApoH は抗リン脂質症候群（APS）や全身性エリテマトーデス（SLE）のような自己免疫疾患に関与します。抗動脈硬化性作用を有するとも考えられています。

分子量：50 kDa
リポタンパク質：HDL, カイロミクロン, VLDL, LDL
血漿濃度：0.05-0.6 g/L

• ApoJ（Clusterin）

ApoJ は clusterin としても知られ、ほとんど全ての哺乳類細胞で発現し、血液、ミルク、尿、脳脊髄液、精液などのほとんどの体液に存在します。シャペロン能のある多機能タンパク質です。
ApoJ の血漿レベルの上昇は加齢、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、糖尿病、炎症、癌、アルツハイマー病に関与します。

分子量：70 kDa
リポタンパク質：HDL, VLDL, LDL
血漿濃度：0.035-0.3 g/L

• ApoM

ApoM は主に肝臓で産生されるリポカリンです。スフィンゴシン-1-リン酸（S1P）と結合し、ApoM を含む HDL は S1P の主要なトランスポーターです。ApoM-S1P は HDL のアテローム防御機能に関わる複数のシグナリングパスウェイに関与します。
ApoM はリポタンパク質代謝、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、腎疾患に関与します。

分子量：25 kDa
リポタンパク質：HDL, LDL, VLDL
血漿濃度：6-60 mg/L