記事ID ： 10638

多発性硬化症、関節リウマチ、紅斑性狼瘡などの自己免疫疾患研究用にシトルリン化フィブリノーゲン抗体

メーカー名：ImmunoPrecise Antibodies B.V. (Former ModiQuest Research B.V.)

シトルリン化フィブリノーゲン（Citrullinated Fibrinogen）を検出する抗体です。多発性硬化症、関節リウマチ、紅斑性狼瘡などの自己免疫疾患研究に有用です。

背景

関節リウマチとシトルリン化タンパク質について

フィブリノーゲンは、肝臓で産生されるタンパク質で、凝血により出血を止める役割を持っています。
関節リウマチ患者の患部関節では、フィブリノーゲンがPAD（ペプチジルアルギニンデイミナーゼ）により脱イミノ化（アルギニンからシトルリンへの変換）を受けています。

シトルリンはアミノ酸ですが、DNAにコードされたアミノ酸ではないため、通常のタンパク質合成ではタンパク質中に組み込まれることはありません。しかし、いくつかのタンパク質は、シトルリンを含んでいることが知られています。ミエリン塩基性タンパク質（MBP）、フラジェリン、一部のヒストンタンパク質などは、正常の状態でシトルリンを含みますが、フィブリン、ビタミンなどのタンパク質は、細胞死や組織炎症の間に脱イミノ化を受けます。

関節リウマチ患者の大多数（少なくとも80％）が、シトルリンを含むタンパク質に対する免疫応答を起こしています。この免疫応答の原因はまだわかっていませんが、シトルリンを含むタンパク質・ペプチドに対する抗体反応の検出が、関節リウマチの診断・研究に重要になってきています。

仕様

品名	交差性	免疫動物	アイソタイプ	クローン	精製	適用	品番
シトルリン化フィブリノーゲン抗体	マウス、ヒト	マウス	IgG1	3D1	プロテインA精製	ELISA/IB/IHC	MQ 13.101
	マウス、ヒト	マウス	IgG1	20B2	プロテインA精製	ELISA/IB/IHC	MQ 13.102
	マウス	マウス	IgG1	4.19	プロテインA精製	ELISA	MQ 13.103
	マウス、ヒト	マウス	IgG1	23H2	プロテインA精製	ELISA/IHC	MQ 13.104
	マウス、ヒト	マウス	IgG2a, κ	3F2	プロテインA精製	ELISA/IB/IP/IHC	MQR 1.101
	ヒト	ヒト	IgG1	1F11	プロテインA精製	ELISA/IB/IP/IHC	MQR 2.101

使用例

ELISA結果｜シトルリン化フィブリノーゲン抗体
図1　ELISA結果
シトルリン化フィブリノーゲン抗体（品番MQ 13.101）を用いて、ウサギPAD2（シグマ社品番P4874）により脱イミノ化したマウスフィブリノーゲンと脱イミノ化していないマウスフィブリノーゲンに対して、ELISAを行った。

免疫ブロット結果｜シトルリン化フィブリノーゲン抗体
図2　免疫ブロット結果
シトルリン化フィブリノーゲン抗体（品番MQR 1.101）を用いて、免疫ブロットを行った。
左のレーン：ヒトフィブリノーゲン（シグマ社　品番F4883）
右のレーン：ウサギPAD2（シグマ社　品番P4874）で脱イミノ化したヒトフィブリノーゲン

シトルリン化フィブリノーゲン抗体

品名	メーカー	品番	包装	希望販売価格
Anti Citrullinated Fibrinogen, Mouse (Mouse) Unlabeled, 3D1	MDQ	MQ 13.101	100 UG	￥173,000
Anti Citrullinated Fibrinogen, Mouse (Mouse) Unlabeled, 20B2	MDQ	MQ 13.102	100 UG	￥173,000
Anti Citrullinated Fibrinogen, Mouse (Mouse) Unlabeled, 4.19D5	MDQ	MQ 13.103	100 UG	販売終了
Anti Citrullinated Fibrinogen, Mouse (Mouse) Unlabeled, 23H2	MDQ	MQ 13.104	100 UG	￥173,000
Anti Citrullinated Fibrinogen, Mouse (Mouse) Unlabeled, 3F2	MDQ	MQR 1.101	100 UG	￥235,000
Anti Citrullinated Fibrinogen, Mouse (Human) Unlabeled, 1F11	MDQ	MQR 2.101	100 UG	￥235,000