記事ID ： 46881

高効率な遺伝子導入を実現！AAVの作製に有用 Minicircle DNA作製受託サービス

カテゴリから探す > 受託サービス > 遺伝子関連 > 遺伝子合成／修飾

メーカー名：PlasmidFactory GmbH

プラスミドDNAは分子生物学的な研究からワクチンや細胞治療などの医療用目的まで、幅広く使用されています。プラスミドは大腸菌等を用いて増幅されますが、その際に必要な抗生物質耐性遺伝子などの配列が、ヒトへの投与時に重篤な免疫反応を引き起こすことが知られています。これらの配列はヒトへの投与の際には不要な配列のため、プラスミドの作製過程で除くことが解決策の一つとされています。 Minicircleはそうした配列を含まない、実験や研究などに有効な配列だけを持つ小さな環状DNAです。
Plasmid Factory社ではMinicircle DNA受託作製サービスをご提供しています。

図1：Minicircleの作製イメージ
Minicircleは元となるプラスミド (Parental Plasmid：PP) 内のResサイトを介した相同組み換えにより、Minicircle (MC) とMiniplasmid (MP) の2つに分かれることで産生される。

特長

抗生物質耐性遺伝子などの、微生物由来の遺伝子を含まないプラスミドDNA
プラスミドもしくはMinicircleの構築から作製まで、ワンストップで実施
リサーチレベルからGMPグレードまで、お客様のご利用目的に応じた品質のプラスミドを提供
CAR-T細胞治療研究における臨床試験での利用実績あり

サービス内容

**表1：Minicircleの作製で対応可能な3つのグレードと比較**
グレード	Research	High quality	GMP
利用目的	基礎研究や前臨床試験、毒性の評価	核酸医薬や遺伝子治療研究（例：AAV, CAR-T, mRNAワクチン）における臨床応用を見据えた研究
特徴	抗生物質フリーでの産生エンドトキシン、RNA・タンパク質、微生物由来のDNAフリー CGE解析収量：10mg ～	EMA準拠 (EMA/410/01 rev.3, 2011/C 73/01) の試薬や培地を使用 GMP準拠の文書対応収量：10 mg ～10g	シングルユースの設備を使用 GMP認証済みの施設を利用収量：要相談

Minicircleを用いたアプリケーション例

図2：高力価、高純度なAAV作製
左図：AAV作製時に用いるプラスミドのうち、VectorにMinicircleを用いた場合、通常のプラスミドDNAを用いた場合に比べ、トランスフェクション72時間後のAAV力価が3～4倍高かった。
右図：AAV作製時に用いるプラスミド2種 (Vector, Helper) をどちらもMinicircleに置き換えたところ、Amp耐性遺伝子を持たないAAVを産生することに成功した。
※左図：Kraemer et al., ESGCT Annual Congress 2021
※右図：Schnödt et al., Molecular Therapy - Nucleic Acids (2016) 5, e355

図3：高効率かつ高い生存率を保持した細胞への遺伝子導入
CD8陽性T細胞にEGFR発現遺伝子を導入したところ、プラスミドDNA (P-P) で導入した場合に比べMinicircle (MC-MC) で導入した場合、より多くの細胞でEGFRの発現が見られた（左図）。また、導入した細胞の生存率も高かった（右図）。
※Monjezi et al., Leukemia, 2017