MolBoolean™は、Atlas Antibodies社が開発したin situでタンパク質間相互作用を検出する技術です。個々に存在する2種類のタンパク質 (Protein AおよびProtein B) とProtein A-Protein B複合体をそれぞれ検出することが可能です。
in situでタンパク質間相互作用を検出 MolBoolean™ Mouse / Rabbit アッセイキット
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背景
これまで用いられてきた細胞・組織におけるタンパク質間相互作用を研究するためのアプローチは、組換え発現したタンパク質や溶解した細胞試料を用いる必要があり、信頼性の低い結果を生み出す可能性がありました。in situ近接ライゲーションアッセイ (in situ PLA法) の開発により、細胞および組織における内因性タンパク質間相互作用の検出が可能になりましたが、相互作用していないタンパク質の情報が得られない点に課題がありました。
In situでタンパク質間相互作用を解析するためには、相互作用の数だけでなく、その場所に存在している目的タンパク質の数も理解することが極めて重要です。Atlas Antibodies社は、ウプサラ大学Ola Söderberg教授と共に、新規技術であるMolBoolean™ アッセイを開発しました。この技術では、相互作用せず個々に存在する2種類のタンパク質 (Protein AおよびProtein B) と相互作用しているProtein A-Protein B複合体をそれぞれ検出することが可能です。
特長
- タンパク質間相互作用について、空間的な定量解析が可能
- フリーのタンパク質と、相互作用しているタンパク質 (約40 nm以内の距離) をそれぞれ検出可能
- ターゲットタンパク質量で補正することで、正確な定量解析が可能
- 組換えタンパク質は不要
- ローリングサークル増幅法を採用しており、発現量が低いタンパク質も検出可能
- お手持ちの一次抗体を使用可能(一つはマウス抗体、もう一つはウサギ抗体を使用)
- 細胞や組織で検証済み
- オープンソースの画像処理・解析ソフトウェアを利用可能
アッセイタイプ | 個々のタンパク質 | 相互作用タンパク質 |
---|---|---|
IHC/ICC | ✔ | ✕ |
in situ PLA | ✕ | ✔ |
MolBoolean™ | ✔ | ✔ |
動画で見るMolboolean™技術
仕様
- 固定細胞およびFFPE組織を使用可能
固定細胞:120アッセイ (40 µl/assay) 、FFPE組織:60アッセイ (80 µl/ assay) - 一次抗体として、マウス抗体およびウサギ抗体を使用可能
- 590 nm (ATTO565, TxRed フィルター) および664 nm (ATTO647N, Y5 フィルター) の波長で検出可能
アッセイ原理
- 近接プローブが一次抗体に結合
- 近接プローブのアームがDNAサークルオリゴに結合
- Nickaseにより切断
- タグオリゴがDNAサークルに組み込まれる
- DNAライゲーション
- ローリングサークル増幅
- 検出
製品データ
図. MCF7細胞におけるE-Cadherin/ β-CateninのMolBoolean染色
抗E-cadherinマウス抗体 (品番:AMAb90862) および抗β-cateninウサギ抗体 (品番:HPA029159) を用いてMolBooleanアッセイを行った。フリーのE-cadherin (マゼンタ)が32%、 フリーのβ-catenin (緑)が19%、 E-cadherin/β-catenin複合体 (白)が49%の割合で検出された。データは総ターゲットタンパク質量で補正した。
図. ヒト腎臓組織におけるACE2/TMPRSS2のMolBoolean染色
抗ACE2マウス抗体 (品番:AMAb91259) および抗TMPRSS2ウサギ抗体 (品番:HPA035787) を用いてMolBooleanアッセイを行った。フリーのACE2 (マゼンタ)が51%、 フリーのTMPRSS2 (緑)が17%、 ACE/TMPRSS2複合体 (白)が32%の割合で検出された。データは総ターゲットタンパク質量で補正した。
MolBoolean™ Mouse / Rabbit アッセイキット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
MolBooleanTM Mouse / Rabbit Kit | ATL | MOLB00001 | 1 KIT [4.8 ml, approximately 120 assays] |
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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