心毒性評価や疾患研究において、未熟なiPSC由来心筋細胞は臨床とのギャップを生む要因となってきました。Axol Bioscience社のMyoMax™は、iPSC由来心筋細胞の形態・代謝・電気生理学的特性の成熟度を高め、よりヒト生理に近いモデルを実現します。

図1. MyoMax™培養によるサルコメア構造の変化
iPSC由来心筋細胞を標準培地(Cardiomyocyte Maintenance Media, 品番:ax2530)あるいはMyoMax™培地で8日間培養後にICC解析を実施。標準条件では配列が乱れ未熟な形態を示すのに対し、MyoMax™使用条件では棒状形態が増加し、サルコメア配列が整った成熟した構造を示した。

図2. MyoMax™培養による成熟マーカーの発現変化
iPSC由来心筋細胞を標準培地あるいはMyoMax™培地で8日間培養後にICC解析を実施。標準条件では心筋特異的マーカーcTnTおよびギャップ結合タンパク質Cx43の発現は弱く不均一であるに対し、MyoMax™条件では両マーカーの発現が強まり、成熟した心筋細胞の特徴が確認された。

図3. MyoMax™培養による電気生理学的特性とKCNJ2発現の変化
iPSC由来心筋細胞を標準培地またはMyoMax™培地で8日間培養後にMEA解析を実施した。MyoMax™条件では拍動数の低下(A)、伝導速度の上昇(B)、活動電位持続時間の短縮(C)が認められた。さらに、静止膜電位の形成に関与する成熟マーカーKCNJ2の発現上昇が観察された(D)。これらの結果は、MyoMax™培養が成熟心筋に近い電気生理学的特性を誘導することを示している。
| Day 0 解凍・播種 |
Day 1 Recovery feed |
Day 3 培地交換 |
Day 5 培地交換 |
以降 (2日毎に培地交換、 Day 7以降アッセイ可) |
|
|---|---|---|---|---|---|
| Maintenance (標準的な培養条件) |
Plating Medium (Cardiomyocyte Maintenance Medium + 10% FBS + 10 µM Y-27632) |
Cardiomyocyte Maintenance Medium | 100% Cardiomyocyte Maintenance Medium | Cardiomyocyte Maintenance Medium | |
| Maturation (MyoMax™による成熟化培養条件) |
50% Cardiomyocyte Maintenance Medium + 50% MyoMax™ Maturation Medium | MyoMax™ Maturation Medium | |||
MyoMax™は、Day 3から段階的に導入し、Day 5以降は完全に置換します。Day 7以降には、成熟度の高まった心筋細胞をアッセイに使用可能です。
| 品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
|---|---|---|---|---|
| MyoMax Maturation Media |
AXO | AX2550 | 100 ML |
¥150,000 |
| 品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
|---|---|---|---|---|
iPSC-Derived Ventricular Cardiomyocytes (Male), Human![]() |
AXO | AX2508 | 1 VIAL |
¥120,000 |
| 品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
|---|---|---|---|---|
iPSC-Derived Atrial Cardiomyocytes (Male), Human![]() |
AXO | AX2518 | 1 VIAL [1 million cells/vial] |
¥120,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
© COSMO BIO