抗体医薬品に代表される高分子医薬品は、低分子に比べ特異性が高いため、高い薬効や副作用の低減といった利点がある反面、低分子に比べ一般的に不安定であるとされています。そのため、高分子の安定化条件の探索は創薬研究において非常に重要です。
2 bind社は、nanoTemper社のnanoDSFを用いた高分子の安定性評価サービスを提供しております。本アッセイは、タンパク質のfolding変化に伴う自家蛍光の変化をベースにタンパク質の安定性を評価します(図1)。タンパク質のfolding状態は温度、バッファー条件、相互作用因子の存在等、様々な条件に影響されますので、本アッセイにより高分子の安定化条件の探索や標的タンパク質に結合する化合物のスクリーニング等、多様な解析が可能となります。
図1. nanoDSFアッセイの原理と測定フロー
上図:タンパク質のFolding状態が変化すると、内在性トリプトファン残基の蛍光波長変化が生じます。
下図:本アッセイでは、様々な条件下での温度依存的な330nmと350nmの蛍光変化を測定することで、各条件におけるTm値(Melting Temperature)を算出します。一度のアッセイで48条件の測定が可能です。