ホルマリン固定パラフィン包埋組織サンプルから核酸を分離 FFPE RNA／DNA 精製 Plus キット

ホルマリン固定パラフィン包埋（FFPE）組織サンプルから、トータルRNA（microRNAを含む）およびゲノムDNAを、連続して単離・精製するためのキットです。

ホルマリン固定により、核酸とタンパク質が架橋され、組織サンプルの包埋により、時間と共に核酸の断片化が起こります。本キットを使用することで、ホルマリン修飾を部分的に逆行させる条件を作り出し、高品質・高収率の核酸を得ることができます。

全てのサイズのRNA（large mRNA、リボソーマルRNAから、microRNA（miRNA）、siRNAまで）を、FFPE組織の年数に応じて精製することが可能です（RNAの断片化が時間と共に進むため）。フェノール及びクロロホルムを使用することなく、RNAを他の細胞構成成分から単離・精製します。精製したRNAは、高度な完全性を持ち、各種下流アプリケーション（リアルタイムPCR、逆転写PCR、ノーザンブロット、RNase保護、プライマー伸長、発現アレイアッセイなど）にご使用いただけます。また、精製したゲノムDNAもまた高品質で、PCR反応、シーケンシング、サザンブロット、SNP解析などにご使用いただけます。

精製原理は、ノルジェン社独自の樹脂を用いたスピンカラムクロマトグラフィーに基づいています。核酸は、フェノールやクロロホルムを使用することなく、他の細胞成分から優先的に精製されます。プロセスの最初は、一連のキシレン及びエタノール洗浄による、FFPEサンプルの脱パラフィン化の操作です。次に、サンプルをプロテイナーゼK及び分解バッファーで分解（RNAの回収に特異的なインキュベート時間）します。RNAを含む可溶性のライセートを回収し、残ったサンプルは更にDNA回収用に分解します。RNAまたはDNAを含むライセートに、結合溶液及びエタノールを加え、溶液をそれぞれRNA精製スピンカラム又はDNA精製スピンカラムにロードします。ノルジェン社の樹脂は、イオン濃度に依存する手法で核酸に結合するため、RNA又はDNAのみがカラムに結合し、その他の物質はフロースルーとして除去されるか、樹脂の上部に残ります。不純物を除去するため、カラムを洗浄溶液で洗浄し、RNA溶出液又はDNA溶出液で精製核酸を溶出します。

• 完全カラム精製：RNAとDNAは別分画に分離
• 変動要因の低減：ライセートを分注することなく、単一サンプルからRNA及びDNAを分離でき、結果の矛盾や変動の抑制が可能
• 各RNA種の単離：ラージRNAからmicroRNAまで全サイズのRNAを単離
• 高品質RNA・DNAを単離：精製後のRNA・DNAは高品質で、各種下流アプリケーションに利用可能

• 分解バッファー 
• 結合溶液 
• 酵素インキュベーションバッファー            
• RNA洗浄溶液 
• DNA洗浄溶液 
• RNA溶出溶液 
• DNA溶出溶液 
• プロテイナーゼK 
• DNase I 
• RNA精製カラム 
• DNA精製カラム 
• コレクションチューブ 
• 溶出チューブ

図1　ハムスター脾臓サンプルから、DNA、トータルRNA（microRNAを含む）を回収

パネルA：5S rRNA遺伝子に対するプライマーと、等量のFFPE DNAをテンプレートとして用いてqPCRを行った。
パネルB：等量のRNAをテンプレートとして、miR-21（microRNA）の転写物についてRT-qPCRを行った。
パネルC：等量のRNAをテンプレートとして、ベータアクチン（mRNA）の転写物についてRT-qPCRを行った。

いずれも本キットを用いて単離したDNA又はRNA（青）は、競合品（赤）より、良好な増幅効率（低いCt値）を示した。

図2 FFPE脾臓組織から、高品質RNA、DNAを高収率で回収

等量のハムスター脾臓FFPE切片（厚さ20ミクロン）から、本キット及び競合品を用いて、DNAとトータルRNAを単離した（各繰り返し3回）。
パネルA：RNAの平均収率
パネルB：DNAの平均収率
パネルC：RNAの260：280比率及び260：230比率
パネルD：DNAの260：280比率及び260：230比率
本キットは、競合品に比べて、一貫して高い収率、高い品質でトータルRNA及びDNAを単離・精製できた。

• FFPE RNA精製キット

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