記事ID ： 37279

生理pH条件下でリン酸化タンパク質を高感度で検出！ Phos-tag® Gel Stain

メーカー名：株式会社ナード研究所

背景

本商品は、Phos-tag®技術を用いた画期的なリン酸化物質（R =タンパク質、ペプチドなど）検出のための試薬です。

Phos-tag®は、中性条件下（生理的条件）で2価のリン酸モノエステルアニオンなどのアニオン性置換基と結合する性質を有しており、従来の酵素免疫法、放射性同位元素法に代わって、アニオン性置換基を持つ物質を捕捉、標識します。
また、今までは不安定で測定が困難だった不安定種リン酸化化合物も安定化します。捕捉された化合物は、一般的にpH 3～4において、捕捉したアニオン性化合物を遊離します。

Phos-tag®は広島大学大学院医歯薬学研究科医薬品分子機能化学研究室にて開発されました。

特長

室温、中性条件下で約2時間、簡便な操作で解析が可能
放射性リン、化学標識、抗体の必要なし
CBB染色やMS分析など様々なアプリケーションに使用可能
Phos-tag®Aquaは、Phos-tag®Yellow、Magenta、Cyanよりも親水性

使用例

図1 リン酸化タンパク質の検出感度の検証
12.5％（w/v）ポリアクリルアミドゲルでリン酸化および非リン酸化タンパク質を含むサンプルの電気泳動を行った後、本商品シリーズ（ Phos-tag® ）を用いて染色し（左）、続いてCBB G-250ゲルサテン（右）で染色を行った。

図2 リン酸化タンパク質と非リン酸化タンパク質の検出
10％（w/v）ポリアクリルアミドゲルで4つのインタクト（各1 µgのα-カゼイン、β-カゼイン、オボアルブミン、およびペプシン）およびALP処理をしたリン酸化タンパク質を含むサンプルの電気泳動を行った後、本商品シリーズ（ Phos-tag® ）を用いて染色し（左）、続いてCBB G-250ゲルサテン（右）で染色を行った。

図3 ヒスチジンの自己リン酸化解析⁽¹⁾
ATP存在下での経時的なヒスチジンの自己リン酸化の解析をするために、 Phos-tag® Magentaを用いてゲルの染色を行った（左）後、CBB染色を行った（右）。

図4 新規抗生物質（ヒスチジンキナーゼ阻害剤）のスクリーニング⁽¹⁾
Phos-tag® Cyanを用いて染色をすることで、ヒスチジンキナーゼ阻害剤のスクリーニングを行った。

参考文献

（１）E. Kinoshita-Kikuta, H. Kusamoto, S. Ono, K. Akayama, Y. Eguchi, M. Igarashi, T. Okajima, R. Utsumi, E. Kinoshita, amd T.Koike et al. Quantitative monitoring of His and Asp phosphorylation in a bacterial signaling system by using Phos-tag Magenta/Cyan fluorescent dyes. Electrophoresis 2019