iPS細胞およびES細胞のオンフィーダー/フィーダーフリー培養に最適化したXeno-Free、血清フリー、chemically defined な培地を提供いたします。

あなたにとって最適な培地は? 〜ヒト多能性幹細胞の培地を選択するときに考慮すること〜 iPS細胞の培地選びのポイント
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背景
ヒト多能性幹細胞(human Pluripotent Stem Cells : hPSC)は再生医療や細胞治療の分野で注目されている細胞ソースで、いくつかの研究チームによりドーパミン作動作動性神経細胞や心筋細胞などへの分化能が報告されています。しかしながら、hPSCを利用した臨床応用が実現するかどうかは、高品質かつ高効率な細胞の増殖培養法が確立できるかどうかにかかってきます。細胞培養用に様々な培地が販売されていますが、さらに培地選択の際に考慮されるべき点について、下記が挙げられます。
異種成分と血清フリー クリックで開閉します
ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum : FBS)のように、ヒトとは異なる動物種(=異種)由来の成分が含まれている培地の事を異種成分含有培地と呼びます。異種由来成分は様々な成長因子、タンパク、ホルモンなどの栄養分を含んでいます。ヒトES細胞がはじめて樹立されたときは、マウスES細胞の培養技術が利用されていましたが、培地中にFBSを使用しています。FBS中には細胞接着因子、細胞増殖因子、ホルモンなど様々な成分が含まれており、ロット間差が生じやすく、hPSCを分化させてしまう可能性があります。また、ウィルスや病原体のコンタミネーションのリスクがあります。このような異種由来の成分な不確定な要素は、信頼性の高い均一な細胞増殖を困難にさせる要因です。血清フリー培地はFBSは含まれていませんが、代替としてウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin : BSA)などの異種成分が含まれています。
フィーダーフリー クリックで開閉します
フィーダー細胞を使用したオンフィーダー培養では、hPSCは不活化されたマウス線維芽細胞(MEF)やヒト線維芽細胞(HFF)の上で培養されますが、MEF由来の異種成分の混入リスクや、HFFにおいてもロット間差が不確定要素となります。一方、フィーダーフリー培養はオンフィーダー培養よりも効率的で制御可能な培養系です。フィーダー細胞を用いないことによって、細胞の品質や増殖能は培地自体の品質に依存するからです。hPSC培養用に初めて上市されたのはmTeSR1™培地で、mTeSR1™培地とマトリゲルを用いた培養はよく利用されています。しかしながらmTeSR1™培地は異種成分を含み、血清フリー培地に分類されます。
ゼノフリー、アニマルコンポーネントフリー クリックで開閉します
培地中のタンパク成分がヒトリコンビナントもしくはヒトネイティブタンパクで構成されており、異種成分(=ゼノ:Xeno)を含まない(=フリー:Free)培地をゼノフリー(Xeno-Free)培地と呼びます。さらに、ヒトネイティブタンパクすら含まず、動物由来成分を含まない工程で製造されたヒトリコンビナントタンパクのみで構成される培地の事をアニマルコンポーネントフリー(Animal component Free)培地と呼びます。これらのヒト成分のみを含む(=異種成分を含まない)高品質の培地を使用することで、臨床応用に使用される細胞がヒトの健康へ与えるリスクを低減させることができます。異種成分を含まないゼノフリー環境において、より操作性やコストの点で無駄を省いた培地がNutriStem® hPSC 培地です。NutriStem® hPSC 培地中のタンパク成分は、異種成分を含まないゼノフリー培地です。また、b-FGF含有量が少ないため、長期培養している未分化hPSCでも、細胞が持つ分化ポテンシャルを高く保持します。
まとめ クリックで開閉します
hPSC培養用の培地を選択する際は、最終的な使用アプリケーションにおいて求められる細胞の品質を想定しつつ、培養した細胞品質の均一性、必要な細胞収量、コストなどを考慮し、目的に合った最適な培地を選択することが重要です。
参考元:https://www.regmednet.com/users/25438-biological-industries/posts/22574-which-stem-cell-culture-media-is-right-for-you on Nov 23, 2017
mTeSR1™はSTEMCELL Technologies Inc.の商標登録です。
多能性幹細胞用製品ラインアップ
多能性幹細胞用培地
NutriStem® XF ‐ ヒトES細胞/iPS細胞の最適な増殖と成長を実現する、ゼノフリー培地

マトリゲル上でフィーダーフリー培養したヒト ES 細胞 H1 株
NutriStem® hPSC XF (品番:05-100-1)
- Xeno-free(ゼノフリー)
- Ready-to-use: ワンボトルタイプで、用時調製する必要なし(アラニルグルタミンやサプリメントを含有済み)
- フィーダーフリー培養(Matrigel®、iMatrix、ラミニン521、ビトロネクチン等)、フィーダー培養条件(HFF、MEF)の両方で培養可能
- 優れた増殖が可能(例:H9.2、I6、I3.2、H1)
- 長期間培養(50 継代以上)を確認済
- 正常な表現型および核型を維持
- 使用文献100報以上!!
- シングルセルでの継代が可能(「お客様の声」 「TOPICS」参照)
- 日本人研究者のアプリケーションノートあり
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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