PMAエンハンサーは、PMA™ 色素とグラム陰性菌由来DNAの結合を介した生細菌検出能を向上します。本製品は、5×溶液で供給され、PMA™ を加える前のサンプルに添加して使用します。
背景
PMA™色素 を用いた生菌の検出について
PMA™ は、Biotium社が開発した高親和性・光反応性のDNA結合色素です(品番:40019)。
色素自体は弱い蛍光ですが、核酸に結合すると強く蛍光を発します。高い親和性で二本鎖DNA(dsDNA)に結合します。光分解過程では、色素内の光反応性アジド基が高反応性のナイトレンラジカルに変換され、すぐに炭化水素部分と反応して窒素-炭素間で共有結合するため、非常に安定で永久的なDNA修飾となります。
色素は細胞膜不浸透性のため、生存細胞とは異なり、膜が崩壊している死細胞由来のDNAを選択的に修飾します。 PMA™ 修飾されたDNAは、精製過程で除去され、さらにDNAポリメラーゼによる増幅が阻害されるため、PCR過程で増幅されません。その結果、PMA™ 色素は、定量PCRで、生存病原性細胞を高感度かつ選択的に検出することができます。
図1.PMA™ 修飾を利用した生細菌の定量PCR検出の原理
使用目的
グラム陰性細菌用 PMAエンハンサー
グラム陰性細菌用 PMAエンハンサーは、PMAを介したグラム陰性菌生死判定の識別能を向上させます。PMAエンハンサーは、5×溶液で供給され、PMA™ を加える前のサンプルに添加されます。グラム陰性細菌由来の配列をPCRによって増幅した場合、エンハンサーで前処理した試料は、死細胞からのシグナルが減少し、生細胞からのシグナルは影響しません。したがって、PMAとエンハンサーを組み合わせる方法は、グラム陰性菌における生存率PCRの実施に最適です。
<Note>
- PMAエンハンサーは「グラム陽性菌」の検出用途を目的とはしておりません。
PMAエンハンサーは、グラム陽性菌生細胞由来のDNA増幅に悪影響を及ぼす場合があります。 - PMA または EMA色素の光活性化には、制御された条件下で光分解を行うように設計されている Biotium社のPMA-LiteのLED光分解装置(E90002)の使用を推奨します。
製品データ
図2A.PMA™ とPMAエンハンサーを使用した生菌の定量PCR解析
緩やかに熱で死滅させた大腸菌を、PMA™ および/またはエンハンサーで処理し、 PMA-LITE™ で暴露後、DNA精製した。Fast EvaGreen® qPCR マスターミックスで、E. coli DNA 断片 377-bp を増幅しまた。PMAとエンハンサーで処理した死細胞は、PMA単独で処理した細胞と比較し、Ct値の大幅な遅れを示した。
図2B.PMA™ 処理後のCt値の変化
コントロール細胞とエンハンサー処理細胞の各dCt値は、PMA処理細胞とPMA未処理細胞のCt値の差から求めた。エンハンサーの使用した場合、dCt値が4〜10倍増加しており、このことはviability PMA-PCR の特異性の向上を示す。
グラム陰性菌検出用 PMA™ エンハンサー(5X 溶液)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
PMA Enhancer for Gram Negative Bacteria, 5X Solution![]() |
BTI | 31038 | 16 ML |
¥24,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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