Power Styramide™ Signal Amplificationは、HRP標識ごとに複数のStyramide™ 基質が迅速に触媒され、共有結合性の析出が生ずることを利用し、単純、高い感度と特異性、および他の技術との互換性といった利点があります。Styramide™ラジカルは、高い反応性を持つことから、HRP-標的相互作用部位においてStyramide™を頑強で迅速に標識することができるため、TSAに比べてより強力なシグナル強度とより良い空間的解像度が得られます。
- 低発現ターゲットを超高感度検出。IHC、ICC、およびIF手法に比べて100倍高感度
- 高い蛍光強度(チラミドに比べ10-50倍高い)
- マルチプレックス分析用に、他の蛍光マーカー、染色技術、およびPSA™イメージングキットと互換性あり
- より高い反応性をもつPSA™ラジカルにより、迅速な結果と放射測定法と同等の感度や解像度
- 貴重な抗体を温存、PSA™標識で同等レベルの感度を獲得しつつ一次抗体の使用量を著しく低減
- PSA™イメージングキットは簡単に使用でき、1キット約100test分

iFluor&tarde; 594 Styramide&tarde;
(Cat No. 45035)

Alexa Fluor® 594 tyramide
図2 ホルムアルデヒド固定パラフィン包埋サンプルのPSA™とTSA増幅手法を用いた蛍光IHC
ヒト肺腺がん陽性組織切片をEpCam-抗マウス抗体で染色後、それぞれiFluor 594™ PSA™ Imaging Kitおよびヤギ抗-マウスIgG(Cat No. 45290)を用いたPSA™手法またはAlexa Fluor® 594 チラミドを用いたTSA手法により染色した。画像はTRITCフィルターセットを用いて同一暴露時間において取得した。核はNuclear Blue™ DCS1 (Cat No. 17548)を用いて対比染色した。
優れた検出感度
PSA™イメージングにより感度が増強することから、免疫染色においてはアッセイ感度に影響を及ぼすことなく一次抗体希釈率を上げることができます。これにより、非特異的バックグラウンドシグナルを低減でき、固定化処理の不足や標的物発現レベルが低いことによる不十分な免疫標識を防ぎます。
図3 Power Styramide™ Signal Amplification (PSA™) Kitsの感度
HeLa細胞を固定後、透過処理し、様々な濃度のチューブリン-抗ウサギ一次抗体で標識した。販売元の推奨濃度は1:500希釈または2 μg/mlである。その後、細胞をiFluor™ 488 PSA™ Imaging Kitおよびヤギ抗-ウサギIgG抗体、Alexa Fluor® 488-標識チラミド、またはAlexa Fluor® 488-標識ヤギ抗-ウサギIgGで染色した。処理ごとに細胞画像を同一条件下で取得(FITCフィルターセットを用いて同一暴露時間で分析)した。相対的蛍光シグナル強度を測定し異なる検出法間の比較を行った。
PSA™を用いたマルチプレックス
PSA™システムは、他の蛍光マーカー、細胞や組織の染色技術、他のPSA™イメージングキットとの互換性があるように設計されており、複数のターゲットを同時に可視化することが可能です。また、TSAや蛍光二次抗体と比較してPSA™の検出閾値が低いため、同一宿主生物で作られた一次抗体を用いて、シグナル間の実質的なクロストークなしに2つのターゲットを検出することが可能です。PSA™イメージングは、以下のものに対応しています。
- 蛍光マーカーと対比染色(例:DAPI、Hoechsts)
- 蛍光タンパク質(例:GFP、YFP、RFP)
- 他のStyramide™ 試薬
- 他のPSA™イメージングイメージングキット
- チラミド試薬とチラミドイメージングキット

iFluor™ 488 PSA™ Kit
(Cat No. 45205)

iFluor™ 555 PSA™ Kit
(Cat No. 45270)
図4 ホルムアルデヒド固定パラフィン包埋ヒト肺腺がんのiFluorA™ PSA™ Imaging kitを用いた連続的な免疫染色
EpCamをEpCam-抗ウサギ抗体で反応させた後「iFluor 488™ PSA™ Imaging Kit with Goat Anti-Rabbit IgG (品番45205)」で標識し、洗浄した。パンケラチンはパンケラチン-抗マウス抗体で反応させた後「iFluor 555™ PSA™ Imaging Kit with Goat Anti-Mouse IgG (品番45270)」で標識し、洗浄した。核はDAPI (品番17507) で標識した。画像は共焦点顕微鏡で取得した。
自由度の高い作業の流れ:IHC、ICC、ISH & フローサイトメトリに対応
PSA™イメージング技術は、使用する手法のプロトコールにHRPを加えることができ、サンプル種や免疫学的な手法において一般的に使用される蛍光イメージングプラットフォームに対応できるのであれば、どのようなアプリケーションにも適合します。PSA™ イメージングを従来型のIHC、ICC、ISH、およびFCと組み合わせると、画像解像度の低下やバックグラウンドノイズを増大させたりすることなく、検出感度を著しく向上できます。
免疫細胞化学(ICC)
図5 HL-60細胞のCD45表面受容体染色
HL-60細胞を4%ホルムアルデヒドで固定し、透過処理後、0.2 μg/mL 抗-CD45 一次抗体で標識した。その後、細胞をiFluor™ 647 Styramide™で染色し、Cy5フィルターセットを用いて蛍光画像を取得した。
In Situ ハイブリダイゼーション (ISH)
図6 ビオチン化PNAプローブを用いたin situハイブリダイゼーションによるパンセントロメア染色
Jurkat細胞を固定化後、一般的なプロトコールで透過処理した。各染色体のセントロメアをストレプトアビジンHRP抱合体で検出し、iFluor 488 Styramide試薬を用いて可視化した。染色体はDAPIで対比染色した。
フローサイトメトリ
図7 iF488標識ヤギ抗-ウサギIgG手法、チラミド手法、またはStyramide手法を用いたJurkat細胞におけるpAKTのフローサイトメトリ分析
Styramide増幅手法では、ヤギ抗-ウサギIgG-iFluor™488直接染色に比べてシグナルが10倍増大し、Alexa Fluor 488チラミド染色に比べてシグナルが5倍増大した。