糖尿病、肥満の研究に有用 アディポネクチン&アディポネクチン受容体&レジスチン&PDX-1研究試薬

糖尿病、肥満の研究に有用なアディポネクチン、アディポネクチン受容体、レジスチン、PDX-1の検出・測定試薬を販売しています。

アディポネクチン(Adiponectin)は脂肪細胞で作られる分泌タンパク質で、そのmRNA は脂肪細胞分化の過程で100倍以上誘導されます。また、豊富に存在する血清タンパク質で、結果としてエネルギー・ホメオスタシス（恒常性）や、肥満に影響を与えます。現在までにインスリンの効果を高めて血糖値を下げる働きがあることが分かっていますが、そのC末の球状ドメインの結晶構造がTNFファミリーと類似しており、ヒトやマウスの様々な肥満形態において調節不能になる為、エネルギー・ホメオスタシスに影響を与える重要な分子として研究が進められています。
アディポネクチンは、Acrp30(adipocyte complement - related protein of 30kDa)やapM-1、Glatin-binding protein、Adipose most abundunt gene transcript 1等の別名を持ち、遺伝子名は、APM1、ACRP30、GBP28として知られています。

またヒトgAcrp (は、別名アディポリーン(Adipolean)としても知られていて、アディポネクチンのC末端球状ドメイン(globular domain)に相当する16.6kDa(145a.a.)のタンパク質です。最近、gAcrp30/Adipoleanが、骨髄単球性前駆体の増殖を抑制することが報告されています。

そしてごく最近、東京大学大学院医学研究科の門脇教授らの研究グループによって、アディポネクチン受容体(アディポネクチンレセプター)が同定されました(Nature. 2003 Jun 12; 423(6941): 762-9. )。アディポネクチンレセプターには、Adipo R1とAdipo R2の2種類があって、Adipo R1は主に骨格筋、Adipo R2は主に肝臓に存在し、また、Adipo R1とAdipo R2はともに血管、膵β細胞、あるいは中枢神経系にも存在していることが確認されました。この受容体を活性化させる薬剤を開発することで、新しい２型糖尿病治療薬になり得る事におおきな期待がよせられています。

レジスチン(Resistin)は、肥満や糖尿病に関連する脂肪組織特異的な分泌タンパク質で、分子量は12.5kDa、ユニークなシステインリピートモチーフを持ちます。インスリンに抵抗性でADSFという別名でもまた知られています。

PDX-1(Pancreatic duodenal homeobox-1 protein)は、282個のアミノ酸からなるホメオドメインを含む転写因子で、膵β細胞に存在しています。β細胞においてインスリン遺伝子転写と膵島発達のカギを握っています(膵臓で発現する遺伝子の転写を促進し、膵臓ランゲルハンス島の機能維持に必要不可欠)。PDX1は発生の早期に全ての細胞に発現し、成人になるとその発現は十二指腸や膵臓に主に制限されます。PDX-1はまたアデニリルシクラーゼの活性を通してグルカゴン様ペプチドによって調節されており、結果として細胞内cAMP活性が上がります。また、高濃度のグルコース存在下ではSAPK2パスウェイによってリン酸化されます。PDX-1の変異が膵臓の発育不全や、若年発症成人型糖尿病：MODY(maturity-onset diabetes of the young.)を引き起こすことから、糖尿病治療に役立つのではないかと注目を集めています。別名としてIPF1(insulin promoter factor)/IUF1(insulin upstream factor 1)/GSF(glucose-sensitive factor)/STF-1(somatostatin transactivating factor-1)などとしても知られています。

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