PSA NCAM 抗体は、神経細胞接着分子(N-CAM)のポリシアル化分子PolySialic Acid-NCAM(PSA-NCAM)を検出する抗体です。
背景
神経細胞接着分子(N-CAM)とそのポリシアル化分子PSA-NCAMは、神経およびシナプス可塑性の様々なところに含まれます。
アビサイス社のマウスPSA-NCAM 抗体は、生存能力の高い髄膜炎菌グループB(strain355)で生産しており、ノイラミン酸にに結合するα2-8(NeuAc-alpha 2-8)と反応します。このポリマーは、ポリシアル酸(polysialic acid、PSA)と呼ばれます。元来、脊椎動物のポリシアル酸は、NCAM(CD)とは結合しませんが、バクテリアでは、髄膜炎菌グループBの capsulaに関連しています。
神経発生におけるPSA NCAM
前駆細胞の活性化の増加による神経発生は、成体げっ歯類の海馬上隆起で起こり、学習能力において、重要な役割を担っています。NCAMを欠失したマウスの PSA NCAMの発現の変化は、表現型が変化し、神経の可塑性の摂動と認知機能の勝敗を引き起こします。ニコチン中毒における可塑性の影響がニコチン処理したマ ウスで調査されました。(図3)
ES細胞分化の初期段階ニューロン系統における選択マーカー
in vitro におけるES細胞の分化は胚様体への凝集によって誘導されます。4日目の胚様体はを神経分化に適した培地で培養します。神経前駆体は、FGS2存在下で拡 大し、成長因子の使用を中止すると分化が誘導されます(図4)。
PSA-NCAM は、神経由来のES細胞の高純度選択に適したマーカーです。これらの細胞は、イムノパニングや、蛍光分析のような免疫学的手法における PSA-NCAM を用いることで選択や濃縮が可能となります。
使用例
図3.歯状回細胞のPSA-NCAMを標識
a:コントロール、b:0.04mg/kgの濃度でニコチン処理したマウスの染色図(100X)。この実験結果から、ニコチンがPSA-NCAMの発現を減少させていることから、神経毒性の初期マーカーとして利用できる。
図4.PSA NCAMイムノパニング由来のES細胞の量
A:成長因子使用中止後2日目のES細胞由来神経前駆細胞をイムノパニング法で分離した。グラフは、選択したβ-?チューブリン陽性細胞(IP)と未選択のトータル数をしめす。
B:PSA NCAM陽性細胞(赤)をイムノパニングの2日後にβ-?チューブリン(緑)に二重標識したもの。
PSA NCAM抗体
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Anti PolySialic Acid-NCAM(PSA-NCAM), Human (Mouse) , 2-2B![]() |
AYS | ABC0019 | 50 UL |
¥151,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について