ヒト血清・血漿中の可溶性トロンボモジュリンをサンドイッチELISA法で定量するキットです。 スタンダードとネイティブなヒトトロンボモジュリン間に並行性があることから、信頼性があるヒトトロンボモジュリン測定が行えます。
背景
トロンボモジュリンとは
トロンボモジュリン(別名 CD141または BDCA-3)は、ほとんどの血管内皮細胞表面に存在している557個のアミノ酸からなる膜貫通糖タンパク質です。胎盤、子宮筋層などの妊娠にかかわる組織や、多形核好中球、単球にも存在します。トロンボモジュリンは、プロテインC経路を介して凝固因子第V・第VIII因子を不活性化し、過剰な凝固を阻止する中心的な役割を果たしています。プロセッシング後に、N端が取り除かれた70 〜 100 KDaのタンパク質が得られています。トロンボモジュリンは、レクチン様領域D1、EGF様領域D2、セリン/スレオニンに富む細胞外領域D3、膜貫通領域D4、細胞質領域D5の5つのドメインからなります。トロンボモジュリンはトロンビンと複合体を形成します。この複合体は、プロテインCを活性型プロテインC(APC)に変換します。APCは、凝固カスケードの下流に必要な凝固因子第Va因子(活性化された第V因子)と第VIIIa因子(活性化された第VIII因子)を分解に導き、トロンビンを消失させます。トロンボモジュリンはトロンビンに1対1で結合し、その複合体はプロテインCを著しく活性化します。凝固カスケードが活性化されると、プロトロンビンは、第Va因子(活性化された第V因子)/第VIIIa因子(活性化された第VIII因子)によりトロンビンに変換され、最終的にフィブリン血栓が形成されます。
トロンボモジュリンの第一の機能は、内皮に血栓ができることを防ぐことですが、細胞外ドメインを持つ可溶性バリアントは血清や尿などに存在しています。可溶性トロンボモジュリンは、凝固を防ぐ働きがあることから、血管内皮細胞の損傷マーカーと考えられています。トロンボモジュリン濃度の上昇は、アテローム性動脈硬化症のような内皮損傷や肺損傷に関連した炎症性の疾患と関連しています。可溶性トロンボモジュリンは、炎症の状態を反映しています。トロンボモジュリンとトロンビンの複合体は、APCを介してサイトカインの産生を抑制します。 また、トロンボモジュリンは、I 因子を介した C3bの不活化を促進することにより補体系において効果的な働きをしています。トロンボモジュリンの変異は、補体を過活性させ、非定型溶血性尿毒症症候群の原因になる可能性があります。
特長
- 適用サンプル:ヒト 血清・血漿
- アッセイ時間:3時間半
- 検出範囲:31.3 〜 2000 pg/mL
構成内容
- 20× 洗浄バッファー
- 10× 希釈バッファー
- スタンダード
- ビオチン標識トレーサー
- ストレプトアビジン-ペルキシダーゼ
- TMB基質
- 反応停止液
- コート済み 12マイクロタイターストリップ
ヒト 水溶性トロンボモジュリン測定ELISAキット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
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Thrombomodulin, soluble ELISA kit, Human | HCB | HK383-01 | 1*96 WELL |
¥161,700 |
Thrombomodulin, soluble ELISA kit, Human | HCB | HK383-02 | 2*96 WELL |
¥261,800 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
- 「ヒト 水溶性トロンボモジュリン測定ELISAキット」は、下記のカテゴリーに属しています。