本製品は、組織因子経路阻害剤(TFPI)が組織因子/FVIIa複合体に対して阻害効果を示すヒト血漿中においてTFPI活性の測定を目的とした発色性アッセイです。
背景
TFPIはLDL、HDL、およびVLDLと複合体を形成してヒト血漿中を循環し、分子量36,000、分子量43,000、および切断型といった複数の形態で存在します。全TFPI中のおよそ10%が血小板に輸送され、トロンビンにより活性化されるとTFPIを放出します。血小板が凝集する創傷部位では、より高レベルのTFPIが存在します。この阻害剤が最初に単離されたことより、TFPIが組織因子(TF)の凝血促進活性を阻害することがわかりました。すなわち、TFPIはTF/FVIIa複合体を阻害し、第Xa因子のセリン活性化部位またはその近郊に結合することで直接的に第Xa因子を阻害します。
特長
サンプル | クエン酸にて採取した血漿 |
---|---|
サンプル調製 | 1:20希釈 |
サンプル容量 | 20 µLの希釈サンプル |
アッセイ時間 | 1.5時間 |
標準範囲 | 0 - 0.2 U/mL |
検出限界 | N.D. |
精度 | N.D. |
試験数 | 100 |
構成内容
- 1バイアル:再脂質化組織因子、50 ng(凍結乾燥)
- 1バイアル:ヒト第VIIa因子試薬(凍結乾燥)
- 1バイアル:ヒト第X因子、25 µg(凍結乾燥)
- 1バイアル:SPECTROZYME® FXa、5 µmoles(凍結乾燥)
- 1バイアル:TFPI標準物質、0.2 unit/mL(凍結乾燥)
- 1バイアル:TFPI枯渇血漿、0.5 mL(凍結乾燥)
- 1バイアル:TFPI参照血漿、0.5 mL(凍結乾燥)
- 1バイアル:アッセイ緩衝液(5x濃縮)、5 mL
原理
TFPIの阻害機構は2段階過程から成ります。最初のステップでは、TFPIがKunitz-2ドメインを介して第Xa因子に結合します。次に、TFPI/FXa複合体がKunitz-1ドメインを介してTF/FVIIa複合体に結合し、不活性なTFPI/FXa/TF/FVIIa四次複合体を形成します。第Xa因子の直接的阻害は1:1の化学量論に準じて行われ、カルシウム依存性ではありません。さらに、第Xa因子の阻害はKunitz-2ドメインを介したTFPI結合のみに依るわけではありません。TFPIのC末端領域はTFPIと第Xa因子間の高親和性結合と引き続き生ずる第Xa因子阻害を必要とします。TFPIはヘパリン投与後に血中に放出され、このヘパリンによりTFPIの第Xa因子阻害が促進されます。
プロトコール概要
- TFPIスタンダード/リファレンス血漿/サンプルの添加
- TF / FVIIa複合体の添加
- 37°Cで30分間インキュベート
- ヒト Factor Xの添加
- 37°Cで15分間インキュベート
- EDTAの添加
- SPECTROZYME FXa基質の添加
(SPECTROZYME FXaを添加すると反応が始まり、時間の経過とともに溶液が黄色に変わります。) - 氷酢酸の添加(反応を停止するため)
- 吸光度の測定(測定波長:405 nm)
製品データ
組織因子経路阻害剤(TFPI)活性測定キット
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
TFPI Chromogenic Activity Kit (ACTICHROME TFPI)![]() |
BDX | 848 | 1 KIT [100 tests] |
¥321,000 |
【関連商品】
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
Tissue Factor ELISA (IMUBIND(R) Tissue Factor ELISA), (Strip-well), Human![]() |
BDX | 845 | 1 KIT [96 tests] |
¥344,000 |
TF Chromogenic Activity Kit (ACTICHROME TF)![]() |
BDX | 846 | 1 KIT [100 tests] |
¥319,000 |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
- 「組織因子経路阻害剤(TFPI)活性測定キット ACTICHROME® TFPI」は、下記のカテゴリーに属しています。