TNF-R1 soluble ELISA キットは、ヒトの細胞培養上清、血清中の TNF-R1 soluble を、比色法により定量的に測定できる ELISA キットです。
背景
TNF-R(Tumor Necrosis Factor Receptor)とは
腫瘍壊死因子(TNF:Tumor Necrosis Factor)は、一部の可移植性マウスやヒトの腫瘍に対して出血性壊死を引き起こすサイトカインとして、動物の血清から発見されました。in vitro では正常細胞ではなく、腫瘍細胞に対して細胞毒性を示すことが知られています。
TNF ファミリーは、2種類のタンパク質、TNFα(cachectin:カケクチンとも呼ばれる)とTNFβ(lymphotoxin:リンホトキシンとも呼ばれる)からなり、さまざまな生物学的作用を媒介します。TNFα と TNFβ は、1細胞当たり数100から20,000コピー以上の特異的なレセプターを介して作用することが示されています。
TNF レセプター(Tumor Necrosis Factor Receptor)は、線維芽細胞、内皮細胞、脂肪細胞、肝臓膜、顆粒球、およびいくつかの腫瘍細胞株を含むヒトの体細胞上に見られます。正常細胞、悪性のヒト骨髄系細胞、マイトジェン刺激リンパ球は、同数の TNF レセプター(1細胞あたり400〜1,900個)を発現しますが、休止リンパ球はこれより少なく、赤血球や血小板は検出可能な TNF レセプターを有していません。多くの場合、レセプター数と TNF に対する感受性との間に相関関係は認められません。
ゲルろ過クロマトグラフィーによる解析によると、TNF レセプターは分子量350kDa の異なるタンパク質の複合体であると考えられます。さまざまな細胞株で、2つのタイプの TNF レセプター(75〜80kDa と 55〜60kDa)が同定されています。TNF がレセプターに結合した後のシグナル伝達の正確なメカニズムは明らかになっていません。
本製品は、血清または細胞培養上清中の可溶性 TNF-R (60kDa)の濃度を測定することができます。
仕様
交差性 | サンプルタイプ | 感度 | 測定範囲 |
---|---|---|---|
Human | 細胞培養上清、血清 | 53 pg/ml | 0.08 - 5 ng/ml |
TNF-R1 soluble ELISA キット
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
※ 表示価格について
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