記事ID ： 42817

ToBRFVを高感度で検出 Tomato brown rugose fruit virus　ELISAテスト

メーカー名：Bioreba AG

Tomato brown rugose fruit virus　ELISAテスト

本キットは、ドイツ由来のトマトから分離されたToBRFVに対するポリクローナル抗体が含まれており、葉および種子に含まれるToBRFVの検出に適しています。また、ドイツ、イタリア、オランダ、イスラエルから採取されたToBRFVでテスト済みです。この抗体はタバコモザイクウイルス（TMV）、トマトモザイクウイルス（ToMV）、pepper mild mottle virus（PMMoV)との交差性が見られ、他のTobamovirus属と交差する可能性もあります。cucumber green mottle mosaic virus (CGMMV)との交差性は見られませんでした。
＊本キットではライプニッツ研究所DSMZ（ドイツ）で開発された抗体をベースにしています。

背景

トマトブラウンルゴースフルーツウイルス(ToBRFV)は、「ヨルダンウイルス」としても知られ、2014年からイスラエルに存在しているとされています。2015年にヨルダン¹⁾で、2017年にはイスラエル²⁾で初めて発見されました。ヨーロッパでは、2018年にドイツで初めて報告されました³⁾。その後、ヨーロッパ全域、また他の大陸(メキシコ、米国、中国など)でも報告されています。ToBRFVは、Tobamovirus属に属し、タバコモザイクウイルス(TMV)またはトマトモザイクウイルス(ToMV)などの他のTobamovirusesに対する抵抗性を打破する特性を有することが示されました²⁾。ToBRFVは品種によって異なる症状を引き起こします。
観察された病徴として、果実上では黄色または茶色のしわのある斑点、変形、不規則な成熟が見られ、葉では狭小化およびモザイク状の変色が見られました。ToBRFVの宿主植物としては、主にトマト(Solanum lycopersicum)およびペッパー(Capsicum spp.)が挙げられます。現時点では、ジャガイモ(Solanum tuberosum)は、ToBRFVの宿主植物ではないとされています。
2020年9月には、欧州・地中海植物保護機構(EPPO)は、検疫害虫として規制が推奨される害虫のEPPO A2リストにToBRFVの追加が承認されています。

サンプル

宿主植物：Tomato、Pepper
サンプル：葉および種子

推奨希釈

宿主	サンプル	感染度合	推奨希釈
Tomato	葉	高い	1：1.2×10⁶希釈
	種子	100%	1：3.9×10⁶希釈
		40%	1：3.9×10⁵希釈
		10%	1：4.4×10⁴希釈
		1%	1：1.5×10⁴希釈

参考文献

Salem N., Mansour A., Ciuffo M., Falk B., Turina M. 2016. A new tobamovirus infecting tomato crops in Jordan. Arch Virol. 161(2):503-6.
Luria, N., Smith, E., Reingold, V., Bekelman, I., Lapidot, M., Levin, I., Elad, N., Tam, Y., Sela, N., Abu-Ras, A. and Ezra, N., 2017. A new Israeli Tobamovirus isolate infects tomato plants harboring Tm-22 resistance genes. PloS one, 12(1), p.e0170429.
Menzel W., Knierim D., Winter S., Hamacher J., Heupel M. 2019. First report of tomato brown rugose fruit virus infecting tomato in Germany. New Disease Reports 39:1.
Clark, M.F., and Adams, A.N. 1977. Characteristics of method of enzyme-linked immunosorbent assay for the detection of plant viruses. J. gen. Virol. 34:475-483.