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記事ID : 17628

中枢神経系疾患および脊髄損傷治療に向けた神経三次元組織の構築

ユーザーレポート

原田 香織
Kaori Harada

株式会社サイフューズ

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Products

  • 健常者iPS 細胞由来ヒト神経幹細胞 (品番:AX0015)
  • Neural Maintenance Medium Kit (品番:AX0031)
  • Neural Unlock (品番:AX0044)

メーカー:Axol Bioscience Ltd メーカー略号:AXO

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健常者iPS 細胞由来ヒト神経幹細胞

神経の機能や分化メカニズムの研究に

  • iPS 細胞から分化させた細胞のため、ばらつきが少なく高純度です。
  • 神経前駆細胞の典型的なマーカーであるFoxg1 やPax6 などの発現を確認しています。
健常者ヒトiPS 細胞由来の神経幹細胞

Unlock

Unlock

細胞を培養容器から穏やかに剥離する細胞剥離用試薬

  • 哺乳動物由来成分不含
 

実験内容

我が国における脊髄損傷の患者数は10 万人を超えており、年間約 5,000 人が新たに脊髄損傷となっている。しかしながら、一旦損傷を受けた脊髄の神経は自然に修復・再生されることはなく、未だ決定的な治療法は存在しない。また日本人が寝たきりになる原因の第1位(約40%)は脳卒中である。重症の場合、一度失われた脳の機能が元に戻ることはなく、一命を取り留めたとしても大きな後遺症が問題となっている。

本研究の目的は、損傷を受けた脳・脊髄といった中枢神経系の再生に有効な神経三次元組織を構築し、新たな治療法を提供することである。作製した神経三次元組織は薬剤の神経毒性試験等にも有用であると考えている。

我々は自社開発製品のバイオ3Dプリンター Regenova® を用いて、以下の方法で神経三次元組織を構築した。

  1. Human iPSC-Derived Neural Stem Cells(品番:AX0015)を Neural Maintenance Medium(品番:AX0031)を用いて2D培養した後、Neural Unlock(品番:AX0044)を用いて細胞を回収。低接着性の 96 well U底プレートに播種し、37℃、5% CO2 で2日間培養した。
  2. 図1
    2日後、直径約 500 μm のスフェロイドが形成されたことを確認し、バイオ3Dプリンター Regenova® を用いて 9x9 剣山に 3x2x2 個のスフェロイドから成る構造体を2つ作製した。
     
  3. 図2
    スフェロイドが積層された剣山を Neural Maintenance Medium(品番:AX0031)を入れた滅菌コンテナー内で培養し、タイムコースをとって、細胞分化・組織の成熟を検討した(〜 4週間)。
     

結果

剣山培養9日後、スフェロイド同士は融合しており、固定・染色を行った結果、構造体内にロゼット構造が確認され、増殖マーカーである Ki-67 が発現していた。

図3

2 〜 4週間後には、さらに神経分化が進み、特に構造体の外層部分に分化した細胞が観察された。

図4

神経三次元組織をマウス脳に移植し、1ヶ月後に剖検した結果、生体脳組織への生着および血管新生が観察された。

図5

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