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記事ID : 17151

LED トランスイルミネーターBLooK および Novel Green を用いた核酸の検出

ユーザーレポート

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立花 研 先生
Ken Tachibana

日本薬科大学 薬学科 健康生命科学分野

Products

  • BLooK, LED Transilluminator (品番:BK001)
  • Novel Green Plus (20000X) (DNA Staining Reagent)(品番:LD003-0500)

メーカー:Bio-Helix CO., LTD. メーカー略号:GDX

GeneDireX, Inc. appnote_title_use.jpg

■ BLooK −ブルック− 青色LED トランスイルミネーター

UV を使用せずに核酸・タンパク質を検出できる!

  • 人間工学に基づいた4°の視野角(特許取得)
  • 蛍光色素で染色した核酸およびタンパク質に最適
  • 長寿命 30,000 時間の青色光源
  • UV ダメージの危険がなく、実験の質が向上
  • 省電力機能 - 5分後に自動電源オフ- を搭載。
  • ゲル切り出し用カッターナイフ 付き。

 

バージョンアップ品が出ました!BluPAD Dual 青色光 / 白色光 LED トランスイルミネーター

Novel Green

電気泳動のDNA を高感度・高品質で染色する、非変異原性の蛍光試薬

  • 非変異原性の蛍光色素
  • 超高感度:SYBR Green I より高感度
  • フレキシブル:プレキャストもポストゲル染色も可能
  • 標準的なUV ライトとも青色トランスイルミネーターとも互換性あり

実験内容

核酸を用いる実験では、アガロースゲルやポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳動とトランスイルミネーターによる検出が必要となることが多い。従来、エチジウムブロマイド(EtBr)が核酸の検出に広く用いられているが、その変異原性や発がん性といった毒性が問題とされている。特に、大学等では実験手技に十分に習熟していない卒業研究生などが扱う機会も多いため、これらの毒性に対する配慮が必要と思われる。また、EtBr染色後の核酸の検出には紫外線(UVトランスイルミネーター)が用いられるため、サンプルに生じるダメージが問題になることがある。

現在は、各試薬会社からEtBrに比べて毒性が低いとされる様々な蛍光試薬が販売されているが、これらの検出試薬は紫外線での検出が不可能、あるいは検出感度が低いため、従来使用されてきたUVトランスイルミネーターが使用できないことも多い。そのため、試薬の切り替えと同時にトランスイルミネーターの買い替えが必要となることもある。

コスモ・バイオ社から販売されているGeneDireX社のLEDトランスイルミネーターBLooKは比較的安価であり、小型で保管にも場所を取らず、また、写真の撮影も特殊な装置が不要で携帯電話のカメラで撮影可能であることなど利点が多いことから本製品を導入することにした。染色試薬には同社のNovel Green Plus を使用することにした。
※現Bio-Helix社(2023年4月3日コスモバイオ追記)

購入当初、学生実験に用いるのに良いという情報をいただいていたが、実際に使用してみたところ論文や学会発表にも十分な質の写真を撮影することが可能であった。ある遺伝子AおよびBについて得られたPCR産物についてアガロースゲル電気泳動を行い、Novel Green Plus あるいはEtBrを用いて検出した。PCRはBIONEER社のTaq polymerase(品番:E-2011)を用いて推奨のプロトコールにしたがって行い、標的遺伝子特異的なバンドを得ることができた。Novel Green Plus で染色した同一のゲルをBLooKとUVトランスイルミネーターの双方で検出した(図1)ところ、BLooKでは十分なシグナルが得られたが、UVトランスイルミネーターでの検出感度は低かった(図1)。Novel Green Plus のデータシートでは紫外線でも弱いながらも励起されると記載されているが、Novel Green Plus を用いた核酸の検出はBLooKで行うのが最適だと考えられる。また、一概には比較できないが、従来のEtBr染色後にUVトランスイルミネーターで検出する場合とNovel Green Plus での染色後にBLooKで検出する場合ではほぼ同等に検出できる印象であった(図1、図2)。なお、BLooK には露光時間などを調整する機能は付いていないが、Novel Green Plus の濃度や染色時間を調整することで対応している。

BLooK とNovel Green Plus を用いた核酸の検出は、従来の検出感度を維持したまま、EtBrの毒性やサンプルへのダメージを回避することが可能と考えられ、有用な実験系であると思われる。

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従来の検出感度を維持したまま、EtBrの毒性やサンプルへのダメージを回避することが可能と考えられる


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