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記事ID : 18003

分散したヒト iPS 細胞からの胚様体形成と心筋細胞への分化誘導

ユーザーレポート

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大貫 喜嗣 先生
Yoshitsugu Ohnuki

山梨大学大学院 総合研究部 助教

Product

メーカー:Biological Industries Ltd.  メーカー略号:BLG

Biological Industries Ltd. appnote_title_use.jpg

NutriStem® hPSC XF ゼノフリー培地(ヒト ES 細胞/ヒトiPS 細胞用)

フィーダーフリーでシングルセルクローニングが可能なゼノフリー培地

米国FDAドラッグマスターファイルに登録
NutriStem® hPSC XF が2016年12月に米国FDAのドラッグマスターファイル(DMF)に登録されました !! NutriStem? hPSC XF ヒトES/ iPS 細胞用ゼノフリー培地
  • Ready-to-use: ワンボトルタイプで、用時調製する必要なし
    (アラニルグルタミンやサプリメントを含有済み)
  • ヒト由来の精製もしくはリコンビナントタンパク質を含みます
    - ヒト組換えタンパク質:bFGF(低濃度)、TGF β、insulin
    - ヒト由来タンパク質:アルブミン、トランスフェリン
  • フィーダーフリー培養(Matrigel® 、iMatrix、ラミニン521、ビトロネクチン等)、フィーダー培養条件(HFF、MEF)の両方で培養可能
  • ES/iPS 細胞の優れた増殖が可能(例:H9.2、I6、I3.2、H1)
  • ES 細胞にて長期間培養(50 継代以上)を確認済
  • ES 細胞にて細胞の多能性を維持を確認済(胚様体形成およびテラトーマ形成)
  • ES 細胞の正常な表現型および核型を維持
  • 使用文献100 報以上!!
  • シングルセルでの継代が可能
 

実験内容

ヒトiPS 細胞由来心筋細胞は、再生医療や創薬および安全性薬理試験など幅広い分野への応用が期待されています。そのため、継代培養時からのフィーダーフリー化が望ましく、分化誘導の再現性や発生する終末組織細胞の均一性を向上させることが重要だと考えられています。我々は、Biological Industries社の NutriStem® hPSC XF ゼノフリー培地(以下、NutriStem)を使用し、ヒト iPS 細胞を継代培養、および均一な大きさの胚様体形成を行いました。

Accutase により分散したヒト iPS 細胞を 10 µM Y-27632 含有 NutriStem に懸濁後、Lipidure 96U-A プレート(日油)に 1000, 3000, 9000 cells/well/200 µL にて播種し、4 日間の浮遊培養によって胚様体を形成しました(図1 上)。形成された胚様体の大きさは初期播種細胞数で制御できることが明らかとなりました。

浮遊培養4 日目の胚様体と大きさのヒストグラムおよび正規分布

図1 浮遊培養4 日目の胚様体と大きさのヒストグラムおよび正規分布
スケールバーは 500 µm

形成した胚様体を Cardiomyocyte differentiation kit(Thermo Fisher Scientific社)に移し、Lipidure 96U-A プレートにて4 日間の浮遊培養を行いました。その後、ゼラチンコート上へ胚様体を移し、 8 日間の接着培養によりヒト iPS 細胞を心筋細胞へ分化誘導しました。接着培養後2日目(day 9)から拍動性心筋細胞の発生が確認できました。特に、初期播種細胞数 3000 cells/well の条件下では、接着培養3日目に全ての胚様体で拍動性心筋細胞が確認できました(図2)。培養16日目には強い拍動を伴った心筋細胞を in vitro にて観察できました。

接着培養期間中に発生した拍動性心筋細胞の割合

図2 接着培養期間中に発生した拍動性心筋細胞の割合

以上の結果は、NutriStem を使用することにより、フィーダーフリー条件下で培養したヒト iPS 細胞から均一な大きさの胚様体が形成可能であり、安定的な心筋細胞分化に有用であることを示しています。


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