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記事ID : 14042

Applied Biological Materials(APB)社 iCRISPR/Cas9 ゲノム編集用iCRISPR製品 プロトコール


プラスミド増幅

APB社では、プラスミドDNAを10mM Trisに入れてご提供しており(特別なご指定のない限り)、標準的なDH5αE.coli株に直接形質転換することを意図しています。APB社より入手した何れのプラスミドを増幅する場合も、DH5αコンピテントセルに形質転換し、単一コロニーを拾って一般的なプラスミドミニプレップを行います(タンパク質発現用E.coli株はプラスミド抽出や精製に向かない場合があるため、プラスミド増幅への使用はお奨めしません。)。プラスミドの抗生物質選択を確認してください。コードされる耐性遺伝子は通常、アンピシリン、カナマイシンまたはスペクチノマイシンですが、テトラサイクリンやクロラムフェニコールをもつ場合もあります。APB社のpLentiベクターは全て高コピー数プラスミドです。

■ DH5αコンピテントE.coliセルのサブクローニング効率

  • 最良の結果を得るためにAPB社のProClone™ Competent Cells (品番: E003)をご利用ください
  • コンピテントセルは4x1.25mL容量で提供されます。-80℃で保存してください。
  • 凍結溶解の繰り返しを避けるため、分注保存してください。
  • 湿った氷上にバイアルを静置して溶解します。セルを分注する前に新しいチューブを冷却しておきます。
  • 溶解後、ゆっくりと反転させてセルを混合します。
  • 直ちに50μLずつ分注し、ドライアイス/95%エタノール内で再凍結します。

■ 形質転換プロトコール

  1. ProClone™ Competent DH5α cell(品番: E003)を湿った氷上で溶解する。
  2. 1μLのプラスミドを添加する。プラスミド濃度が既知の場合、10ng/μLに希釈して1μL使用する。チューブを軽くたたいて混合する。氷上で30分間静置する。
  3. 42℃のウォーターバス内で45秒間きっちりと熱処理する。
  4. チューブを氷上に戻し2分間静置する。
  5. 150μLの滅菌済みLB培地を加え、37℃、240rpmに設定した培養震盪器内で1時間震盪培養する。
  6. 全量を適切な抗生物質を含むLB寒天培地上に撒く。(濃度は下記参照)
  7. 37℃で一晩培養(16時間程度)してコロニーを形成させる。もしコロニーが凝集している場合は、1μLのセルを100μLのLBに加え、新しい抗生物質入りLBプレートに撒く。
  8. 4〜10mLの抗生物質を含むLB培地に単一コロニーを接種する。37℃、240rpmに設定した震盪培養器で一晩(16〜18時間)培養する。
  9. 一般的なミニプレッププロトコールに準じてプラスミドを単離する。

抗生物質選択

KanR: 50 μg/ml カナマイシン
AmpR: 100 μg/ml カルベニシリン/アンピシリン
SpecR: 50 μg/ml スペクチノマイシン
TetR: 12.5 μg/ml テトラサイクリン
CamR: 25 to 34 μg/ml クロラムフェニコール

レンチウイルスパッケージング

以下は、最大106 IU/mLタイターの組換え型レンチウイルス粒子産生用プロトコールです。実験結果の評価の手だてとするため、ネガティブコントロール(DNAまたはトランスフェクション試薬なし)のご使用をお奨めします。
レンチウイルスパッケージングを始める前に、適切な量の発現DNA(10μgプラスミド/10 cmディッシュ)があることを確認します。DNA増幅ステップでは、通常、標準的な細菌の形質転換プロトコールを利用します。APB社では、E.coli DH5α株によりレンチウイルスパッケージング用プラスミドが高収量で産生でき、また組換えが生ずるリスクが低いことを確認しているため、ご提供したDNAプラスミドの増幅にはE.coli DH5α株のご利用をお奨めします。

■ レンチウイルスパッケージングプロトコール

1日目:

1.午後に、〜1.2 x 107 293T細胞を10cmディッシュに播種する。

2日目
(ステップ2〜6を
トランスフェクション当日の
午前中に行う):

2.細胞密度が70〜80%であることを確認する。

3.
a) 10 cmディッシュごとに下記に準じてトランスフェクション複合溶液を調製する。
溶液A: 20 μgのDNAプラスミド(発現ベクター10μgとAPB社の第2世代(品番:LV003)または第3世代(品番:LV053)パッケージングミックス 10μg)を1mLの無血清かつ抗生物質を含まない培地に加えて希釈する。
溶液B: 80μLの LentiFectin™ トランスフェクション試薬(G074)を1mLの無血清かつ抗生物質を含まない培地に添加する。
b) 上記溶液を室温で5分間静置する。
c) 溶液Aと溶液Bをよく混合し、室温で20分間静置する。これによりトランスフェクション複合体が形成される。

4.4.5mLの無血清培地をトランスフェクション複合体に添加する。

5.10cmディッシュに播種している細胞より培地を除去する。

6.ステップ4で調製したトランスフェクション複合体を細胞に添加し、37℃で5〜8時間培養する。細胞が外れないようディッシュの壁面よりゆっくりと混合溶液を添加する。

7.10cmディッシュに0.65mLのFBSを添加し、37℃で一晩培養する。

3日目:

8.細胞よりトランスフェクション培地を除去する。

9.10mLの完全培養培地を細胞に添加する。

10.37℃で24時間培養する。

4日目(収穫):

11.培養ディッシュより上清培地を回収する。

12.上清を4℃、3000rpmで15分間遠心し、細胞の残骸を沈降させる。

13.清澄な上清を新しいチューブに移しとり、低タンパク質結合性の0.45μM滅菌フィルターでろ過する。

14.最初に収穫したウイルスタイターは106 IU/mL程度である。ろ過した上清はin vitro 感染や濃縮に使用できる。または、-80℃で保存することもできる。凍結溶解の繰り返しによるウイルスタイターの低下を避けるため、長期保存の場合は分注することが望ましい。

15.1回目の収穫後、細胞に10mLの完全培地を加えて37℃でさらに24時間培養し、2回目の収穫を行うこともできる。1回目の収穫物を4℃で一晩保存し、翌日に2回目の収穫品をこれに追加することもできる(上清を凍結するとタイターの顕著な低下を招く恐れがある)。

5日目:

16.ステップ11〜13に準じて2回目の上清回収を行い、1回目の収穫物に加える。
注:VSV-G糖タンパク質発現は293T細胞の融合の原因となるため、融合細胞として知られる大型の複数核細胞様式を示す。この形態変化は正常であり、レンチウイルス産生には影響しない。

17.ウイルスタイターが106 IU/mLより高い場合、APB社がご提供するqPCRレンチウイルスタイターキット(LV900)を用いて迅速かつ簡単にタイター測定が可能です。濃縮が必要な場合には、APB社のUltra Pure Lentiviral Purification Kit(品番:LV998)によりウイルス濃縮をすることも可能。

標的細胞へのレンチウイルス感染

重要な注意事項

哺乳動物細胞へのトランスダクション効率は実験条件下によって顕著に異なります。感染に使用したウイルス濃度、ウイルスへの曝露時間、およびウェルやプレートの生長領域なども関与します。対象とする標的細胞における望ましい感染効率(MOI)を知るのに必要なウイルス濃度を決定するためには、レポーター遺伝子をもつウイルス粒子(例:GFPコントロール 品番:LV006またはβ-galコントロールレンチウイルス 品番:LV007)を利用したトランスダクションの予備試験を1 μl, 5 μl, 10 μlおよび100 μlといった異なる容量範囲において複数回行うことが理想的です。この予備試験結果を最も感染細胞の割合が高くなると思われる至適濃度決定に利用します。
抗生物質選択をしない場合、下流のアッセイはトランスダクションから48〜72時間後に行います。抗生物質選択を行うか否かは標的細胞のトランスダクション効率や増殖率ならびに計画している生物学的アッセイに応じて決定します。感染効率の高い細胞(例:HEK293, HT1080, HeLa, MDA-MB0468細胞など)の場合、抗生物質選択を行うことなくほとんどの生物学的アッセイを行うことができます。感染に耐性の細胞に対しては、レンチウイルスコンストラクトを定常発現しているクローンのみを選択して下流のアッセイを行うことが理想的です。

■ 感染プロトコール

下記のプロトコールは一般的なガイドラインとしてご提供していますので、標的細胞へのトランスダクションにおける最適条件を決定するための出発点としてご利用ください。

  1. ウイルス感染の24時間前に標的細胞を24穴プレートの各ウェルに0.5×105 細胞ずつ播種する。0.5mLの完全至適培地(血清と必要であれば抗生物質を含む)を添加後、5% CO2存在下の37℃で一晩培養する。
    注:トランスダクションに異なる形式のプレートを使用することもできる。その場合、使用するウェル/プレートにおける生長範囲に応じて播種する細胞数を調整する必要がある。
  2. ポリブレンを完全培地に加えて8μg/mL濃度とする。ウェルより生育培地を除去し、ウェルごとに0.5mLのポリブレン/培地混合溶液を添加する(培地容量は使用するプレートサイズに準じて適宜変更する)。標的細胞の感染効率が低い場合、ViralPlus Transduction Enhancer (品番:G698)を1:100(または最適化させた希釈率)で添加する。
  3. 予備実験より、標的細胞に対する有効なMOIが決定できている場合、これに準じて適切なウイルス量を標的細胞に感染させる。Cas9とsgRNAレンチウイルスは標的細胞に対して同時感染することもできる。
    ポジティブコントロールとして使用するウェルの1つにGFPコントロールウイルスを使用するとともに、他のウェルの1つに空のウイルスコンストラクトをコントロールとして使用するとよい。1つのウェルはウイルスを感染せずに放置して標準コントロールとする。
    感染後、細胞を5% CO2存在下の37℃で一晩培養する。
  4. 培養溶液を除去し、1mLの完全培地と置換する。細胞は5% CO2存在下の37℃で一晩培養する。
  5. 翌日、細胞を1:3または1:5に分割(使用細胞の細胞成長率に応ずる)し、完全培地を用いてさらに48時間培養する。
  6. その後、死滅曲線より決定した適切な抗生物質の最低濃度を利用して、感染細胞より定常発現細胞を選択できる。その後、ウェスタンブロット、配列決定、surveyorアッセイといった種々の技術を利用し、ゲノム編集アッセイを行うことができる。

 

構築済みアデノウイルスの増幅

APB社の構築済みアデノウイルスはシードストックとしてのみご提供しています。そのため、in vitroトランスダクション等を行う前に増幅して頂く必要があります。in vivo注入用には大容量でのウイルス産生と精製が必要となります。

重要情報
アデノウイルスシードストックは可能であれば1つずつ個別に異なる滅菌ベンチや培養装置を用いて増幅することを推奨します。もし、これら機器が1つしかない場合、各ウイルスを経時的に増殖するとともに、各ウイルスを使用した後に30分間のUV照射を行います。2種類以上のアデノウイルスを同時に使用することが相互汚染の主な原因となることから、ウイルスごとに異なるトリプシンや培地容器のご利用をお奨めします。

■ 増幅プロトコール

  1. 組換え型アデノウイルスを入手後、2〜3に分注して1つを293細胞内での増幅に使用する。他の分注品はシードストックとして-70℃で保存する。
  2. アデノウイルスを60〜70%の細胞密度のHEK 293細胞で増幅する。60mmディッシュでは70μLのアデノウイルス、100mmディッシュでは200μLのアデノウイルスを使用して細胞感染を行う。
  3. 95%以上の293細胞がディッシュより剥離した際、細胞と培地の両方を大きめのコニカルチューブに回収する。
  4. 回収した溶液を-70℃の冷凍庫かドライアイス/エタノール内で凍結後、37℃のウォーターバスで溶解する。この凍結溶解を3回繰り返す。
  5. 3,000rpmで10分間、室温で遠心し、細胞片を沈渣させる。
  6. 上清を新しいチューブに移す。すぐに使用する場合(2〜3週間程度)は4℃で保存し、長期保存する場合はグリセロールを最終濃度10%となるように加え-70℃で凍結する(1〜2年程度安定)。
  7. トランスダクション手順
    ウイルスをin vitroトランスダクションに使用する場合、ほとんどのヒト細胞株においてウイルス上清がほぼ100%の導入効率を示すため、ウイルス上清を2回繰り返してCsCl精製する必要はない。in vivo実験の場合には、欠損粒子、細胞片および残余する培地成分により顕著な免疫応答誘導が生ずることがあるため、これらを除去するためにCsCl精製は必須となる。さらに、CsCl精製によりin vivo注入に適したレベルのウイルス濃度に濃縮することができる。
    1. トランスダクション前日に、標的細胞を70%の細胞密度となるよう6穴プレートまたは10cmディッシュに播種する。
    2. 培養培地を吸引除去し、ウイルス培養上清(6穴プレートには1mL, 10cmディッシュには4-5mL)を加えて細胞を覆い、培養器内で1時間培養する。
    3. ウイルス含有培地を除去し新しい完全培地と交換する。
    4. ゲノム編集はトランスダクションから48〜72時間後にウェスタンブロット、配列決定またはSurveyorアッセイなどにより評価することができる。
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