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技術情報

記事ID : 45495

ネオアンチゲン特異的T細胞応答を高感度に可視化
MHC Dextramer®を用いた免疫チェックポイント阻害剤を併用したネオアンチゲンがんワクチンの探索


MHC Dextramer®は、抗原特異的T細胞を高感度に検出可能な試薬です。MHC Dextramer ®試薬を用いて、CT26がんマウスモデルにおいて、ネオアンチゲンDNAワクチン(C20)と免疫チェックポイント阻害剤(抗CTLA-4抗体)との併用により誘導されるT細胞の応答を詳細に解析した事例1)をご紹介します。

IMX_mhc_dextramer_schematic_diagram_01.png

参考文献

  1. Neoantigen cancer vaccine augments anti-CTLA-4 efficacy Salvatori, E. et al., npj Vaccines (2022), 7, 15

研究概要

CT26腫瘍細胞を皮下移植したBalb/cマウスを用い、ネオアンチゲンDNAワクチン(C20)と免疫チェックポイント阻害剤(ICI)として[抗CTLA-4抗体または抗PD-1抗体]の併用効果が検討されました。C20ワクチンはday 7、14、21にエレクトロポレーション法により投与され、ICIはday 6、13、20に投与されました。腫瘍増殖は週2回測定されました。

抗腫瘍効果と関連する免疫応答を評価するため、day 20において腫瘍内リンパ球および脾細胞を回収し、ネオアンチゲン特異的T細胞応答が解析されました。フローサイトメトリー解析では、MHC Dextramer®(H-2Dd/SGPSYATYL)と各種抗体パネルを用いて染色を行い、抗原特異的T細胞を検出しました。

結果

抗CTLA-4抗体の投与とネオアンチゲンDNAワクチン(C20)による免疫を併用した群では、すべてのマウスにおいて100%の腫瘍退縮が認められ、その後250日以上にわたり腫瘍の再発は確認されませんでした(図1b)。

ネオアンチゲン特異的T細胞は、ネオアンチゲンDNAワクチン(C20)を投与したマウスおよび抗CTLA-4抗体を投与したマウスのいずれにおいても、腫瘍組織および脾臓の両方で統計的に有意な増加が認められました。一方で、抗PD-1抗体では同様の増加は認められませんでした(図1c)。

CTLA-4は制御性T細胞で発現することが知られており、抗CTLA-4抗体はこの細胞集団を減少させることが報告されています。本実験条件下では、ネオアンチゲン特異的CD8+T細胞 / 制御性T細胞の比率の有意な増加が確認されました(図1d)。

IMX_mhc_dextramer_neoantigen_vaccine_ici_fig01.jpg
図1:抗CTLA-4抗体とネオアンチゲンDNAワクチン(C20)併用治療による治療効果およびネオアンチゲン特異的免疫応答
a)抗CTLA-4抗体とC20ワクチンを併用した治療スケジュール
b)腫瘍体積の測定結果
c)MHC Dextramer®(H-2Dd/SGPSYATYL)を用い、生細胞中のCD45+ CD3+ CD8+細胞をゲーティングして測定したネオアンチゲン特異的T細胞応答の頻度
d)生細胞中のCD45+ CD3+ CD4+細胞をゲーティングして評価した制御性T細胞集団を、Dextramer®陽性細胞との比として表示
IM: 筋肉注射, ID: 皮内注射

結論

  • MHC Dextramer®により、ネオアンチゲン特異的なエフェクター免疫応答が、腫瘍局所だけでなく末梢においても増強されていることが示されました。
  • MHC Dextramer®は、こうした抗原特異的T細胞応答を詳細に解析するための有用なツールであり、がん免疫療法の評価やワクチン開発において有効に活用できます。
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
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