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技術情報

記事ID : 45504

MHC I/MHC II Dextramer® 染色プロトコール


対象商品

商品名 品番
MHC I Dextramer® Wxxxxxx / Jxxxxxx
MHC II Dextramer® Fxxxxxx

用途

蛍光標識MHC I/MHC II Dextramer®を用いて、抗原特異的CD8陽性T細胞およびCD4陽性T細胞を染色し、フローサイトメトリーにより検出します。1種類または複数種類のMHC Dextramer®試薬を、同一サンプルの染色に使用できます。

別途必要な試薬・器具

  • Falcon製4 mLチューブ(12 × 75 mm)、または同等品
  • Eppendorf製LoBind®チューブ、または同等品
  • 染色・洗浄バッファー:1〜5% FCS含有PBS(pH 7.4)
  • BD Horizon™ Brilliant Stain Buffer(品番:563794、BV421標識商品を使用する場合のみ)
  • 100 µM d-Biotin(PBS、pH 7.4で希釈)
  • 10× PBS(pH 7.4)
  • 抗CD3、抗CD4、抗CD8抗体

染色手順

  1. PBMCの調製
    PBMCを解凍し、染色・洗浄バッファー10 mLで2回洗浄します(注A)。
  2. 細胞懸濁液の調製
    PBMC 1〜3 × 106個を、以下のバッファー50 µLに再懸濁します。クローン化細胞を使用する場合は、2〜5 × 104個を使用します。
    - PE、FITC、APC標識商品:染色・洗浄バッファー
    - BV421標識商品:BD Horizon™ Brilliant Stain Buffer
  3. MHC Dextramer®試薬の調製
    複数種類のMHC Dextramer®試薬を使用する場合は、1.5mL LoBind®チューブに(注B)、試薬1種類あたり以下を添加します。
    試薬 添加量
    100 µMd-Biotin 0.2 µL
    MHC Dextramer® 10 µL
    10× PBS 0.6 µL
    MHC Dextramer®を1種類のみ使用する場合は、d-Biotinおよび10× PBSの添加を省略できます(注C)。
  4. 混合・遠心
    調製した混合液をボルテックスミキサーで短時間撹拌した後、10,000 × gで1分間遠心します。沈殿物を巻き込まないように注意してください。
    混合液は調製後すぐに使用し、保存しないでください。
  5. MHC Dextramer®による染色
    MHC Dextramer®試薬を細胞懸濁液に添加し、短時間撹拌します。
    室温・遮光条件下で、以下の時間インキュベートします(注D)。
    使用する試薬 反応時間
    MHC IDextramer® 10分
    MHC IIDextramer® 30分
    MHC IとMHC IIの混合液 30分
  6. 細胞表面マーカーの染色
    MHC Dextramer®による染色後、以下の抗体を添加します(注E)。
    使用する試薬 推奨抗体
    MHC IDextramer® 抗CD3、抗CD8抗体
    MHC IIDextramer® 抗CD3、抗CD4抗体
    必要に応じて、その他の細胞表面マーカーに対する抗体も添加できます。
    抗体の添加量・濃度は、各メーカーの推奨条件に従ってください。
  7. 抗体反応
    室温・遮光条件下で20分間インキュベートします。
  8. 洗浄
    染色・洗浄バッファー2 mLを加え、300 × gで5分間遠心した後、上清を除去します。 この操作を繰り返し、合計2回洗浄します(注F)。
  9. 細胞の再懸濁
    細胞ペレットを、フローサイトメーターでの測定に適した量の染色・洗浄バッファーに再懸濁します。
  10. フローサイトメトリー解析
    染色後は速やかに測定してください。すぐに測定しない場合は、2〜8℃の遮光条件下で保存し、2時間以内に測定することを推奨します。
    固定した細胞は、2〜8℃の遮光条件下で最大24時間保存できます(注G)。

染色時の注意事項
注A:使用可能なサンプル
MHC Dextramer®染色は、未固定の細胞であれば、各種細胞懸濁液、細胞株、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、全血などに適用できます。全血サンプルを使用する場合は、赤血球溶解処理の前にMHC Dextramer®染色を実施するか、細胞を固定しないタイプの赤血球溶解液を使用してください。

注B:試薬の保管
MHC Dextramer®試薬は、必ず2〜8℃の遮光条件下で保存してください。商品のプラスチック製バイアルには一定の遮光効果がありますが、完全に光を遮断できるわけではありません。

注C:d-Biotinおよび10× PBSの役割
d-Biotinは、染色時のアーティファクトを防ぐために必要です。また、10× PBSは、MHC Dextramer®混合液中の塩濃度を適切に調整するために添加します。

注D:インキュベーション時間の最適化
多数のMHC Dextramer®試薬を混合して染色する場合は、インキュベーション時間を延長する必要が生じることがあります。使用する試薬の組み合わせに応じて、適切なインキュベーション時間を検討してください。

注E:染色順序
抗CD3抗体および抗CD8抗体による染色は、MHC I Dextramer®との同時染色、またはその後に行うMHC I Dextramer®染色に悪影響を及ぼします。そのため、ほとんどの場合、MHC I Dextramer®による染色を先に行い、その後に抗CD3抗体および抗CD8抗体で染色することを強く推奨します。同時に染色すると、MHC I Dextramer®の染色強度が大幅に低下します。

注F:96ウェルプレートでの染色
96ウェルマイクロプレートでも染色を実施できます。その場合は、抗体とのインキュベーション後に、各ウェルあたり200 µLの染色・洗浄バッファーを使用して、合計4回洗浄してください。各洗浄工程では、300 × gで5分間遠心した後、上清を除去します。

注G:細胞の固定
MHC Dextramer®で染色した細胞は、PBSで調製した2%メタノールフリーホルマリンを使用して固定できます。固定したサンプルは、フローサイトメーターで測定する前に、染色・洗浄バッファーで洗浄し、再懸濁することができます。

フローサイトメトリー解析のガイドライン

解凍したヒト末梢血単核球(hPBMC)を用いて、MHC I Dextramer®により抗原特異的CD8陽性T細胞を同定するためのフローサイトメトリーのゲーティングのガイドラインを示します。

(A)リンパ球集団の選択
前方散乱光(FSC)および側方散乱光(SSC)のプロファイルに基づいて、リンパ球集団を選択します。

(B)シングレット細胞の選択
側方散乱光の高さ(SSC-H)と面積(SSC-A)のプロットを用いてシングレット細胞を選択し、細胞凝集体(ダブレット)を除外します。

(C)生細胞の選択
生死細胞判別用色素(FVS780)による染色結果に基づいて死細胞を除外し、生細胞集団を選択します。以降の解析には、この生細胞集団を使用します。

(D)CD3陽性・CD4陰性細胞の選択
CD4陽性T細胞およびNK細胞(CD8陽性・CD3陰性)を除外するため、CD3陽性・CD4陰性細胞集団を選択します。

(E)CD3陽性・CD8陽性T細胞の選択
続いて、CD3陽性・CD8陽性T細胞集団を選択します。

(F)抗原特異的CD8陽性T細胞の同定
MHC I Dextramer®で染色した細胞と、MHC I Dextramer® Negative Controlで染色した細胞のゲーティング結果を比較し、抗原特異的T細胞集団を同定します。

(G)MHC II Dextramer®によるCD4陽性ヘルパーT細胞の解析
MHC II Dextramer®またはMHC II Dextramer® Negative Controlで染色したCD4陽性ヘルパーT細胞のフローサイトメトリープロットを示します。

IMX_mhc_dextramer_staining_protocol_01.jpg

複数種類のMHC Dextramer®を使用する場合の調製例

1サンプルの場合


試薬の種類数
100 µM d-Biotin MHC Dextramer®総量 10× PBS 合計液量
1種類 0.2 µL 10 µL 0.6 µL 10.8 µL
2種類 0.4 µL 20 µL 1.2 µL 21.6 µL
3種類 0.6 µL 30 µL 1.8 µL 32.4 µL
10種類 2 µL 100 µL 6 µL 108 µL

2サンプルの場合
2サンプル以上の染色液をまとめて調製する場合は、分注時のロスを考慮して20%多めに調製します。


試薬の種類数
100 µM d-Biotin MHC Dextramer®総量 10× PBS 合計液量
1種類 0.2 µL 12 µL 0.7 µL 12.9 µL
2種類 0.5 µL 24 µL 1.4 µL 25.9 µL
3種類 0.7 µL 36 µL 2.2 µL 38.9 µL
10種類 2.4 µL 120 µL 7.2 µL 129.6 µL
お問い合わせ

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。


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