- 関連商品:MHCマルチマー(デキストラマー)
技術情報
対象商品
| 商品名 | 品番 |
|---|---|
| MHC I Dextramer® | Wxxxxxx / Jxxxxxx |
| MHC II Dextramer® | Fxxxxxx |
用途
蛍光標識MHC I/MHC II Dextramer®を用いて、抗原特異的CD8陽性T細胞およびCD4陽性T細胞を染色し、フローサイトメトリーにより検出します。1種類または複数種類のMHC Dextramer®試薬を、同一サンプルの染色に使用できます。
別途必要な試薬・器具
- Falcon製4 mLチューブ(12 × 75 mm)、または同等品
- Eppendorf製LoBind®チューブ、または同等品
- 染色・洗浄バッファー:1〜5% FCS含有PBS(pH 7.4)
- BD Horizon™ Brilliant Stain Buffer(品番:563794、BV421標識商品を使用する場合のみ)
- 100 µM d-Biotin(PBS、pH 7.4で希釈)
- 10× PBS(pH 7.4)
- 抗CD3、抗CD4、抗CD8抗体
染色手順
- PBMCの調製
PBMCを解凍し、染色・洗浄バッファー10 mLで2回洗浄します(注A)。 - 細胞懸濁液の調製
PBMC 1〜3 × 106個を、以下のバッファー50 µLに再懸濁します。クローン化細胞を使用する場合は、2〜5 × 104個を使用します。
- PE、FITC、APC標識商品:染色・洗浄バッファー
- BV421標識商品:BD Horizon™ Brilliant Stain Buffer - MHC Dextramer®試薬の調製
複数種類のMHC Dextramer®試薬を使用する場合は、1.5mL LoBind®チューブに(注B)、試薬1種類あたり以下を添加します。
MHC Dextramer®を1種類のみ使用する場合は、d-Biotinおよび10× PBSの添加を省略できます(注C)。試薬 添加量 100 µMd-Biotin 0.2 µL MHC Dextramer® 10 µL 10× PBS 0.6 µL - 混合・遠心
調製した混合液をボルテックスミキサーで短時間撹拌した後、10,000 × gで1分間遠心します。沈殿物を巻き込まないように注意してください。
混合液は調製後すぐに使用し、保存しないでください。 - MHC Dextramer®による染色
MHC Dextramer®試薬を細胞懸濁液に添加し、短時間撹拌します。
室温・遮光条件下で、以下の時間インキュベートします(注D)。
使用する試薬 反応時間 MHC IDextramer® 10分 MHC IIDextramer® 30分 MHC IとMHC IIの混合液 30分 - 細胞表面マーカーの染色
MHC Dextramer®による染色後、以下の抗体を添加します(注E)。
必要に応じて、その他の細胞表面マーカーに対する抗体も添加できます。使用する試薬 推奨抗体 MHC IDextramer® 抗CD3、抗CD8抗体 MHC IIDextramer® 抗CD3、抗CD4抗体
抗体の添加量・濃度は、各メーカーの推奨条件に従ってください。 - 抗体反応
室温・遮光条件下で20分間インキュベートします。 - 洗浄
染色・洗浄バッファー2 mLを加え、300 × gで5分間遠心した後、上清を除去します。 この操作を繰り返し、合計2回洗浄します(注F)。 - 細胞の再懸濁
細胞ペレットを、フローサイトメーターでの測定に適した量の染色・洗浄バッファーに再懸濁します。 - フローサイトメトリー解析
染色後は速やかに測定してください。すぐに測定しない場合は、2〜8℃の遮光条件下で保存し、2時間以内に測定することを推奨します。
固定した細胞は、2〜8℃の遮光条件下で最大24時間保存できます(注G)。
染色時の注意事項
注A:使用可能なサンプル
MHC Dextramer®染色は、未固定の細胞であれば、各種細胞懸濁液、細胞株、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、全血などに適用できます。全血サンプルを使用する場合は、赤血球溶解処理の前にMHC Dextramer®染色を実施するか、細胞を固定しないタイプの赤血球溶解液を使用してください。
注B:試薬の保管
MHC Dextramer®試薬は、必ず2〜8℃の遮光条件下で保存してください。商品のプラスチック製バイアルには一定の遮光効果がありますが、完全に光を遮断できるわけではありません。
注C:d-Biotinおよび10× PBSの役割
d-Biotinは、染色時のアーティファクトを防ぐために必要です。また、10× PBSは、MHC Dextramer®混合液中の塩濃度を適切に調整するために添加します。
注D:インキュベーション時間の最適化
多数のMHC Dextramer®試薬を混合して染色する場合は、インキュベーション時間を延長する必要が生じることがあります。使用する試薬の組み合わせに応じて、適切なインキュベーション時間を検討してください。
注E:染色順序
抗CD3抗体および抗CD8抗体による染色は、MHC I Dextramer®との同時染色、またはその後に行うMHC I Dextramer®染色に悪影響を及ぼします。そのため、ほとんどの場合、MHC I Dextramer®による染色を先に行い、その後に抗CD3抗体および抗CD8抗体で染色することを強く推奨します。同時に染色すると、MHC I Dextramer®の染色強度が大幅に低下します。
注F:96ウェルプレートでの染色
96ウェルマイクロプレートでも染色を実施できます。その場合は、抗体とのインキュベーション後に、各ウェルあたり200 µLの染色・洗浄バッファーを使用して、合計4回洗浄してください。各洗浄工程では、300 × gで5分間遠心した後、上清を除去します。
注G:細胞の固定
MHC Dextramer®で染色した細胞は、PBSで調製した2%メタノールフリーホルマリンを使用して固定できます。固定したサンプルは、フローサイトメーターで測定する前に、染色・洗浄バッファーで洗浄し、再懸濁することができます。
フローサイトメトリー解析のガイドライン
解凍したヒト末梢血単核球(hPBMC)を用いて、MHC I Dextramer®により抗原特異的CD8陽性T細胞を同定するためのフローサイトメトリーのゲーティングのガイドラインを示します。
(A)リンパ球集団の選択
前方散乱光(FSC)および側方散乱光(SSC)のプロファイルに基づいて、リンパ球集団を選択します。
(B)シングレット細胞の選択
側方散乱光の高さ(SSC-H)と面積(SSC-A)のプロットを用いてシングレット細胞を選択し、細胞凝集体(ダブレット)を除外します。
(C)生細胞の選択
生死細胞判別用色素(FVS780)による染色結果に基づいて死細胞を除外し、生細胞集団を選択します。以降の解析には、この生細胞集団を使用します。
(D)CD3陽性・CD4陰性細胞の選択
CD4陽性T細胞およびNK細胞(CD8陽性・CD3陰性)を除外するため、CD3陽性・CD4陰性細胞集団を選択します。
(E)CD3陽性・CD8陽性T細胞の選択
続いて、CD3陽性・CD8陽性T細胞集団を選択します。
(F)抗原特異的CD8陽性T細胞の同定
MHC I Dextramer®で染色した細胞と、MHC I Dextramer® Negative Controlで染色した細胞のゲーティング結果を比較し、抗原特異的T細胞集団を同定します。
(G)MHC II Dextramer®によるCD4陽性ヘルパーT細胞の解析
MHC II Dextramer®またはMHC II Dextramer® Negative Controlで染色したCD4陽性ヘルパーT細胞のフローサイトメトリープロットを示します。
複数種類のMHC Dextramer®を使用する場合の調製例
1サンプルの場合
試薬の種類数 |
100 µM d-Biotin | MHC Dextramer®総量 | 10× PBS | 合計液量 |
|---|---|---|---|---|
| 1種類 | 0.2 µL | 10 µL | 0.6 µL | 10.8 µL |
| 2種類 | 0.4 µL | 20 µL | 1.2 µL | 21.6 µL |
| 3種類 | 0.6 µL | 30 µL | 1.8 µL | 32.4 µL |
| 10種類 | 2 µL | 100 µL | 6 µL | 108 µL |
2サンプルの場合
2サンプル以上の染色液をまとめて調製する場合は、分注時のロスを考慮して20%多めに調製します。
試薬の種類数 |
100 µM d-Biotin | MHC Dextramer®総量 | 10× PBS | 合計液量 |
|---|---|---|---|---|
| 1種類 | 0.2 µL | 12 µL | 0.7 µL | 12.9 µL |
| 2種類 | 0.5 µL | 24 µL | 1.4 µL | 25.9 µL |
| 3種類 | 0.7 µL | 36 µL | 2.2 µL | 38.9 µL |
| 10種類 | 2.4 µL | 120 µL | 7.2 µL | 129.6 µL |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。
























