フローサイトメトリーで細胞を染色するためのプロトコルは数多くあり、異なる細胞タイプ、ターゲット、またはアプリケーションに応じて最適化する必要がございます。
ここでは、フローサイトメトリーのための、浮遊細胞の細胞表面エピトープを細胞外で染色するための基本的なプロトコルをご紹介します。
細胞内の染色については、こちらをご参照ください。
技術情報
必要な試薬など
- Live-or-Dye™ Fixable Viability Stain(品番#32018など) または dead cell nucleic acid stain (オプション)
- 一次抗体
- 二次抗体(蛍光標識された一次抗体をご使用の場合には必要ございません。
- Flow buffer (PBS + 2% bovine serum or BSA + 0.02% sodium azide)
- フローサイトメトリーチューブ(12 x 75 mm polypropylene tubes)
実験手順
- トリプシン処理または市販の非酵素的セルリフト溶液を使用して、付着細胞を剥離する。
- 【オプション】死細胞を分析から除外するには、PBSなどのタンパク質を含まないバッファーで細胞を再懸濁し、製品のプロトコルに従って、当社のLive-or-Dye™ Fixable Viability Stainsなどの固定可能な死細胞用色素で細胞を染色する必要があります。 注:細胞の固定を行わない場合は、PIや7-AADなどの固定不可能な死細胞染色剤を一次抗体や二次抗体と一緒に添加することができます。
- Flow bufferで細胞密度を1×107個/mLに調整する。
- フローサイトメトリー用チューブに細胞懸濁液を100µLずつ分注し、チューブあたり1×106個の細胞を採取し、チューブを氷上に静置する。
- 一次抗体をチューブに加え、軽くボルテックスして混合する。チューブを氷上(または4℃)で30分間インキュベートする。直接結合した蛍光一次抗体を使用する場合は、チューブを光から保護する必要がある。
注:一次抗体の濃度は用途に応じて最適化する必要がありますが、チューブあたり0.5〜1µgの抗体が一般的な開始濃度です。 - 各チューブに1mLのFlow bufferを加えて洗浄する。その後、350×gで5分間遠心分離して細胞をペレット化する。
- 洗浄液を廃液容器に流す。
- ステップ6-7を繰り返す。
- 【オプション】このステップでは、お好みの固定剤で細胞を固定することが可能。固定後、ステップ6-7と同様に洗浄する。
- 直接標識された一次抗体を使用する場合は、ステップ14に進む。標識された二次抗体を使用する場合は、ステップ11に進む。
- 洗浄バッファーを流した後、残りのバッファー(〜100 µL)に細胞を優しくボルテックスして再懸濁する。
- 各チューブにそれぞれ1µgの二次抗体を加え、静かにボルテックスして混合する。遮光して室温で30分インキュベートする。 注:ビオチン化した一次抗体の検出には、ストレプトアビジンコンジュゲートを使用することができ、通常は0.25µg/チューブで使用します。
- Flow bufferで細胞を2回洗浄する(ステップ6〜7を繰り返す)。
- 洗浄バッファーを流した後、チューブごとに500µLのFlow bufferを加える。
- フローサイトメトリーでは、コンジュゲートに適したチャンネルで分析する。 各サンプルをサイトメーターにロードする前に、軽くボルテックスして混合する。
注:ステップ7で固定化を行った場合、細胞は分析前に遮光して4℃で数日間保存することができます。
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては
使用しないように、十分ご注意ください。