【商品情報】 ヒトリンパ球分離性溶液 Lympholyte®-H
(品番CL5010(5×30mL),CL5015(1×100mL),CL5020(1×500mL))
1 商品
Lympholyte®-Hは,ヒト末梢血から生リンパ球および単球を分離するために設計された,密度勾配分離媒体です。
2 適用
Lympholyte®-Hは単純な手法で,ヒト血液から赤血球及び死細胞を除去することができます。また,Lympholyte®-Hは,大多数の顆粒球(好中球を含む)を除去することができます。結果として,高率で非選択的な生リンパ球と単球を得ることができます。
3 形状
滅菌済溶液。0.22μmフィルターで濾過されています。
4 貯蔵・安定性
未開封時は室温(22℃±3℃),開封後は4℃にて保存してください。常に遮光してください。表示された有効期限前に使用してください。
注意:長期間の保存は相の分離につながるおそれがあります。
使用前によく振ってください。気泡が消えるまで(2-3分)立てておいてください。密度は温度の影響を受けますので,室温にて使用してください。
5 仕様
構成:5.64% ポリシュークロース 400,9.65% Sodium Diatrizoate
密度:1.0770 + 0.001g/cm3(22℃)
pH:6.9±0.3
生存度/純度:生リンパ球の回収率≧70%(個体差があるかもしれません)
赤血球のコンタミネーション≦10%
6 使用方法
Lympholyte®-Hとお好みの無血清培地(PBS,Modified McCoy's Medium等)を室温(約22℃)で,無菌的な方法で使用してください。
1. ヒト血液を,抗凝固剤を含んだチューブに採取するか,フィブリン除去された血液を使用してください。
2. 血液を等量の培地に溶解してください。
3. 方法AかBに従って(図参照),溶解した血液6mLを,Lympholyte®-H 3mLに重層してください。10-15mL遠心チューブを使用してください。
方法A:Lympholyte®-H 3mLを遠心チューブに入れてください。ピペットを使用し,界面をできるだけ乱さないようにして,溶解した血液6mLを重層してください(図A)。Lympholyte®-Hは細胞懸濁液よりも密度が高いため,明確な境界が形成されます(図C)。
方法B:溶解した血液6mLを遠心チューブに入れてください。長い(23cm)パスツールピペットを,チューブの底に設置してください。Lympholyte®-H 3mLを,パスツールピペットを通して,ゆっくりと,溶解した血液の下に重層されるように加えてください。細胞懸濁液の下にLympholyte®-H 3mLが重層されるまで続けてください。Lympholyte®-Hは細胞懸濁液よりも密度が高いため,明確な境界が形成されます(図C)。
4. 室温,20分,800×gにて遠心分離を行ってください。
5. 遠心後,境界に明確なリンパ球層が現れます(図D)。これを,パスツールピペットを用いて慎重に除去し,新たな遠心チューブに移してください。
6. 溶液の密度を減らすために,移した細胞を培地に溶解してください。リンパ球をペレットにするために800×g,10分間遠心し,その後上清を捨ててください。
注意:必要があれば,この段階で血小板を除去します。
A. バッファー0.5mLとトロンビン50μLを加え,穏やかにペレットを再溶解します。
B. バッファーを加えて10mLに調整し,十分に混和します。
C. 細胞を,ゆっくりと(100rpm)3分間遠心します。血小板は凝集し,底に沈みます。
D. 凝集した血小板を残し,細胞を含む上清を取り除いて別のチューブに移します。
あるいは,
A. 800rpm,1分間遠心し,細胞をペレットにします。
B. 上清を取り除き,細胞をバッファーに再溶解します。
C. この操作を2回繰り返します。血小板が除去されるにつれ,上清はより透明になります。
7. 次の操作の前に,リンパ球を培地で2〜3回洗います。(この段階では血清を含む培地も使用できます)