ページの本文へ移動

記事ID : 45051
研究用

ユビキチン化タンパク質の免疫沈降(IP)や各種免疫染色(IHC/ICC/IF)に最適な高性能人工抗体 Ubiquitin Antibody (Monobody)

このエントリーをはてなブックマークに追加


本製品はユビキチン単量体およびモノ/ポリ-ユビキチン化タンパク質を認識する単鎖人工抗体(モノボディ)です。
既存のモノクローナル抗体製品よりも優れた特性をいくつも備えており、免疫沈降(IP)や各種免疫染色(IHC/ICC/IF)に最適です。

※ 本製品は公益財団法人東京都医学総合研究所、国立大学法人東海国立大学機構、国立大学法人京都大学からライセンスを受けて製品化しています。

特長

  • 高親和性-モノボディコンビナトリアルライブラリー(1013 種類)からスクリーニングされたユビキチン結合性クローンの中で最も高親和性のクローンが製品化されています。一般的にIgG 抗体では低ナノモーラー範囲の解離定数(Kd)で高親和性とされますが、本モノボディはバイオレイヤー干渉法による解析から0.88 nM と決定され、高親和性であることが示されています。
  • 高浸透性-モノボディは分子サイズが一般的なIgG の1/10以下であり、これによってVHH 抗体(ナノボディ)と同様に高い透過性を有することが考えられます。免疫細胞染色において、本モノボディは既存のマウスモノクローナル抗体(FK2)よりも良好にユビキチンを検出することが示されています(図1)。
  • 低バイアスで-本モノボディは、既存のマウスモノクローナル抗体(FK2、P4D1)よりも優れた特長として、 ユビキチン単量体およびモノユビキチン化ヒストンを効率良く免疫沈降できることが示されています(図3)。また、ポリユビキチン化タンパク質の免疫沈降にも優れており、免疫沈降物の定量質量分析から、8 種類全てのユビキチン鎖タイプ(K6、K11、K27、K29、K33、K48、K63、M1)を効率よく、細胞抽出液中の割合とほぼ一致した割合で回収できることが示されています(図4)。このことは、本モノボディが全てのユビキチン鎖タイプに対して低バイアスで結合することを示唆しており、この特性についても小さな分子サイズが寄与していると推測されます。
  • 人工抗体-モノボディはフィブロネクチンIII 型ドメイン(FN3)由来構造を足場とする人工抗体です。本製品はC 末端がHis タグ融合されており、大腸菌発現系とアフィニティ精製によってアニマルフリーの条件で製造されています。C 末端にはビオチン標識も施されており、本製品の検出や固相化のためにはアビジン/ ストレプトアビジン試薬の使用が推奨されます。下記の関連商品をご参照ください。

模式図:Anti-Pan Ubiquitin Monobody (Biotin)

検証済みの適用

  • 免疫沈降(IP: Immunoprecipitation)
  • 免疫細胞染色/免疫蛍光染色(ICC: Immunocytochemistry/IF: Immunofluorescence)
  • 免疫組織染色(IHC: Immunohistochemistry)
  • ウェスタンブロット(WB: Western blot)
  • ELISA

※ モノボディは比活性が高く、一般的な抗体製品を用いる場合よりも高希釈倍率(低濃度)で良好な結果が得られています。

使用例

免疫細胞染色

CAC_panubiquitin_IHC_01.png
図1
EGFP- ユビキチン融合タンパク質安定発現HCT-116 細胞にピューロマイシンを処理してユビキチン陽性凝集体形成を誘導し、TAMRA 標識ユビキチンモノボディによって(A)、もしくはマウスモノクローナル抗体(FK2)とAlexa568 標識二次抗体(B)によって免疫細胞染色を行った。
(公財)東京都医学総合研究所提供データ

ウエスタンブロット

CAC_panubiquitin_wb_01.png
図2 ウェスタンブロッティングによるユビキチン化タンパク質の検出
薬剤処理(TAK-243/Btz/なし)を行ったHCT-116細胞ライセートについて、本製品: Anti-Pan Ubiquitin Monobody(左)およびAnti-Pan Ubiquitin Mouse IgG, clone P4D1(右)によってウェスタンブロッティングを行い、それぞれHRP・化学発光系によって可視化した。本製品を用いた場合、Mouse IgG, clone P4D1を用いた場合と比較してモノユビキチン化ヒストンH2Aおよび低分子サイズのモノ/ポリ-ユビキチン化タンパク質からのシグナルがより強く検出された。一方で、本製品はウェスタンブロッティングではユビキチン単量体を認識しないことが示された。
※ 本製品はELISA(図6)および免疫沈降(図3)ではユビキチン単量体を認識します。

免疫沈降

CAC_panubiquitin_IP_01.png
図3
HCT-116 細胞の抽出液について各種のモノボディおよびマウスIgG を用いて免疫沈降を行い、マウスモノクローナル抗体(P4D1)を用いてウェスタンブロット解析を行った。ユビキチンモノボディのみ、ユビキチン単量体およびモノユビキチン化ヒストンの免疫沈降が可能であった。

免疫沈降物の定量質量分析

CAC_panubiquitin_MS_01.png
図4
図3 の 62 kDa 以上の免疫沈降物を LC-MS/MS による定量質量分析に供した。

品質

CAC_panubiquitin_sdspage_01.png
図5 SDS-PAGE
(1) 1 µgのモノボディ(本製品)、 (2) 5 µgのアビジンと共にインキュベーションした1 µgのモノボディ、(3) 5 µgのアビジンをSDS-PAGEで分離後、ゲルをCBB染色した。モノボディが高純度であることおよび高収率でビオチン標識されていることを確認した。

 

ELISA
図6  ELISA
組換えヒトユビキチン単量体をコートしたイムノアッセイプレート(1 µg/ウェル)に本製品(0.5 mg/mL)の希釈系列を反応させ、NeutrAvidin-HRPによる二次反応、TMB基質による発色、硫酸による反応停止を行った。本製品が組換えヒトユビキチン単量体に結合すること、および高力価であることを確認した。

Anti-Pan Ubiquitin Monobody (Biotin)

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Anti-Pan Ubiquitin Monobody, Biotin詳細データ CAC MB-001-B 50 UG
[0.5mg/mL]
¥43,000

関連商品

  • Anti Ubiquitin (P4D1)
    ウェスタンブロット解析でユビキチン単量体を検出したい場合に有用
    ※ ユビキチンコードを低バイアスで検出する目的にはAnti-Pan Ubiquitin Monobodyをお勧めします。
  • iFluor™ 色素
    紫外可視から近赤外にまたがる一連の優れた蛍光標識色素、ストレプトアビジンコンジュゲートを含む豊富なラインアップ
  • Avidin, Neutralite™
    様々な検出実験で使えるNeutralite Avidin試薬、HRPなど各種の標識をラインナップ
  • ProActive® Protein Coated Microspheres
    ストレプトアビジンコート粒子、各種の粒子(磁性、ポリスチレン粒子、シリカ粒子、着色、蛍光)をラインナップ
  • MagStrep "type3" Strep-Tactin® ビーズ
    免疫沈降や免疫共沈降に使えるStrep-Tactin®コート磁気ビーズ
  • Enzo Lifescience社:ユビキチン、ユビキチン様タンパク質 & 派生物
    ユビキチン単量体、ポリユビキチン鎖、各種変異体などを豊富にラインナップ
  • UbiQ Chains
    全8種類(K6, K11, K27, K29, K33, K48, K63, M1)の天然結合型ジユビキチン(di-ubiquitin)鎖をラインナップ

関連情報

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

お問い合わせ


メーカー・代理店一覧

サポート情報

SNSアカウント

オウンドメディア

※当社のWEBサイトはユーザーの利便性を最適にし、それを保証するためにクッキーを使用しています。
 このWEBサイトの利用を継続することで、クッキーの使用に同意することになります。

© COSMO BIO