flashBAC™ は、組換えウイルス精製ステップが不要の新しいバキュロウイルス発現システムです。

組換えウイルス作製後、精製ステップが不要です! ワンステップ バキュロウイルスタンパク質発現システム flashBAC™
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背景
flashBAC™ システム
flashBAC™のポリヘドリン領域には、昆虫細胞内でウイルスが増殖するのに必要な遺伝子(ORF1629)が一部欠損したものと、BAC(Bacterial Artificial Chromosome)が含まれます。flashBAC™ DNAと、目的遺伝子を含むトランスファーベクターが相同組換えを起すと、同時に昆虫細胞内で増殖可能な遺伝子の欠損部位が正常部位と組換わり、機能が回復します(図)。
非組換えウイルスは昆虫細胞内での増殖は不可能ですが、組換えウイルスは増殖が可能であるため、プラークアッセイや精製等のスクリーニングを必要とせずに直接培養上清を昆虫細胞に使用することができます。また、組換え効率は100%です。このように、組換えウイルスがワンステップで作製可能なので、バキュロウイルス発現システムを用いたハイスループットの解析に最適です。
図.flashBAC DNAと目的遺伝子を含むトランスファーベクターが相同組換えを起こすと、昆虫細胞内で増殖可能な組換えウイルスができる。
また、一般的にバキュロウイルスは、感染後期に宿主のクチクラを破壊し組織の液状化を引き起こす酵素キチナーゼ(chitinase : chiA)を含みます。キチナーゼは、感染昆虫細胞内で小胞体と結合し、タンパク質分泌経路を完全にふさいでしまいます。flashBAC™ システムでは、chiAが欠損しているので、分泌性タンパクおよび膜タンパクの発現システムもまた大幅に改善されました。
本システムは、昆虫細胞内のポリヘドリン領域との相同組換えを利用した多くのベクター(例:pBACPAK8/9, pAcUW31, pBacPAK-His1/2/3など)と互換性があります。
特長
- 精製ステップ不要のワンステップ発現系
- ウイルスストックが7〜10日で得られます
- プラークアッセイ不要
- ハイスループットに対応
- 組換え効率100%
構成内容
- flashBAC™ DNA
- ポジティブコントロール (lacZレセプター遺伝子を含むトランスファーベクターDNA)
- flashBAC™ ユーザーガイド
実験方法
- トランスフェクション実験の一時間以上前には、35mm ディッシュにSf21(Sf9)細胞を2mLの培地に1.5x106cell/dishの割合になるよう準備します。その後、室温で1時間放置します。
- 下記の混合液を用意します。
A.100ngのflashBAC™ DNAと500ngの目的遺伝子を挿入したトランスファーベクターを500mLのserum freeの培地に加えたもの。
B.適量のトランスフェクション試薬(* 表1)と500mLのserum freeの培地を混合したもの。 - 上記のAとBを混合し、室温で15分放置します。
- 放置後約15分前後で、円形で明るい培養細胞が観察できます。
- 前の培地を捨て(*注1)、3.の混合液をディッシュにゆっくりと添加します。5時間〜一晩28℃で培養します。
- さらに1mLのserum free培地を加え(*注2)、5日間培養します。
- 培養後、ウイルスを含む上清を滅菌した容器に移し、4℃で遮光して保存します。これが、組換えウイルスのストック溶液となります。
注1:血清入り培地を用いた場合は、5.のDNAとトランスフェクション試薬を加える前にserum freeの培地で2回洗浄してください。
注2:前培養の段階で、血清入り培地を用いた場合は、serum free培地の代わりに血清入り培地を加えてください。
メーカー名 | 品名 |
---|---|
OET社 | baculoFECTIN™ (推奨) |
Novagen | GeneJuice® |
Invitrogen | Lipofectamin® |
Lipofectamin™ 2000 | |
CELLFECTIN® | |
Roche | FuGENE6 |
Promega | Tfx-20™ |
(表1)利用可能なトランスフェクション試薬(テスト済み)
ワンステップ バキュロウイルスタンパク質発現システム flashBAC™
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
flashBACTM![]() |
OET | 100150 | 5 RXN [5_reaction(25μL @ 20ng/μL)] |
¥61,000 |
flashBACTM![]() |
OET | 100151 | 24 RXN [24_reaction(120μL @ 20ng/μL)] |
¥263,000 |
flashBACTM![]() |
OET | 100152 | 96 RXN [96_reaction(480μL @ 20ng/μL)] |
お問い合わせ |
【関連商品】superSf9 cells® バキュロウイルス発現システム用細胞株
superSf9 cells® は、タンパク質を安定的に発現させるためにSf9 細胞に改良を加えた昆虫細胞です。様々なタイプの組換えタンパク質発現用に3種類の細胞をご用意しており、同社のflashBAC™ システムと一緒にお使いいただくと最大限の効果を発揮します。(すべてのバキュロウイルス発現ベクターシステムに対応)
品名 | メーカー | 品番 | 包装 | 希望販売価格 |
---|---|---|---|---|
superSf9-1 insect cells![]() |
OET | 600102 | 2 VIAL [1x10^7 cells/vial] |
¥257,000 |
superSf9-2 insect cells![]() |
OET | 600103 | 2 VIAL [1x10^7 cells/vial] |
¥257,000 |
superSf9-3 insect cells![]() |
OET | 600104 | 2 VIAL [1x10^7 cells/vial] |
¥257,000 |
Sf9 insect cells![]() |
OET | 600100 | 1*10^7 CELLS |
OET社 600100 2 を参照 |
バキュロウイルス発現ベクターシステム | |
バキュロウイルス発現キット | |
バキュロウイルストランスフェクション試薬 | |
バキュロウイルス力価測定キット |
商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。
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