精神疾患やがん分野で注目されるポリシアル酸は、負電荷を持つシアル酸が直鎖状に連なった糖鎖です。従来は、ポリ-L-リジンなどを担体に前処理(下地修飾)した上で、受動吸着によりポリシアル酸を固定化していましたが、工程のコストや手間、非特異結合によるバックグラウンドノイズの発生が課題となっていました。
AnteoBind™(Activation Kit Multiplex Microspheres)を使用すれば、こうした前処理工程を経ることなく、ポリシアル酸を担体へダイレクトに配位結合で固定化できます。さらに、非特異結合を抑えつつ高いシグナルが得られることが証明されました。このようにAnteoBind™は、従来の固定化法では難しかった多糖類・糖鎖などの生体分子に対しても非常に有効なツールとなります。

図4: Luminexローディングアッセイにおけるポリシアル酸-MagPlex間の固定化方法比較
(青)受動結合 (赤)AnteoBind™(Activation Kit Multiplex Microspheres)
反応物が一つでも欠けるとシグナルに有意な差が見られることから、非特異反応が低いことが示された。また反応物が全て揃っている場合、受動結合よりもAnteoBind™の反応の方が高かった。
MagPlex® 推奨の固定化法(EDC/sNHS法)と AnteoBind™(Activation Kit Multiplex Microspheres)を用い、3種類の生体分子(150 kDa IgG、50 kDa タンパク質、細菌性LPS)を MagPlex® ビーズへ固定化し、Luminex® アッセイに必要な生体分子の要求量を比較しました。その結果、推奨法と同等のアッセイ性能を得るために必要な生体分子量を 50%〜95% 削減可能であった。さらに、ビーズ活性化後70日間にわたり、一貫した安定性と優れたシグナル品質を維持した。



図5: タンパク質導入量に応じたLuminexアッセイにおける蛍光強度比較
(上)150kDa IgGタンパク質:200→10pmolに削減。粒子活性化70日後も非特異反応未確認
(中)50kDaタンパク質:200→100pmolに削減。粒子活性化70日後も非特異反応未確認
(下)細菌性LPS:5→1.25 μgに削減。最小導入量において非特異反応未確認